抑制トマト

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抑制トマトとは?

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抑制栽培(よくせいさいばい)とは、
本来の栽培時期よりも、開花・収穫を遅らせる栽培方法です

 

 

収穫と出荷が一定の時期に集中し、
季節はずれになると値が高くなる、
トマト、キュウリ、ナスなどの夏野菜で行われることが多いです。

 

果樹や切り花でも、行われています。
対義語は促成栽培です。

 

抑制トマトとは、この抑制栽培を用いたトマトの作型のことです。

では、詳しくご説明していきましょう。

 

 

[抑制トマトとは?]

 

 

■抑制トマトとは?

 

植物を育てる場合の「抑制」とは、
開花や収穫の時期を通常よりも遅らせるように調整しながら育てる方法です。

 

つまり抑制トマトとは、一般的なトマトよりも、収穫期を遅らせた作型です。
通常のトマト栽培では、春の早い時期に種播きをし、5月頃に苗を定植します。

 

そのまま順調に生長すれば、6月下旬~7月頃から収穫が始まります。
その後の生育状況にもよりますが、だいたい9月~10月頃まで収穫をしたら、
撤収という形になります。

 

ところが、抑制トマトの場合は、早くても6月上旬頃から種まきが始まります。
定植は早くても7月中旬となるため、収穫開始も8月中旬以降となります。

 

これでは、一般的な作型に比べ、初期生育時の気温がいくら高いといっても、
収量が極端に減ってしまうこととなります。

 

けれど抑制栽培を行う場合は、ハウスでの管理がセットとなることがほとんどです。
ハウス内で栽培することにより、気温が低下してきた時にも、
トマトの生育を続けさせることができるのです。

 

地域によりますが、早くに収穫が終わっても、
11月中旬頃までは収穫することができます。

 

トマトといえば夏が旬の野菜ですが、
秋にも収穫を楽しむための「秋トマト」というものが、
最近は家庭菜園でも定着しつつあります。
>>秋トマトの育て方

 

この秋トマトも、いわば抑制トマトと同じことです。
播種時期をずらして遅らせることで、定植時期と収穫開始時期を遅らせ、
秋にトマトの収穫を狙った方法です。

 

今までは、抑制トマトを育てるには、自分で播種~育苗する必要がありました。
抑制トマトは、育苗期間が高温になるため、育苗がとても難しかったのです。

 

けれど、最近では秋トマトの人気が高まってるおかげで、
ホームセンターなどで秋トマト用の苗を購入することができるようになりました。

 

家庭菜園で抑制トマトを楽しむ場合などは、
市販されている苗から育ててみるのもお勧めです。

 

 

ハウスで栽培中のトマト

 

 

■抑制トマトのポイント

 

抑制トマトをきちんと育てるためには、いくつかのポイントがあります。
初心者には少し難しく、家庭菜園では、設備が必要な場合もあります。
できることからはじめることで、だんだんと感覚がつかめるようになります。

 

・品種
トマトは本来、夏に収穫の最盛期を迎える作型が基本となります。
その作型での栽培が推奨されている品種でも、抑制栽培はできます。

 

しかし、より抑制栽培に合うように改良されている品種を選ぶと、
抑制トマトを栽培しやすくなります。

 

大玉トマトであれば「ハウス桃太郎」「優美」「りんか409」、
中玉トマトは、「フルティカ」、
ミニトマトであれば「千果」「CFプチぷよ」などがお勧めです。

 

・温室
抑制栽培では、一般的な作型に比べると、収穫期間が短くなりがちです。
できるだけ収穫期間を伸ばすには、ハウスなどの保温施設は外せません。

 

農家で設置して使うような、大型のハウスを導入するのは、
さすがに難しいということも多いでしょう。

 

家庭菜園では、栽培している株数も、農家に比べれば少ないはずです。
その分、保温施設も小さくすれば、取り入れやすくなります。

 

ホームセンターやインターネットでも、
簡易のハウスや1坪からのハウスが販売されています。

 

・高温期の対応
抑制トマトの栽培では、高温期をいかに過ごさせるかで、成功率が変わります。
特に播種~育苗中は、日中と夜間の温度差が必要となってきます。

 

さらに、日中も高温になりすぎないように注意する必要がありますし、
強すぎる日差しを緩和させる必要もあります。

 

また、定植直後に高温に当たると、急な乾燥によって萎れを招くこともあります。
暑さや日差しを和らげるためは、何ができるのでしょうか。

 

1.遮光
トマト栽培には強光が必要と思い込むことがありますが、
実は抑制栽培の場合は、強光が敵になることがあります。

 

もちろん、トマトは光を好む野菜なので、ある程度の日光は必要となります。
けれど、抑制トマトの場合は、すでに高温の季節に栽培が始まるので、
十分な温度を確保できている分、強すぎる日差しは禁物です。

 

強い日差しが当たることで、まだ弱い苗が傷むことがありますし、
ハウス内の温度が急上昇することもあります。

 

そこで、ハウスの屋根部分に、遮光ネットなどをかけるようにします。
遮光といっても、完全にするのではなく、40%以下の遮光率にするのがコツです。

 

2. マルチ
畝を覆うマルチは、土を温かくするためだけではありません。
株元にワラやもみ殻などのマルチを敷くことで、空気層を作りだせます。

 

この空気層を作ることで、土が高温になるのを防ぎ、
根を蒸れさせるのを防ぐことができます。

 

畝全体を覆うビニールマルチを利用する場合も、透明や黒のマルチを使うと、
地温が上がりやすくなるので、白いマルチを利用します。

 

白は光を跳ね返す効果があるため、地温の上昇を和らげることができます。

 

3. 畝間の水
残暑が落ち着くまでは、土が乾きやすくなることがあります。
水分を控えめにすると糖度が増すといっても、控えすぎは良くありません。

 

畝間に灌水用のチューブを通し、水やりを適宜行うようにします。
朝に水を与えることで、蒸散した水分の気化熱によって、
ハウス内の温度を下げる効果も狙うことができます。

 

4. 風通し
暑い時期、風通しが悪いと、空気がこもり、余計に高温になりやすくなります。
また、病害虫の発生も多くなるので、ハウスの裾や肩の部分をめくり、
風通しを良くしておきましょう。

 

気温が下がってきたら、冷たい空気が入りすぎないよう、
内部の空気を循環扇(扇風機など)を使って回すのがお勧めです。

 

もちろん、高温の時期も循環扇を使って空気を動かすことで、
ハウス内の温度を一定に保ちやすくすることができます。

 

*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。

・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方

・ミニトマト わき芽かき


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トマト栽培Q&A

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