土 酸度調整

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土の酸度調整

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トマト地植えの準備

 

 

土の酸度とは、どのようなことでしょうか?

土にも、酸性・中性・アルカリ性といった、酸度があります。

 

植物によって好む酸度が異なる上に、酸性やアルカリ性が強すぎると、
植物だけでなく、土を良くしてくれる微生物も住めなくなることがあります。

 

トマトなど野菜に限らず、植物全般に関わることなので、
この機会に詳しくご説明しましょう。

 

 

 

[土の酸度調整]

 

 

各野菜が好む酸度です

 

 

■野菜が好む酸度

 

土の酸度は、野菜の種類によって好む範囲が異なります。
そもそも酸度は、pHで表しますが、数値が7.0の時が中性となります。

 

7.0より数値が低ければ酸性に傾いていることになり、
数値が大きくなればアルカリ性に傾いている状態となります。

 

たいていの植物は、弱酸性~中性くらいの酸度を好みますが、
アジサイのように、酸性やアルカリ性に傾いていることで、
花色を変化させるものもあります。

 

野菜によっては、範囲が広いものと狭いものがあります。
たいていはpH5.5~pH7.0くらいの間であれば生育することができますが、
この範囲内であっても、生育が厳しくなる野菜もあります。

 

トマトは適正の範囲が広く、pH5.5~pH7.5まで栽培が可能です。
トマトはさらに酸性土壌に強い性質があるため、
pH4.5くらいまでであれば、なんとか育つことができます。

 

反対にサツマイモなどは範囲がとても狭く、
pH5.0~pH6.0の弱酸性域でないと栽培が難しくなります。

 

特にサツマイモやジャガイモは、アルカリ性への耐性がほとんどありません。
本来はサツマイモもジャガイモも育てやすい野菜のはずなのに、
病気にかかったり生育が悪いのであれば、酸度が問題である可能性が高いです。

 

野菜には、ホウレンソウなどの葉菜類、ジャガイモなどの根菜類、
トマトなどの果菜類の3つに大きく分けることができます。

 

葉菜類は弱酸性~ややアルカリ性までが適正な酸度です。
根菜類は酸性~中性までが適正で、アルカリ性では栽培が難しくなります。

 

果菜類は弱酸性~弱アルカリ性まで対応できるので、
栽培できる範囲が広いのが特徴です。

 

 

トマトは、酸度に関しては許容値が広いです

 

 

■酸度を知る

 

育てる野菜によって、好む酸度が異なることは分かっても、
実際に土の酸度がどれくらいなのか、測ったことがない方が多いです。

 

日本は雨の多い国のため、土中のアルカリ成分が流されやすくなります。
そのため、酸性に傾きやすいとされますが、これは絶対的なことではありません。

 

地域により、土質がアルカリ性に傾きやすい場合もありますし、
長年にわたって使っている堆肥や肥料の種類などにより酸度が異なります。

 

また、コンクリートなどの成分が流れ出て土に入り込み、
アルカリ性になっていることもあります。

 

野菜の栽培本には、酸性に傾きやすいため石灰を入れて中和する、
と書かれていることが多いですが、アルカリ性に傾いていたら石灰は逆効果です。
まずは、野菜を育てる場所の土の酸度を知りましょう。

 

・雑草や虫を見る
実際の数値が分からなくても、生えてくる雑草の種類を見ることで、
土が酸性かどうかを診断することができます。

 

雑草の中でも、スギナ、ヨモギ、オオバコ、ハコベなどが、
多く生えてくるところは、酸性が強いと昔からいわれています。
また、ダンゴムシが多い場所は、アルカリ性が強い可能性があります。

 

・計測する
その場の様子を見て、酸性かアルカリ性かを判断するのも良いですが、
やはり1度は計測してみるのがお勧めです。

 

計測自体は、薬局などで販売されている安価な試験紙や試薬でも良いですし、
土に挿して使う計器などを使っても構いません。

 

細かい数値を知るためには、高額な精度の高い計器を使う必要がありますが、
ある程度分かれば良いのであれば、安価な計測器を持っていると重宝します。

 

ただし、土が濡れている状態でないと、正確な数値が出ない場合があります。
試験紙などを使う時も、使用法を確認してから計測するようにしましょう。

 

 

酸度調整の石灰の種類と量

 

 

■酸度の調整方法

 

酸性に傾いている土、アルカリ性に傾いている土、
それぞれに中和するために必要なものが異なります。

 

それぞれ中和させた後に、もう1度酸度を計測しておくと、
どれくらいの効果があったのかが分かります。

 

・アルカリ性を中和する
アルカリ性を中和するためには、やはり酸性のものを土に混ぜる必要があります。
入手しやすいものとしては、硫安や硫酸カリなどがあります。

 

これらは水と反応することで、酸性になりますが、
結果として塩類を作り出し、今度は塩害が出るので、使用には注意が必要です。

 

時間はかかるものの、ホウレンソウやトウモロコシなど、
アルカリ性に強い植物を栽培すると、土中のアルカリ成分を下げられます。

 

他にも、酸性の強い資材である、ピートモスを土に混ぜ込む方法もあります。
ただピートモスは土に大量に混ぜ込むと、水もちが良くなりすぎてしまい、
過湿を引き起こすことがあるので注意が必要です。

 

・酸性を中和する
酸性を中和するには、やはりアルカリ性である石灰類を混ぜるのがお勧めです。
石灰には、生石灰・消石灰・有機石灰・苦土石灰がありますが、
苦土石灰を使うと良いです。

 

苦土石灰であれば、マグネシウムを含んでいるため、
土がマグネシウム不足となってしまうのを防ぐことができます。

 

有機石灰は、急速な反応をしないため、
余計な熱やガスの発生が少ないという特徴があります。

 

そのため、土に有機石灰を混ぜた後、すぐに苗を植え付けられます。
消石灰などは、水と反応することによって、
熱やガス、アンモニアなどを発生させることがありますし、
肥料要素も含んでいないので、あまりお勧めではありません。

 

どうしても使いたい場合は、
植え付けの2週間以上前までに土に混ぜておくようにします。

 

石灰類を土に混ぜる前に、土と堆肥を混ぜておきましょう。
石灰類のみを土に混ぜると、土が硬くなりやすいため、
土壌改良のために堆肥を加えます。

 

1㎡あたり、堆肥を2kg~3kgほど広げ、
スコップで深さ30cmくらいから掘り起こします。

 

この時、掘り起こした土の下層を上に、
上層を下になるようにひっくり返しておきます。

 

下層は上層に比べて空気に触れないため、
このタイミングで空気に触れさせておくことが大切です。
掘り起こした土の上に石灰類を広げ、土と良く混ぜて置きましょう。

 

*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。

・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・ミニトマト わき芽かき


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トマト栽培の用土

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