ミニトマト わき芽かき
ミニトマトのわき芽、最初はこのように小さいです
ミニトマトの育て方のコツに「わき芽かき」という作業があります。
わき芽かきは、トマトを育てる時にとても大切な作業です。
作業の方法は、ミニから中玉、大玉トマトまで同様です。
わき芽かきを怠れば、トマトに無駄な養分を使わせてしまい、
さらに、株が伸び放題になり収集できないこともあります。
こちらでは、ミニトマトのわき芽かきに関するポイントを、
図版と画像を用いて、わかりやすくご紹介します。
[ミニトマト わき芽かき]
■ミニトマトのわき芽かきとは?
ミニトマトだけでなく、大玉や中玉のトマトを育てる時にも、
わき芽かきという作業があります。
トマトの種類が変わっても、同じようにわき芽を摘む品種が9割以上です。
ミニトマトの場合も、茎と葉の付け根から発生するわき芽を摘むのが、
わき芽かきという作業で、花房がたくさんであので見逃しやすいです。
レジナのような矮性化されている低い株の場合は、
わき芽もほとんど発生しないため、
わき芽かきの作用が不要な場合もあります。
■わき芽の発生する場所
わき芽は、主枝として伸びる中心の枝につく葉の付け根から発生します。
定植できるくらいに生長した苗では、すでにわき芽が発生している場合もあります。
株が小さく、まだ気温が低いなど、生育スピードが遅い段階であれば、
わき芽の発生も緩やかで、わき芽が伸びるスピードもゆっくりなので、
焦らずじっくり観察してわき芽かどうかを判断できるかと思います。
わき芽を確認することができれば、後は意外とすぐに見分けがつくようになります。
わき芽を見つけるのも、わき芽を摘むのも、慣れてくると意外に簡単です。
なので、ありったけのわき芽写真を掲載しました!
花房の下、とくに第一花房の下のわき芽(赤い部分)は強く、よく伸びます
これだけ伸ばすと、トマト苗にかなりのダメージを与えます。
わき芽の摘み方
■わき芽をかく方法
わき芽を摘む時、どのように摘めば良いか分からないということもあるでしょう。
手でちぎったり、ハサミで切ったりと、わき芽を取る方法はいくらかありますが、
適切なわき芽の摘み方は、指で摘む方法です。
主枝と葉とがV字になっている部分から発生したわき芽を、まずは指でつまみます。
つまんだ状態で、V字の奥か手前に引っ張ると、わき芽が葉の付け根部分から取れます。
上方や横方向に引っ張るだけでは、わき芽をかくことはできません。
無理をするとちぎれて、組織を傷つけてしまいます。
また、ハサミで切ると、切り口はきれいですが、わき芽が付け根から取れません。
またハサミについている雑菌が切り口から入り込んでしまうこともあるので、
ハサミはできるだけ使わないようにします。
わき芽が育ち過ぎていて、手で摘むのが難しい場合は、
消毒したハサミを使って切り取るようにしましょう。
このくらいの大きさで摘みます、週に2回は観察して摘みましょう
■わき芽を摘む大きさは?
わき芽を見分けるのにも慣れてくると、
ごくごく小さいうちからわき芽を見つけられるようになってきます。
育て方の説明には「わき芽は小さいうちに摘む」と書かれていることが多いですが、
実際にはどれくらいのサイズで摘むのが良いのでしょうか。
主枝と変わらないくらいに育ってしまったものは、完全に摘み遅れている状態です。
かといって、指でもつまめないほど小さいうちでは、摘むのに苦労します。
無理にわき芽を摘もうとすると、爪などで余計な傷をつけてしまいます。
余計な傷は、傷がつくだけなら問題ありませんが、
そこから病気の原因となる菌が侵入することもあるため、注意が必要です。
大きく育ったわき芽は、いち早く摘み取る必要があります。
では、小さいわき芽はいつ頃から摘めば良いのかというと、
指でつまめるようになった、3~5㎝くらいです。
わき芽かきは、たいてい指でつまんで摘み取ります。
指でもつまめないような小さなわき芽は、そのままにしていても害はありません。
もう少し大きくなって、指でつまめるようになったら早めに摘み取ります。
■わき芽かきをする時間帯と天気
いくら丁寧に作業を行っても、わき芽を摘んだ場所は傷となります。
そこに雨が降ってくると水が溜まり、菌が侵入しやすくなります。
また夜の間に夜露が溜まることもあるので、
できるだけ夜や雨が降る前には傷口が乾くようにします。
わき芽かき作業は、時間帯でいえば、午前中にするのが望ましいです。
水やりをしたついでなどに見回り、わき芽かきができそうな部分があれば済ませます。
午前中にすることで、夜までには傷口が乾き、余分な水分や菌が入り込みにくいです。
天気は晴れている方が乾きやすいので、晴れた日の午前中に作業を行うのが理想的です。
このくらいまでわき芽が生長してしまったら、2本仕立てにしてもいいですね
■わき芽かきに失敗したら
まだ主枝・葉・わき芽の見分けがつけられない時、
わき芽ではなく主枝を摘んでしまうことがあります。
主枝を摘んでしまうと摘芯をしたのと同じ状態となり、
主枝はそれ以上伸びなくなります。
主枝が伸びなければ、それ以上花房もつかないことになるので、
失敗するとショックは大きいですよね。
けれど心配は無用です。
例え主枝を間違って切ってしまったとしても、
まだまだミニトマトを育てることは可能です。
主枝がなくなってしまったら、次はどんどん出てくるわき芽の出番です。
元気の良いわき芽を伸ばし主枝の代わりに育てます。
わき芽はそのまま伸ばすと、主枝と同じように花房をつけるようになります。
最初はわき芽であったものも、育てていれば主枝になることができるのです。
ただし、新しい主枝にしたわき芽以外のわき芽は、わき芽かきをしておきます。
主枝がなくなったからといって、わき芽をすべて育ててしまうと、
養分が分散して実付きが悪くなります。
ミニトマト栽培の初期であれば、挿し木をして苗を増やせます
■わき芽の利用法
わき芽かきをして摘み取ったわき芽は、通常であればそのまま処分しますが、
たまにひっそりと育った大きなわき芽がとれることがあります。
その場合、そのまま処分しても構いませんが、
挿し木をして株を増やすこともできるのです。
トマトは挿し木がしやすくシーズン初めにすると収穫に間に合います。
花房直下の強いわき芽を挿し木にすると成功率があがります。
主枝を摘芯した時の生長点の部分も使えますが、
わき芽は後からどんどん発生するので、
一度挿し木に失敗しても、次々と挿し穂を確保することができます。
ただ、そのためだけにわき芽を大きく育てていると、
肝心の主枝についた実の育ちが悪くなるので、ほどほどにしておきましょう。
15cm以上に育ったわき芽を摘むか、消毒したハサミで切り取り、
挿し木をする用土を入れたポットや鉢に挿します。
あとは、発根して新芽が出てくるまで、あまり乾かないように管理するだけです。
水挿しによる発根もできるようですが、土に挿す方が成功率が高いように思います。
発根に成功した株は、ポットや小さい鉢だと、すぐに根詰まりを起こすので、
地植えにするか、大きな容器に植え替えて育てましょう。
わき芽を挿し木して増やした株も、親株と育て方は同じで構いません。
*農家のかたのお話では、トマトの樹勢を調整するために、
第一花房直下のわき芽は残しておくそうです。
また、挿し木苗だけで1~2畝育てるのだと!
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方