オレンジ千果
オレンジ千果
オレンジ千果は、タキイ種苗が改良して作った、ミニトマト品種です。
一般的なミニトマトと少し様子の異なるオレンジ千果には、
どのような特徴があるのでしょうか。
また、育て方に何かコツはあるのでしょうか。
[オレンジ千果]
◎カロテン豊富なオレンジ果
タキイ種苗から販売されているミニトマト品種の中で、
千果シリーズは安定した人気があります。
その中でもオレンジ千果は、他の千果シリーズと異なり、
オレンジ色の果皮をしているのが特徴的です。
トマトもたくさんの品種が出回るようになりましたが、
まだまだミニトマトといえば赤色が主流です。
そんな中で、つやのある明るいオレンジ色のオレンジ千果は、とても目立ちます。
また、トマトが持つ栄養素の中で有名なのがリコピンです。
これはトマトの赤色を形成している成分でもあります。
オレンジ千果はオレンジ色をしているため、
リコピンではなく別の成分が豊富に含まれています。
それがカロテンです。
カロテンといえば、カボチャやピーマン、ブロッコリーなど、
緑黄色野菜に多く含まれているということで、ご存知の方も多いでしょう。
カロテンは体内でビタミンAに変換されるため、
視力を回復する効果や、美肌効果があるとされています。
一般的なミニトマトに比べ、オレンジ千果はカロテンを3倍も含んでいます。
タキイ種苗から出ている、このような機能性成分を多く含んだ野菜を、
「ファイトリッチ」というブランドとして販売しています。
オレンジ千果は、一般的なミニトマトに比べてカロテンを多く含み、
このファイトリッチに登録されている品種です。
オレンジ千果、本日のようす(2017.06.13)
◎トマトが苦手でも食べやすい食味
オレンジ千果は、1粒がだいたい15g~20gと、食べやすいサイズをしています。
形も正球形~やや腰高をしているため、口に頬張りやすいです。
糖度も8度~10度とよく上がり、甘みが強いです。
トマトの青臭さも少なく、酸味も穏やかなので、
ミニトマトが苦手な方にもお勧めの品種です。
オレンジ色を生かし、弁当やサラダなどの彩りにはもちろん、
そのまま食べてもおいしい品種です。
◎草勢おとなしく家庭菜園にも向く
同じシリーズの千果と比べると、やや草勢がおとなしく、
花房がシングルになることが多いことから、着果数も少なくなります。
けれどその分、草勢のコントロールがしやすく、
家庭菜園でまだ栽培経験が浅い人でも、気軽に育てることができます。
オールシーズン栽培可能ですが、
特に夏秋栽培とハウス越冬栽培に適しているため、
夏~秋にかけての家庭菜園に最適です。
葉かび病、斑点病、モザイクウィルス、萎凋病に耐病性がり、
サツマイモネコブセンチュウに耐虫性があるのも嬉しいところです。
◎草勢コントロールと裂果予防
草勢がおとなしい品種ではあるものの、無理に草勢を強くすると、
異常茎が発生しやすくなるなど、良いことはないので注意します。
元肥は少なめを意識し、
追肥によってスタミナ維持と株の生長を促すようにすると、栽培がうまくいきます。
長期間の栽培を狙うなら、少量の肥料をこまめに追肥し、
追肥時には灌水を行うことで、スタミナを回復させることができます。
また、定植は第一花房のガクが割れた頃~開花した頃が目安となります。
若苗の定植は、株が暴れる原因となるので注意しましょう。
栽培している環境によって、裂果しやすくなることがあります。
裂果の原因には、乾湿の差が大きいことや、強い直射に当たったこと、
低温期の結露などがあります。
定植直後は、根を活着させるために灌水しますが、
活着後は葉が萎れない程度に水を与えます。
この時、土を乾かしすぎてから水を与えると、
急激な水分吸収によって実の内部が肥大し、皮が割れてしまいます。
少量の水をこまめに与えることで、過乾燥を予防します。
強い直射日光には、寒冷紗やミニトマト自身の葉を利用して、
少し陰を作ってあげると良いでしょう。
低温期の結露は、特にハウス栽培で起こりやすい現象です。
ハウス内を換気するなどして、ハウス内の湿気を逃がすと、
結露を防いで裂果を予防することができます。
オレンジ千果、きれいに揃って着果しています(2017.06.13)
■特徴
・明るいつやのあるオレンジ色が特徴のミニトマトです。
・一般のミニトマトに比べ、カロテンを3倍も含んでいます。
・タキイ種苗のファイトリッチシリーズに登録されている品種です。
・1粒15g~20gの食べやすいサイズをしています。
・正球形~やや腰高の形をしていて、口に頬張りやすいです。
・糖度は8度~10度まで上がり、甘みと旨みが濃いです。
・トマト特有の青臭さが少なく、酸味も柔らかく、
ミニトマトが苦手な方でも食べやすいです。
・草勢はおとなしめで、千果に比べると着果数が少ないが、
家庭菜園でも育てやすい品種です。
■栽培のコツ
・基本の育て方は、一般的なミニトマトと同じです。
・元肥はやや控えめにし、こまめな追肥で体力維持をつとめます。
・若苗定植は避け、第一花房のガク割れ期~開花期に定植をします。
・追肥は4段目~5段目の花が開花した頃に開始します。
・裂果を防ぐため、過乾燥からの急な灌水、強すぎる直射日光に当てる、
ハウス内の結露は避けるようにします。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・トマト わき芽かき・摘心の方法
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・ミニトマト わき芽かき