トマト 尻腐れ病

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トマト 尻腐れ病

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トマトが尻腐れ病に! 初体験、品種は麗華で窒素過多が原因です

 

 

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尻腐れ病果を割ったところ、腐っていない部分は食べられますが……

 

 

ルンゴが尻腐れ病に。しかし、カルシウムの葉面散布で乗り切れました!

 

 

トマト栽培で、実のお尻の部分が茶色や黒っぽく変色したり、
ぶよぶよと腐ったように凹みができることがあります。

 

トマトの第3花房の実が膨らむ頃に、発生しやすいと言われています。

 

これが尻腐れ病というものなのですが、
病という字がついているものの、病気ではなく生理障害の1つです。

 

つまり、この生理障害を解消してあげることで、
通常の実が収穫できるようになることもあるのです。

 

尻腐れ病の原因を知り、対策を覚えておくことで、
育てたトマトが無駄にならずに済むことがあります。

 

 

[トマト 尻腐れ病]

 

 

■尻腐れ病の原因

 

尻腐れ病の原因のほとんどは、カルシウム不足による生理障害です。
トマトは生育する時にカルシウムが必要不可欠な植物です。

 

では、カルシウム不足はどのようにして起きるのでしょうか。

 

1.土中にカルシウムがない
トマトを育てている土の中に、カルシウムが含まれていなければ、
カルシウムを吸収できず、カルシウム不足になってしまいます。

 

トマトの苗を定植する前に、土作りを行います。
この土作りを行う時に、必ず適量の苦土石灰を加えて混ぜておきます。

 

苦土石灰を混ぜることで、土の酸性度を和らげることができる上に、
カルシウム分を補給することもできます。

 

土の酸性度が高すぎても、カルシウムの吸収を阻害するので、
苦土石灰を与えるだけで一石二鳥の働きをしてくれることになります。

 

ただし、苦土石灰は与えすぎも良くありません。
苦土石灰を与えすぎると、土が酸性からアルカリ性へと変わってしまいます。

 

トマトは、強い酸性土では育ちにくいですが、アルカリ土壌でもうまく育ちません。
また、鉢やプランターなどで栽培する場合、市販の培養土を使うことが多いと思います。

 

市販の培養土には、苦土石灰などのカルシウム分が含まれることが多いので、
あらためて苦土石灰を加える必要はありません。

 

もし培養土に苦土石灰が入っているか不安な場合は、
少量だけ加えてよく混ぜることで、カルシウムを補うことができます。

 

 

左が尻腐れ病果、お尻を観察していなかった……

 

 

2.窒素過多 
土にはカルシウムが含まれていたとしても、
トマトがカルシウムをうまく吸収することができなければ、
カルシウム不足となって尻腐れ病になってしまいます。

 

肥料過多の状態になっていると、カルシウム不足になりやすくなります。
特に窒素が多い状態だと、トマトの根がカルシウムを吸収するのを妨げ、

カルシウム不足がひどくなるので注意します。

 

元肥や追肥に使う肥料は、植物に適したものを与えるようにします。
最近では、トマト専用の肥料も売られているので、そちらを使うのも良いでしょう。

 

3.過乾燥
トマトは乾燥気味の環境を好みますが、過度に乾燥させると、調子を崩します。
植物にとっての適湿を保った土でなければ、カルシウムの吸収も悪くなります。

 

気温が高くなると、土の乾燥も早まるので葉が少ししんなりしてきたら水を与えます。
容器栽培は地植えよりも水切れしやすいので注意します。

 

おいしいトマトを育てるために、水分量を減らす栽培方法が流行っていますが、
あまり無理をすると株への負担が大きくなり、おいしい実を収穫できなくなります。

 

 

■尻腐れ病の対策

 

実際に尻腐れ病の症状が出てしまった場合は、どうすれば良いのでしょうか。
また、前年にも尻腐れ病が出てしまった場合、
予防策としてはどのようなことがあるのでしょうか。

 

1.基本を守る
尻腐れ病を防ぐには、土作りや元肥・追肥に使う肥料、水やりの頻度など、
まずは基本に忠実に育てることが大切です。

 

基本とは違った栽培方法を試すのは、
育てるのに慣れてからのほうが安心です。
そうすれば、何か失敗したときに、原因をつきとめやすくなります。

 

 

カルシウムエキスを希釈して葉にスプレーします

 

 

2.カルシウムを散布する
尻腐れ病の症状が出てしまったら、カルシウムを補給させる必要があります。
トマトは根からも吸収しますが、葉からも吸収できます。

 

そのため、尻腐れ病が出た場合には、土にカルシウムを含むものをまいたり、
潅注するか、葉面に散布するようにします。

 

葉面散布用のカルシウム剤などが市販されているので、それらを使って散布しましょう。
また、花が咲いている時に使える尻腐れ病を予防するスプレーなどもあります。

 

 

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トマトの尻腐れ予防スプレー 950ml \855 (税込)

 

 

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カルシウムエキス 100ml ¥420(税込)

 

 

3.摘葉する
カルシウム不足になった場合、
果実の近くの葉からカルシウムを果実に長そうとします。

 

この時、花房の右側についた実には右側の葉から、
花房の左側についた実には左側の葉からカルシウムをもらいます。

 

トマトをよくよく見てみると、花房がついている場所から、
90度右側と左側に1枚ずつ葉があります。

 

さらに花房から180度のところ、
つまり茎を中心に花房の反対側にも葉が1枚ついているのが分かります。

 

花房の右側の実は右側の葉から、左側の実は左側の葉からカルシウムをもらうとしたら、
真後ろのこの葉のカルシウムはどこにいくのでしょうか。
答えは、どこにもいかない、のです。

 

花房の反対側にある葉には、カルシウムが運ばれて蓄積されていますが、
花房の方には運ばれることがないのです。

 

つまり、少しでもトマトの実にカルシウムを運ぶためには、
花房の反対側にある葉を摘葉するのが効果的なのです。

 

花房が着果したのを確認したら、反対側にある葉を摘葉します。
この時、切れ味の良い消毒済みのナイフやカッター、ハサミを使うようにします。

 

できれば摘葉の作業は、晴れた日の午前中に済ませると、
傷口から菌が入り込んで病気になる可能性が低くなります。

 

この方法は、尻腐れ病が出る前でも出た後でも効果が期待できます。
薬も何も使わず、これだけで? と思うかもしれませんが、
やってみると尻腐れ病に効果があるのが分かると思います。

 

*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。

・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方


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タグ : 

トマト 病害虫 生理障害

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