ミニトマト 収穫量を増やす
ミニトマトは、家庭菜園でもとても人気があります
園芸初心者の方だけでなく、中級以上の方であっても、
毎年欠かさず数品種育てているという方も少なくありません。
同じ栽培をするなら、できるだけ多くの実を収獲したいですね。
ミニトマトをたくさん収穫するには、どうすれば良いのでしょうか。
[ミニトマト 収穫量を増やす]
■生育しやすい環境を整える
第一に、ミニトマトを育てるための環境を整えることが大切です。
近年は、水を切って甘く育てる栽培法が提唱されていますが、
ミニトマトが健康に育つことを考慮しないと、
加減を間違えて失敗することもあります。
ミニトマトが生育しやすい環境をまとめましたので、
あらためてチェックしてみてください。
・地温を上げない
トマトは夏が旬の野菜のため、高温を好むと思われがちですが、
地温が高くなりすぎると、調子を崩しやすくなります。
地温が上がることにより、根が傷んで地上部の生育が悪くなったり、
尻腐れと呼ばれる生理障害が起きやすくなります。
地上部には光をたくさん浴びせるようにしますが、
株元から下には光をあまり当てず、涼しく保つことがポイントです。
地植えなら、敷きワラなどの有機マルチがお勧めです。
特に敷きワラは、空気層がたくさんできるので、
直射日光が当たらなくなり、気温が地面に伝わるのも和らげてくれます。
プランターや鉢で栽培している場合は、
二重鉢にして直射が当たりにくい状態を作ったり、
レンガを下に敷いて風通しを良くしたりするのが良いでしょう。
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・豊富な酸素量を
トマトの根は、酸素を多く要求します。
新鮮な空気を土に含ませるためには、新しい水を与えるのが一番早い方法です。
けれど、土が湿っている時に水を与えても、過湿になるだけです。
乾湿の差を生むためには、やはり水はけの良い土を使うことが大切です。
水やりの回数が増えれば、その分新鮮な空気が土に含まれるので、
根を健全に育てられます。
団粒構造のできた水はけの良い土を使えば、
一度水を与えてもすぐに乾き、次の水やりをします。
*団粒構造とは、土の粒子が小さなかたまりとなり、
保水性・排水性・通気性も良い構造。
・根の張りやすい土
収穫量を多くするためには、地上部をしっかりと育てます。
地上部を育てるには、地下の根の部分もしっかりと育てることが必要ですね。
状態の良い土なら、トマトの根が広がりやすくなります。
根が深く広く張れば、その分地上からの温度や乾湿の影響を受けにくくなり、
肥料や水を適度に調達できるので、結果として地上部が良く育ち、収量も上がります。
・低温に当てない
花をきちんと着果させ、肥大させるためには、良い花を咲かせる必要があります。
苗を定植する時期は、ちょっとしたことで気温が下がることが多いです。
低温に当たると、花芽の形成時に異常が出て、奇形果や着果不良の原因となります。
気温が安定するまでの間は、ビニールで周りを囲んだり、
ホットキャップをかぶせたりして、突然の気温低下にも備えておきましょう。
2~3本仕立てにすると、収量が1.5倍以上になります
■仕立て方を考える
収穫量を多くしようと思っても、基本に沿っているだけでは難しいこともあります。
少しの工夫で、果房の段数を増やすことができます。
・複数の主枝を育てる
ミニトマト栽培では、主枝1本仕立てが基本です。
けれど、2本以上の複数主枝を仕立てれば、
その分果房の数が増えるので、収量も約1.5倍はアップします。
ただし、主枝が2本以上になるということは、
その分ミニトマト自体に負担がかかることになります。
1本仕立てに比べて、2本以上の複数仕立ては難易度が上がります。
栽培環境を整え、根が育ちやすい土を使い、
ある程度多い土量で栽培することが成功への近道となります。
*2本仕立て、3本仕立ての詳しい方法はこちらをご覧ください。
>>2本仕立て
>>3本仕立て
・らせん状に誘引
ミニトマトは、縦にまっすぐ伸ばし、棒状の支柱に誘引するのが一般的です。
けれど、この方法では決まった段数まで育つと、支柱の高さを越えてしまいます。
それ以上の高さにも育つことは育ちますが、下から養水分を先端まで送るのも
難しくなりますし、何より手入れしにくくなっていきます。
ミニトマトの主枝をらせん状に誘引することで、
縦に伸びる速度を落とすことができます。
同じ7段まで育てた株でも、まっすぐ伸ばしたものとらせん状に誘引したものでは、
必要となる高さがまったく違います。
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らせん状に誘引するためには、らせん支柱が便利です。
また、らせん状に誘引する時は、水を切った状態にするのもポイントです。
水を多く含んだ状態だと、主枝にハリがあり、誘引した時に折れやすくなります。
この点が、あんどん支柱を使ったトマト栽培の難しさです。
2日~3日ほど水を与えずに、少し葉がしんなりするまで待つと、
水分がたりない分、主枝が柔らかくなるので、誘引しやすくなります。
誘引した後は、水を与えて水切れにならないようにしましょう。
アイコは、草勢が安定し裂果も少ないので育てやすいです
■水やりと追肥
ミニトマトの栽培では、水やりと追肥のやり方にもたくさんの種類があります。
一時期は、水分をかなり制限して栽培する方法がありましたが、
加減がとても難しいのが実情です。
何年もミニトマトを栽培し、水分を制限した方法を研究している方なら、
ある程度は収量も期待できますが、初心者ではやや高度な栽培法と言えます。
水分や肥料を切って育てることは、トマトにとって大きなストレスとなります。
これが原因で、早期に草勢が落ち、そのまま枯れてしまうことも少なくありません。
今、注目されているのが、一度に大量の水や肥料を与えるのではなく、
少量をこまめに与える方法です。
*管理人は、プランター栽培では、
盛夏に朝夕、たっぷりと水やりしますが、今のところ問題はないです。
乾湿の差が大きくなりすぎると、どうしても裂果を起こす原因にもなります。
けれど、水分が多いと、過繁茂や味の薄い実ができることもあります。
追肥も同じで、一度に大量の肥料を与えると、
その時にだけ肥効が強く出てしまい、土の中の肥料バランスが崩れます。
株の生育状況を見ながら、水や肥料の分量を加減しましょう。
与える間隔を広くせず、少量をこまめに与えた方が、
土の中の水分と栄養分のバランスが崩れにくくなります。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方