トマト ナメクジ
体長10㎝を超えるナメクジも
ナメクジは、意外とやっかいな害虫です。
トマトを育てていると、葉や新芽が喰われていることがあります。
ようやく赤くなって収穫していざ食べようとすると、
実にまで穴があいていることがあります。
トマトの葉や実を食害する害虫は何種類がいますが、
梅雨の時期に多くなってくるのがナメクジです。
ナメクジは見た通り、じめじめとしている場所を好み、
暗く涼しい時間帯に活動します。
夜の間に活動して食害するため、昼間には姿が見えず、
誰が食害の犯人か分からないということもあります。
ナメクジは、移動するときに粘液を残していくので、
ぬめぬめと光る跡が残っていたらナメクジの仕業です。
ナメクジの被害に合ったら、どうすれば良いのでしょうか。
[トマト ナメクジ]
■ナメクジの行動パターン
ナメクジは少し暖かくなってきた3月頃から寒くなる11月頃まで活動しています。
つまり、植物がよく育っている時期に、盛んに活動しています。
この期間はトマトの生育期間とも重なっているため、
トマトを栽培している付近にナメクジがたくさんいると、とても厄介です。
ナメクジは暑くて乾燥している場所を嫌います。
そのため、晴れた日の昼間は日の当たるような場所にはおらず、
落ち葉や石の下や鉢の底などの、陰になっていて涼しい場所で過ごします。
日が暮れてだんだん気温が下がってきて、
夜露がおりる頃になると行動を開始します。
濡れた場所をぬめぬめと移動し、植物の葉や花、実などをかじります。
そしてまた日が昇って気温が上がってくると、涼しい場所へと移動します。
昼間でも雨が降っている日は、湿度が高く気温も低いので、
家の外壁などを移動しているのを見ることができます。
ナメクジ、正面の容貌
■ナメクジの被害
ナメクジの食害と聞くと、舐める動作をイメージするかもしれませんが、
実際はやすりで削ったように食べ進みます。
そのため、ナメクジの食害した痕は表面を舐めたような状態ではなく、
穴があいたようになっているものがほとんどです。
トマトやイチゴなどの柔らかい実には、
イモムシでも入ってそうな見事な穴をあけます。
1つの実に、何匹ものナメクジが寄ってきて食べてしまうと、
一晩でトマトの実の半分ほどがなくなってしまうこともあります。
イモムシの食害痕とナメクジの食害痕を見分けるのは難しいですが、
ナメクジの場合は、ナメクジが移動した痕が近くに残っていることがあります。
ナメクジが移動した部分には、ナメクジの粘液が残って乾き、てかてかと光ります。
■ナメクジの駆除方法
ナメクジは昼間に姿を見せないため、駆除がなかなか難しいことがあります。
また、薬剤を使用しても一気に駆除することができないため、
しばらくは被害が続くことも多いです。
けれど駆除を続けているうちに、
必ず数が減ってくるので、諦めずに対処していきましょう。
・捕殺
まずは物理的な数を減らすために一番簡単な捕殺をしましょう。
昼間は姿を見せませんが、ポイントを絞って探すと見つけやすくなります。
落ち葉や石の下、鉢の裏側などを見てみましょう。
いないだろうと思っている場所にも、意外とナメクジはいるものです。
もし見つけたら、割り箸などをつまんで、
ペットボトルなどの口の狭い逃げ出しにくい容器に入れていきます。
ペットボトルの中に塩や砂糖、焼酎などを入れておくと、
浸透圧によってナメクジの中の水分が抜けて動けなくなります。
塩を入れなくても、捕まえた後に逃げ出さないようにペットボトルのフタを閉め、
日向に置いておくと干からびます。
・ビール
ナメクジはビールのにおいが好きらしく、
置いておくとビールのにおいにつられて寄ってきます。
ビールを1缶全部使うのはもったいないので、
浅い皿や牛乳パックを高さなどに2cm~3cmくらいに切ったものに、
ビール1~2㎝ほど入れて、戸外に置いておきます。
一晩でけっこう集まってきます。
ビールはにおいにつられてナメクジが寄ってきて、
ビールを舐めて寄って溺れるという仕組みです。
たまにビールを舐めるだけ舐めて逃げてしまうものもいるので、
ビールにナメクジ用の駆除剤を溶かしこんでおくのも効果的です。
また、ビールは新しいものでなく、前日の飲み残しでも問題ありません。
炭酸が抜けていても、においがすればナメクジは寄ってきますので、
残ったビールを利用するのがお勧めです。
・コーヒー
ビールとは反対に、ナメクジはコーヒーのにおいを嫌います。
トマトの株元にコーヒーをいれた後のカスをまいておくと、ナメクジ避けになります。
簡単ですが効果はあるようです。
ただし、ナメクジの数や大きさによっては、コーヒーを乗り越えてしまうこともあります。
ナメトール
・置き型の駆除剤
市販されているナメクジを捕獲するタイプの駆除剤です。
容器の中にナメクジが好むにおいを出す薬剤が入れてあり、
それを目当てにナメクジが寄ってきます。
容器の中に入った後は出られない構造になっているので、
入ったものが逃げ出す心配がありません。
容器はそのままゴミとして出せるので、処分にも困りません。
・その他の駆除剤
粒状や液状、粉状の駆除剤を、直接株元に散布する方法です。
薬剤の中には、ハイポネックスから販売されているナメトールのように、
雨や湿気に強く、犬や猫などペットにも害がなく、
またナメクジが残した分は微生物により分解されるという素晴らしいものもあります。
*ナメクジ駆除剤の中には、中毒症状を起こすものがあるので、説明書きをよく読んでください。
薬剤を使うのは気が引けるという場合でも、
ナメクジの被害が大きすぎてトマトの収穫ができないというのであれば、
こういった駆除剤を試してみるのも1つの手です。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方