トマト ハモグリバエ
ハモグリバエ
ハモグリバエの食害痕
トマト栽培でのハモグリバエの被害は増えてくると大きな問題になります。
ハモグリバエは、体長が2mmほどのとても小さなハエの仲間です。
成虫は特に害がありませんが、問題は幼虫です。
葉にもぐりこんで食害するため、葉に白っぽい線状の食害痕を残します。
このことから、エカキムシとも呼ばれています。
以前は、家庭菜園ではあまり発生がなかったハモグリバエですが、
近年では発生が少しずつ増えているようです。
薬剤に対する抵抗力を持ったものも出てきているため、
できる限り防除していく必要があります。
ハモグリバエの予防方法や駆除方法について知っておき、
見つけた時にはすぐに対処するようにしましょう。
[トマト ハモグリバエ]
■ハモグリバエとは?
ハモグリバエの成虫は、体長が2mmほどとかなり小さな体のため、
普段は近くにいてもほとんど気づくことがありません。
幼虫は体長が1mm~2mmで、かなり小さいので、発見しにくいです。
ところが、ハモグリバエの幼虫は、
トマトの葉の内側に入り込んで食害するため、食害痕が目立ちます。
トマトの葉に、白っぽいぐねぐねと曲がった線が入っていたら、
ハモグリバエの幼虫の被害が出ています。
ハモグリバエは、卵から成虫になるまでのサイクルが短く、
幼虫の状態で葉にとどまっているのは3日~4日ほどといわれています。
ハモグリバエの幼虫は、蛹になる直前になると、
もぐっていた葉から出てきて、土の中にもぐって蛹になります。
なので、食害痕を見つけた時には、葉の中に幼虫がいない場合もあります。
最初は少ない数でも、同じ場所で卵から幼虫になって葉を食害し、
また蛹になって成虫になるのを繰り返されると、被害は大きくなっていきます。
成虫も幼虫も体は小さいですが、
数が増えると葉に穴があいたり枯れるなど、手に負えなくなり、とても厄介です。
トマトの葉に食害痕を見つけた時は、
被害が少ないうちに必ず対処するようにしましょう。
ハモグリバエの食害痕
■ハモグリバエ予防方法
ハモグリバエはとても小さいので、
成虫を株に寄せ付けないようにするのは至難の業です。
防虫ネットもくぐりぬけることがあるため、ネットが役に立たないこともあります。
ネットを使う場合は、網目が0.4mm以下と細かいものを使う必要があります。
完全な予防法ではありませんが、
地植えの場合は畝にマルチをかぶせておくのも効果的です。
蛹になるため、葉から抜け出して幼虫は下に落ちます。
この時、マルチをすると土の中に入り込むのを、ある程度防ぐことができます。
土に中に入れなかった幼虫は、蛹になっても羽化する確率が減るため、
結果として成虫を減らすことができます。
卵を産み付ける成虫が小さく、見つけにくいので、
被害を最小限に抑えるためには、こまめに見回りをする必要があります。
毎日でなくても良いですが、幼虫でいる期間を考えれば、
3日に1度は見回りをした方が良いでしょう。
食害痕は、生長点に近い上の方よりも、株元近くから出るので、
株元を重点的にチェックします。
ただし、いきなり上の方から狙われることもあるので、
株の上方にある葉も簡単にチェックするようにします。
ハモグリバエの被害が大きいアサガオの葉
■ハモグリバエ駆除方法
まず被害の出ている葉を見つけたら、その葉をよく観察します。
葉には白っぽい線が入っていると思いますが、
その線をたどっていくと、端が少し太くなっている場所があります。
この太くなってる場所に、ハモグリバエの幼虫が潜んでいます。
この部分を指で押さえることで、中にいる幼虫をつぶすことができます。
被害が少ないうちは、食害痕のある葉の部分だけを摘んで処分することで、
その後の被害を最小限に抑えることもできます。
ただし、摘み取った葉は必ず処分します。
そのまま畑に放置すれば、中から幼虫が出てきて蛹になり、
結局、成虫を増やすことになります。
被害があまりにも広がってしまっている場合は、薬剤に頼るのも1つの手です。
トマトに使えて、ハモグリバエの登録がある薬剤は、
コロマイト乳剤やプレオフロアブル、カスケード乳剤などがあります。
ただ、ハモグリバエの中には、薬剤に抵抗があるものもいるので、
できるだけ数が少ないうちに対処することが大切です。
薬剤を散布する時は、株元から生長点までもれなく散布するようにします。
また、ハモグリバエは生長サイクルが短いので、
薬剤散布の期間をあまりあけると効果が薄れることがあります。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方