トマト 炭そ病
熟してきたトマト
炭そ病(炭疽病)は、トマトの実が大きくなり熟す頃から出始める病気です。
もう少しで収穫という時期に発生するので、
炭そ病にかかると、とても残念な気持ちになります。
ただし、炭そ病は発病後の対処次第で、
最小限に被害をおさめることができる病気です。
症状が出たからといって落胆せずに、
素早く対応してその後の生育に期待しましょう。
[トマト 炭そ病]
■トマト 炭そ病の症状
トマトの場合は、実に症状が出ることが多いです。
実が肥大している時期にはあまり出ず、
熟期にさしかかったあたりから発生が増えてきます。
まず実に、黒っぽい小さな斑点ができます。
この斑点がだんだん大きくなっていき、少しへこんだようになっていきます。
さらに症状が進むと、病斑の中央あたりに小さな黒いつぶつぶが密集します。
湿度が高い時は、病斑にサーモンピンクの粘液質のものが発生することもあります。
病斑の出た実は、病斑が広がっていくとともに、
急激に熟したようになり、最終的には腐って落ちてしまいます。
■トマト 炭そ病の原因
炭そ病の原因菌は、カビの仲間です。
気温が高く、湿度も高い環境だと発生しやすくなります。
そのため、梅雨でも気温の高い日が続いたり、
梅雨明け以降も雨の多い年に発生が多くなる傾向にあります。
炭そ病の症状が出た実は、そのまま腐って落果しますが、
病斑部分やその他の部分には、原因菌が繁殖した状態となっています。
雨が降ると、病斑部分で繁殖した菌が飛び散り、周りの株にも影響を出します。
また、落花した実にも菌が残っていて、
そのまま放っておくと越冬し、翌年に植えたトマトにも感染します。
炭そ病の症状が出た実は、落果したものも、樹上のものも、
放置せずに処分しておくようにします。
マルチを張るのも病害全般に効果的です
■トマト 炭そ病の予防
天候による多雨や湿度の高さはどうしようもありませんが、
できるだけ風通しの良い環境を作ってあげるようにします。
水はけの悪い土で育てていると、湿気が溜まりやすくなるので、
必ず水はけの良い土を使うようにします。
泥の跳ね返りもよくないので、株元にマルチをしいておくのも有効な手段です。
また、被害株が雨に当たることで菌が飛散するため、雨除けするのも予防の一つです。
被害の出た実は早めに取り除いて処分することも大切です。
■トマト 炭そ病にかかったら
まだ症状が初期の状態であれば、薬剤を使用せずに、
被害の出ている実を取り除いて処分するだけで済む場合があります。
ただ、発病した実から雨や水やりで他の実へ菌が飛ぶことも考えられるため、
できれば薬剤散布した方が、その後の防除には役立ちます。
すでに一部ではなく、株全体に症状が出ている場合は、
被害部分を取り除くだけでは治すことができません。
薬剤を使わず育てたいという気持ちがあっても、
薬剤を使わないとしょうがない部分はどうしても出てきます。
薬剤はどうしても使いたくないという場合は、
症状が広がっている株ごと抜いて処分します。
他にも症状が出た株があれば、
それも抜いて周りに飛散しないように努める他ありません。
◎効果的薬剤
薬剤は、ダコニール1000やアミスターオプティフロアブルなどが使えます。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方