トマト すじ腐れ
トマトの実の表面に斑点やすじが出た場合は、すじ腐れを疑ってください
トマト栽培をしていると、実が大きくなって色づいてくる頃に、
いつ収穫できるかとワクワクします。
けれど、よく実の様子を見ていると、異変に気付くことがあります。
トマトには、すじ腐れという生理障害が起こることがあります。
すじ腐れとは、どのようなものなのでしょうか。
また、原因や対策はあるのでしょうか。
[トマト すじ腐れ]
■主な症状
・表面の斑点と条班
すじ腐れは、実の表面に症状が出るため、収穫する前に気付けることが多いです。
正常なトマトの実は、表面がつるりとしていて、色は均一に入ります。
すじ腐れの症状が出ている実は、表面に濃い褐色斑点が出たり、
黄色~緑色をしたすじ状の条班が出ます。
また、症状が強く出ているものは、実の表面に細かい凸凹ができることもあります。
この斑点や条班は、色づきが完了しても、本来のトマトの色になりにくく、
正常なものよりも着色が遅くなります。
着果してすぐにすじ腐れに気付くことはなく、着果後40日~50日ほど経ち、
着色~熟期に入ってから、異常に気付くことがほとんどです。
・黒と白
すじ腐れには、黒色すじ腐れと白色すじ腐れの2種類があります。
黒色すじ腐れは、症状の出ている実を切った時、
維管束が黒っぽい色に変色していることから、そう呼ばれます。
黒色すじ腐れは、維管束が壊死しているため、褐色~黒っぽい色に変色するのです。
白色すじ腐れの場合は、果皮や果肉が硬くなるため、
ス入り状態となって白っぽく変色するため、こう呼ばれます。
日照不足は、トマトにいろいろな悪影響を与えますので気をつけて
■主な原因
・日照不足
すじ腐れは、日照不足によって起こることが多い、生理障害です。
日照不足の原因は様々で、単純に日当たりの悪い場所で育てている、
というだけではありません。
その年によって、雨が多く日照時間が少ないために、
日照不足となってすじ腐れが出ることもあります。
また、ハウス栽培の場合は、ハウスのビニールが汚れていると、
どうしても光の透過率が悪くなります。
もちろん、栽培環境が悪ければ、
いくら天候に恵まれても日照不足になる可能性が高くなるので、
できるだけ日当たりの良い場所で育てるのがお勧めです。
・過繁茂
日当たりの良い環境で育てていると思っていても、
実に光が当たっていなければ、日照不足となる場合もあります。
特に過繁茂の状態になっていると、葉がやたらと大きく茂っているため、
陰を作って実に光が当たりません。
過繁茂の原因の多くは、窒素過多です。
さらにカリウム欠乏が起こっていると、さらにすじ腐れが起こりやすくなります。
■対策
・日照量の確保
すじ腐れは、日照量の少なさと多湿によって起こる可能性が高くなります。
日当たりと風通しの良い場所を選び、水はけの良い土で育てます。
ハウス栽培の場合は、ビニールをキレイに保ち、
汚れによって光が遮られないようにしておきます。
・窒素とカリウム
窒素過多による過繁茂とカリウム不足は、すじ腐れを助長します。
トマトが育つために、窒素はなくてはならない栄養素ですが、
多すぎると良いことはありません。
窒素とカリウムは拮抗関係にもあるため、注意が必要です。
窒素が多いと、カリウムの吸収が難しくなるため、土中にカリウムが含まれていたとしても、
カリウム欠乏に陥ることがあります。
カリウム欠乏もすじ腐れの原因となるため、元肥や追肥する時に使う肥料の窒素量は、
必ずチェックしておきましょう。
・品種選び
たくさんあるトマトの品種の中には、すじ腐れに強い品種もたくさんあります。
桃太郎ネクストや極力米寿、パルト、麗夏など、すじ腐れに強い品種を選ぶことも、
発生の予防に役立ちます。
■判断基準
すじ腐れの症状と症状が似ている病気に、ウィルス病があります。
ウィルス病の場合、実の表面に出る斑点が小さく、
実全体に広がっていることで見分けることができます。
すじ腐れ自体は、株全体に症状が出るとは限りません。
一部の実にだけ症状が出ることも多いので、早めの対策を行うことで、
十分防ぐことができる生理障害です。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方