トマト 着果したら するべきことは?
トマトを自分で育ててみると、やはり実がつくまでドキドキします
ようやく1段目の花が終わり、かわいらしい小さな果実を見ると、
ほっとした気持ちになるものです。
けれど、ほっとしたのも束の間、次に気になるのは、着果したらするべき作業です。
トマトが着果したら、次にするべき作業をご紹介します。
[トマト 着果したら]
■1本仕立ての場合
トマト栽培では、いくつかの仕立て方があります。
基本の仕立てには、支柱を使って縦に伸ばす方法があります。
さらにその中でも一般的なのが、主枝1本だけを伸ばす1本仕立てです。
1本仕立てはトマト栽培で基本となる仕立て方なので、
まずは1本仕立てで栽培した時、
着果した後に必要となる作業をご紹介します。
中玉トマトも摘果すると、樹が疲れず収量があがります
・摘果
着果した実をすべて大きく育てて、たくさん実を収獲したいと思うのは当然のことです。
けれど、こちらが思っている通りには、大きく育たない場合も多いです。
特に大玉トマトは、1個の実が大きく育つ分、
たくさん着果していると養分が分散し、肥大が緩慢になります。
1個の実をしっかりと肥大させるために、摘果を行いましょう。
1段に残す実の数は、3個~5個が目安となります。
1段目や2段目くらいまでは、3個までにしておくと、
栽培後半もスタミナ切れを起こしにくくなります。
中玉トマトも、着果したものを全部育てていると、思ったほど大きくならず、
ミニトマトと大差のないサイズになることも少なくありません。
この場合も、1段に5個~7個を目安に摘果すると、実の肥大が良くなります。
ただし、品種によっては10個くらいまで育てられる中玉トマトもあるので、
種袋やネットで、確認してください。
ミニトマトの場合は、それほど摘果を気にする必要はありません。
けれど、果房の先端に近い花は、着果してもそれほど大きく育たないことが多いです。
果房の先端の数個だけは摘果し、
残りの実に養分を回すことで、おいしさがアップします。
さらに、着果過多による株の疲れも軽減できるので、
栽培後半になっても収量が落ちにくくなります。
>>トマトの摘果
・摘葉
トマトの葉を適度に摘むことで、色々なメリットがあります。
着果したすぐ後くらいは、摘葉することで、尻腐れ果の予防ができます。
主枝を中心に見た時、果房と反対側(果房の裏側)にある葉を摘みます。
これだけでカルシウムの転流がうまくいき、尻腐れ果の発生が軽減できます。
絶対に行わなければいけない作業ではありませんが、
尻腐れ果が多く出る場合は、試してみる価値があります。
>>トマト 摘葉の方法とコツ
・カルシウム散布
カルシウム散布も、尻腐れ果を予防する手段の1つです。
園芸資材として販売されているカルシウム剤を葉面に散布することで、
カルシウム不足を予防できます。
土に石灰を加える方法もありますが、
葉面散布の方が吸収が早く、効果が期待できます。
最近はホームセンターなどで「尻腐れ予防剤」というような名前で、
スプレータイプのカルシウム剤が販売されていることもあります。
自分で散布材を作る必要がなく、手軽で便利です。
トマトを2本仕立てにすると、収穫量が1.3~1.5倍になります
■複数仕立ての場合
トマト栽培では、主枝1本仕立てが基本ですが、
2本や3本など、複数の主枝を仕立てる場合もあります。
本来は1本で仕立てるところ、
複数の主枝を作って育てるため、主枝の生育にかなりの体力を使います。
ここで必要になってくるのが、1段目の果房の摘み取りです。
1本仕立ての場合は、1段目が着果したことを確認したら、
生育の良い実を数個残して、あとは摘果します。
けれど、複数仕立ての場合は、1段目をすべて摘んでしまうのです。
1段目の果房を取り除くことで、
その脇から出てきた芽の生育がぐんと良くなります。
一般的にわき芽は摘み取りますが、
複数仕立ての場合は、このわき芽を新たな主枝として
栽培するため、わき芽を摘まずに育てます。
わき芽を伸ばして主枝を増やすタイミングと、1段目の実が肥大するタイミングが
同じくらいになることが多いです。
実を大きく肥らせることも、枝葉を伸ばすことも、
トマトにとっては大変な作業です。
実の肥大を諦めて、枝の生長を優先させることにより、
複数仕立てにした時にも、良い実が収穫できるようになります。
ただし、1段目の実が着果していることを、必ず見届けてから摘み取ります。
トマトは1段目の着果が、その後の2段目、3段目の着果率に影響します。
着果しないうちに摘み取ると、その後の着果率が激減し、
結果として収量が落ちるので、着果して少し膨らんできた頃に摘み取ります。