王様トマト
王様トマト C)サカタのタネ
王様トマトというブランドトマトをご存知でしょうか。
従来のトマトとは違う、画期的な性質を持つ品種群ですが、
どのような性質や特徴があるのでしょうか。
また、王様トマトの品種たちをご紹介していきます。
[王様トマト]
■王様トマトとは?
王様トマトは、サカタのタネが開発した、赤熟収穫できるトマト品種です。
赤熟収穫とは、収穫する時の色目安の5段階中、
4段階以降の赤い状態での収穫を行うことです。
トマトは赤熟した状態だと果肉が柔らかく、収穫直後は問題がなくても、
輸送中や店頭に並べる間に、どうしても実の割れや肉質の劣化が目立ちました。
以前は、それを防ぐために、収穫する時の色目安の2段階目~3段階目の、
まだ青い状態で収穫し、出荷することがほとんどでした。
青い状態で収穫したトマトは、
実が硬く、輸送中に割れたり肉質が劣化しすぎるのを防ぐことができました。
トマトは青い実を収穫しても、追熟を行うことで赤くなるため、
店頭に並ぶ頃にはちょど良い色に着色しているため、
こういった方法が主流となっていました。
王様トマトは、肉質が硬く劣化の遅い日持ち性の良い特性を生かすことで、
赤く熟した実を収穫した後も、品質の良い状態を保てるトマトです。
■王様トマトの魅力
王様トマトの魅力は、枝につけた状態で熟させて収穫できるところです。
青い段階で収穫をしても、輸送中に追熟され、
店頭に並ぶ頃には赤く熟したようになっています。
ところが、青い実を収穫して追熟させたものと、
枝につけて熟させた実では、味がまったく違うのです。
青いまま収穫して追熟したトマトは、トマト特有の青臭さが目立ったり、
酸味が強かったり、旨みが薄いことがあります。
赤くなるまで枝につけていたトマトは、
光合成して作った養分を、たっぷり実の中に溜めこんでいます。
そのため、表面上だけ赤くなった追熟トマトに比べると、
甘みや旨みが強いのが特徴です。
さらに、青い段階で収穫したトマトに比べ、長時間枝についているので、
太陽の光を浴びる時間も長くなります。
これにより、リコピンなどの注目されている成分量も、
追熟させたトマトより多くなります。
赤熟させることで、風味はもちろん、
栄養面でも差が出てくるのは、すごいです。
■王様トマトの品種
サカタのタネがブランド化している王様トマトには、
6つのトマト品種が登録されています。
「麗夏」「麗容」「秀麗」「ごほうび」
「マイロック」「ろくさんまる」の6種類です。
この6つの品種は、家庭菜園用ではなく、
プロの農家用に種や苗が販売されていることが多いです。
中には家庭菜園でも育てやすい品種もありますので、
種や苗を見つけたら、栽培してみてください。
王様トマトとして登録されている6品種には、
それぞれどのような特徴があるのでしょうか。
*リンクから、詳しい品種説明をご覧になれます。
・麗夏
夏秋栽培専用の品種です。
裂果の発生が少なく、秀品率が高いのが特徴です。
高冷地での栽培が多いですが、耐病性と耐暑性も強いので、
家庭菜園でも栽培可能です。
・麗容
促成栽培(冬春収穫)に向く品種です。
秀品率が高く、収量も安定しているため、幅広い地域で栽培されています。
・秀麗
全国的に問題になってきている、黄化葉巻病に耐病性を持つ品種です。
ただ、栽培環境や条件によっては、黄化葉巻病に感染することもあります。
病気を媒介するアブラムシやコナジラミ、アザミウマを防除するのが鉄則です。
・ごほうび
促成栽培(冬春収穫)、半促成栽培(春収穫)に向いた品種です。
王様トマトシリーズの中でも、糖度が上がり食味が良い品種となっています。
・マイロック
どの作型でも対応できる、育てやすい品種です。
酸味と甘みのバランスが良く、万人向けの食味を持っています。
・ろくさんまる
促成栽培(冬春収穫)や半促成栽培(春収穫)に適している品種です。
病気に強く、奇形果の発生が少なく、秀品率が高くて育てやすい品種です。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・トマト わき芽かき・摘心の方法
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・ミニトマト わき芽かき