トマト 根腐疫病
トマトは多湿で育てると、病気になりやすいです
トマト 根腐疫病は、地上部の目に見える症状が、
青枯病などと似ているため、よく間違われる病気です。
地下の根へのダメージが大きく、症状が出てからの治療が難しい病気です。
トマト 根腐疫病は、栽培前や栽培中に予防の工夫をし、
もし感染した場合は、その後の対応により他への感染が防ぎます。
[トマト 根腐疫病]
■トマト 根腐疫病の症状
地上部では、株の先端部分が、晴れた昼間に萎れる症状が出ます。
夜になると萎れていた葉は元に戻り、また翌日晴れると萎れます。
上から徐々に下の葉へと症状が広がり、
最終的には萎れた状態から戻らなくなって枯死します。
目に見える地上部は萎れと戻るを繰り返すため、
青枯病と間違われることがたいへん多いです。
トマト 根腐疫病の場合は、
地下部分の根にも症状が出ることで区別することができます。
根の中でも、細根は腐ってぼろぼろに崩れてしまい、
太い根だけが残るような状態になります。
健康なトマトの根は白い色をしていますが、根腐疫病にかかった株の根は、
半透明になり、中心が赤っぽい茶色や、茶色に変色しています。
根腐疫病の症状が進むと、根から十分な水分を吸いあげることができないため、
自衛のためにトマト自身が気根を出し始めます。
健康なトマトも、乾燥気味だで気根が出ることはよくありますが、
根腐疫病に感染している場合は、それよりも多く気根が発生します。
また、地際から50cm~60cmくらいまでの高さまで、
茎の中の導管が褐変することもあります。
症状がひどいものは、茎の中が空洞になってしまいます。
■トマト 根腐疫病の原因
一度感染した場所では、土の中に原因となる菌が残っています。
根腐疫病の原因菌は、水カビの仲間のため、
湿気た場所を好む上に、水の中を動くことができます。
そのため、多湿の環境では発生が多くなる傾向にあります。
根から菌が入り込むため、作業で根を傷めたり、過湿や多肥で根を傷めたり、
土中の害虫によって根に傷が入ると、感染率が高まります。
また、連作でセンチュウ被害にあったり、菌の濃度が高くなります。
感染した株の根には菌が残るので、処分時に根を残すと感染源となります。
育苗中であっても、多湿の環境にしていると感染することがあります。
また、種から育てる場合、種播き用土に古土を使うと、
古土に菌が含まれていて感染することがあります。
連作も苦手なので、土壌消毒、新しい用土にする、接ぎ木苗を使うなど工夫します
■トマト 根腐疫病の予防
ハウス栽培だと3月~5月、露地栽培だと7月~9月頃に発生が多くなります。
多湿での発生が多くなるため、できるだけ水はけの良い状態を維持します。
土を水はけの良い状態にしておくのはもちろんですが、
少し畝を高くしておくと、さらに水はけが良くなります。
水を与える時も、過湿にならないように注意するのはもちろんですが、
やや乾燥気味に保つと予防になります。
もともとトマトは乾燥に強い植物なので、
少し乾燥気味にしたところで、枯れることはまずありません。
また、根を傷めないように、作業する時は乱暴にせず、
追肥をする時は株元近くではなく少し離した場所に与えます。
連作はできるだけ避け、センチュウ被害が出ないようにします。
栽培前に、土はできるだけ消毒しておきましょう。
薬剤を使った消毒でもいいですし、太陽の熱を利用した熱消毒も有効です。
自分で種から育苗して栽培する場合は、種播き用土は新しいものを使います。
古土を使いたい場合は、露地栽培の時と同じように熱消毒をしてから使用します。
鉢やプランター栽培でも、新しい清潔な培養土を使うようにします。
また、市販されている培養土であっても、水はけが悪い場合があります。
水はけが悪いと感じたら、パーライトなどを混ぜて水はけを調整しておきます。
■根腐疫病にかかったら
感染株を見つけたら、残念ですがすぐに抜いて処分します。
根を残すと、そこが感染源となってしまうため、
抜いた後に植わっていた場所の土も一緒に掘り上げて、
根が残らないようにしておきましょう。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方