トマト 尻腐れ 食べられる?
尻腐れになったルンゴ
トマトは家庭菜園でも育てやすい野菜のため、とても人気があります。
夏野菜の栽培を始める時、まず最初にトマトを育てたという方も多いでしょう。
苗の植え付けをした後、苗がすくすくと育って花が咲き、
実がついて大きくなってくると、次はいつ収穫できるかとわくわくします。
ところが、収穫前から実の様子がおかしいことがあります。
トマトのお尻が腐ったように黒くなることを、尻腐れと呼びますが、
尻腐れを起こしたトマトは、食べられるのでしょうか。
[トマト 尻腐れ 食べられる?]
■尻腐れとは?
トマトの尻腐れは、尻腐れ病と呼ばれることもありますが、病気ではありません。
一般的にトマトがかかる病気は、細菌やウィルス、カビなどが原因で起こります。
尻腐れは、ウィルスなどが原因で起こるわけではありません。
主にカルシウム不足が原因で起こる、いわゆる生理障害です。
カルシウムが不足する原因はいくつかあり、
単純に土の中にカルシウムが足りていない場合もあります。
他にも、土が乾燥した状態が続いていると、
根がうまくカルシウムを吸収できず、不足して尻腐れが起こります。
トマトの実のお尻が水浸状に柔らかくなり、腐ったようになるのが特徴で、
場合によっては茶色くなった部分に、カビが発生することもあります。
残念ながら、尻腐れ症状が出た実は、元の正常な実に戻ることはありません。
けれど、カルシウムを補給したり、トマトに合わせた管理法にすることによって、
カルシウム不足が改善します。
カルシウム不足が改善すれば、その後に着果した実は正常に育つようになります。
尻腐れ部分を取り除けば、食べることができます
■トマト 尻腐れ 食べられる?
トマトの尻腐れ症状は、トマトの大きさに関わらず発生します。
ミニトマトで発生すると、たくさんの実に尻腐れ症状が出てガッカリしますが、
大玉の場合は、せっかく大きく育った実に尻腐れが出て、こちらもガッカリします。
尻腐れの症状が出た実も、症状が大きく進んだり、
別の病気などを併発していなければ、熟して収穫までたどり着くことができます。
ただ、ここで気になるのが、尻腐れ症状が出ている実を、食べるかどうかです。
実のお尻の部分がぶよぶよと柔らかくなり、茶色く変色しているため、
見た目はまるで腐ったトマトです。
実の下半分が茶色くなっていることもあるため、食べられるようには見えません。
けれど、実は尻腐れの症状が出ているトマトも、食べることができるのです。
尻腐れは病害虫ではなく、カルシウム不足が原因の生理障害です。
そのため、何らかの細菌や害虫が潜んでいるわけではないので、
人間が食べても特に問題はありません。
ただ、尻腐れの実を食べても、おいしいと感じることは少ないようです。
カルシウム不足になった原因が水不足の場合は、
味が濃縮されておいしいと感じることもあるようですが、
やはり味気ないと感じることがほとんどです。
また、尻腐れの症状が出て、茶色くなっている部分は取り除き、
残った部分だけが食べられる部分なので、可食部も少なくなります。
サラダや彩りとして使うには、形もいびつですし、
人によっては生食自体が気になるという方もいるでしょう。
その場合は、スープやソースなどに使いましょう。
他の野菜や旨みの強い具材と合わせることで、
尻腐れ症状の出た実特有の、味気ない食味が緩和されます。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方