トマト栽培 腐る
トマトを育てていると、実などが腐る症状が出ることがあります(尻腐れ病)
腐ったような症状が出るのは、実だけではなく茎葉や根に出ることもあります。
なぜ腐った症状がトマトに出るのか、どのように対策すれば良いかをご紹介します。
[トマト栽培 腐る]
■茎葉が腐る
茎や葉に、腐ったような症状が出る時は、疫病かもしれません。
最初は黒っぽい病斑が葉や茎にできますが、
この病斑が少し水っぽいような、水がしみたような状態であることから、
腐っているように見えることがあります。
また、症状が進むことで、どんどん病斑の範囲が広がります。
茎部分は全体が黒っぽく変色することがありますし、葉は萎れていきます。
最後には株全体が枯れてしまい、枯死します。
多湿と低温が続くと発生が増えるので、水はけの良い土で育てることが重要です。
さらに、泥の跳ねあがりも感染原因となるので、マルチを敷いて泥跳ねを防いでおきます。
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■根が腐る
根は土の中にあるので、外見では腐っているかどうか分かりにくいですが、
土が湿っているにも関わらず、葉が萎れたりしている時は、
根がすでに腐ってしまっている可能性があります。
根が腐ると、トマトが育つ時に必要な水分や養分を吸いあげることができません。
そのため、地上部が水切れを起こした時のように萎れるのです。
・根腐れ病
トマトが根腐れを起こす最大の原因は、過湿です。
トマトはもともと乾燥した地域で育っているため、過湿に弱い性質があります。
日本は梅雨時期など、湿気が高いことが多く、
トマトにとっては過酷な環境になりやすいのが現状です。
日本の環境に適応するように改良も進んでいますが、
それでも栽培時に、過湿状態にならないようにする必要があります。
トマトを育てる時は、土質に注意し、必ず水はけの良い状態を作ります。
容器栽培で市販されている培養土を使う場合でも、
培養土によっては水はけが悪い場合があるので、
その時は腐葉土を1~2割加えるなど、調整してから使うようにします。
また、余分な水が畑に入り込まないよう、雨除けをするのもお勧めです。
・根腐病
根腐病は、その名の通りトマトの根を腐らせる病気です。
水耕栽培によって発病するケースが多いですが、感染の多くは土からです。
土で育苗し、その後に水耕栽培に切り替える方法は、特に要注意です。
根腐病の原因となる菌は、土中に潜んでいます。
水耕栽培に切り替える時、土をキレイに洗い流しておくと、感染率が低くなります。
根腐病は、最初は根の付近を傷め、変色させますが、
症状が進むと地上部にも萎れなどの症状が出るようになり、
原因がよく分からないまま枯れてしまうことがあるので、注意が必要です。
■実が腐る
トマト栽培で腐る症状が出る時に、一番多いのが実が腐る症状でしょう。
1つは実のお尻部分が腐ったように変色していく尻腐れ病、
もう1つが実が腐って凹んでしまう疫病です。
尻腐れ病のトマト
・尻腐れ病
トマト栽培初心者、中級者以上でも、悩まされるのは、尻腐れ症状です。
実のお尻の部分が茶色く変色し、腐ったように柔らかくなる症状です。
尻腐れの症状が出る原因は、いくつかありますが、
その中でも多いのが、カルシウム不足と過乾燥です。
カルシウムは土壌の中に含まれる成分の中でも多くはないため、
微量成分といわれる成分の1つです。
窒素が多い状態で育っていたり、土の酸度が強い場合、
カルシウムの吸収が阻害されてしまい、尻腐れ病の症状が出やすくなります。
単純に土中のカルシウムが足りていない場合もあるので、
症状が出た時には、カルシウムの葉面散布などで対応すると、
栽培後半には改善してくることもあります。
また、雨が極端に少ない年や、水を減らした栽培法で水を切りすぎると、
過乾燥によって尻腐れの症状が出ます。
・疫病
疫病は茎や葉にも水浸状の病斑が出るような症状がありますが、実にも症状が出ます。
実に症状が出る時は、中が柔らかくなってとけたようになり、その部分が凹みます。
しだいに凹んだ部分が変色します。
変色や凹みの症状は、実の一部に出ることが多いですが、
ひどい時は実全体の色が変わってしまうこともあります。
疫病は初期であれば薬剤によって治療することができるので、
茎や葉、実に異常がないかをこまめにチェックし、早期に発見して対処することも大切です。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方