雨の日 耕運
雨の日が続くと、耕運作業が難しくなることがあります
特に日本の場合は、梅雨や秋の長雨など、雨が続く季節が年に数回あります。
最近は、温暖化の影響か、ゲリラ豪雨など予測困難な大雨が降ることも多いです。
晴れた日に作業をした方が良いことが分かっていても、
どうしても雨の日と作業日が重なることも出てきます。
では、雨の日に耕運作業を行うことは、なぜ良くないのか、
予防法はあるのかを探ってみました。
[雨の日 耕運]
■雨の日の耕運は良いか悪いか
雨の日や、雨が降った翌日など、土が完全に濡れてしまっている時に耕運すると、
どうしても土をこねすぎてしまう傾向があります。
なので浅く耕しても、深部が耕せず、土は硬いままとなります。
結論からというと、雨の日の耕運は良くありません。
まずは、雨に濡れた土を耕運するとどうなるかを知りましょう。
・団粒構造がつぶれる
団粒構造のできている良い土であっても、
雨の日に耕運することによって、土をこねまわすことになります。
しかも濡れて土が柔らかくなっているため、団粒構造がつぶれやすいです。
そんな時に耕運すると、どうしても土を練る状態となり、粘土状となります。
せっかく団粒構造を作って水はけと水もちが良い土に仕上げていたとしても、
すべてが台無しになってしまいます。
*団粒構造とは、土壌の粒子が大小さまざまな形を作っている構造です。
通気性、通水性、保水性に富んでいて植物の生長に適しています。
反対語は、単粒構造。
・土が固まりやすい
団粒構造がつぶれて粘土質に近い状態の土は、とても固まりやすくなっています。
濡れている時は、陶芸の粘土のように伸びやすくなり、
乾燥してしまった後は、ボロボロと崩れやすい土になるわけです。
雨の日に耕運すると、粘土質状態となった土は、
大きな塊となって掘り上がり、土がほぐれません。
固まりやすい土になってしまうと、土作りを終えた後も、
降雨によって土の表面が硬くなってしまい、水が浸透しにくくなります。
・定植後の根付きが悪くなる
固まりやすい土のままでは、定植した苗の根もつきにくくなります。
大きな塊になりやすい土は、根が活着しにくく乾燥しやすいので根を傷めます。
トマトは定植後の水分状態によって、初期生育が盛んになるかどうかが変わります。
あまりにも乾燥しやすい状態では、初期生育が阻害されてしまい、
根付きも悪くなり、その後の生育も期待できなくなります。
冠水した畑
■雨が続きそうな時の工夫
雨の日や、土が湿りすぎている時の耕運は良くないと分かっていても、
どうしても雨の日が続いてしまうことはあります。
そんな時、少しの工夫で作業がしやすくなります。
・天気予報を利用
週間天気予報を見たり、テレビや新聞、
インターネットの天気予報を見ておくのも良いでしょう。
最近は、インターネット上に天気図やその時の雲の流れが分かる、
雨雲レーダーなどが公開されています。
スマホなどを使えば、戸外で見られるので、チェックしておくと参考になります。
また、自分自身でも天気を気遣い勘を磨きます。
予報やデータだけでは判断できない、突然の雨や雨予報の空振りなどもあります。
雨の予報がない日に、午後から耕運作業の予定をしていたけれど、
朝の様子で雨が降りそうな気がすることがあります。
そんな時、作業時間を早めて午前中に済ませておくと、
作業後まもなく雨が降ってきた、ということもあります。
・排水を促す
雨が降ってしまった時、できるだけ早く土の湿り気をなくすために、
水はけの良い状態にしておく必要があります。
特に水はけが悪い土質の場合、雨が降るとなかなか乾かないことが多いため、
普段から畑の周りに排水のための溝を作っておくと快適です。
溝を作ると、雨が降っても畑に水が溜まったままにならず、乾燥が促されます。
・雨除けをしておく
耕運しようと思っていた日が近づいてきた時、雨が降る予報が出た時や、
耕運作業をする日を他の日にずらせない時は、雨除けをしておきましょう。
水を通さないシートを耕運予定の場所にかぶせ、
シートが飛ばないように固定しておくだけでも、
雨が土に当たらないので、余分な水分を吸収させずに済みます。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方