トマトのマルチは?
トマトを育てる時、マルチを利用していますか?
家庭菜園ではマルチはハードルが高いイメージもありますが、
実は色々な良い効果が期待できるのです。
マルチを上手に使いこなすと、トマトの生育も良くなり、収量も上がります。
トマト栽培で使われるマルチの種類や使い方をご紹介します。
[トマトのマルチは?]
■トマト栽培でのマルチ利用
マルチは様々な植物を育てる時に使われていますが、種類がたくさんあります。
保温性のあるビニールマルチ、通気性が良い敷きワラ、見た目の良いバークチップなど、
ホームセンターでも気軽に購入できます。
トマト栽培で利用されるマルチは、おもにビニールマルチと敷きワラです。
それぞれ、トマト栽培ではどのようなメリットがあるのでしょうか。
黒色のビニールマルチがいちばんメジャーです
・ビニールマルチのメリット
ビニールマルチと一口に言っても、色によって効果は様々です。
透明なものは地温を上げる効果が非常に高く、
黒は地温を保ちつつ雑草の発生を抑えます。
銀色のものは害虫を忌避する効果が期待できるといわれています。
トマト栽培でよく使われるのは、黒色のビニールマルチです。
透明マルチほどの温度上昇はないものの、黒が光を集めて地温を上げて、
それをビニールによって保温するため、冷えやすい春や秋に使われます。
トマト栽培以外でも、様々な野菜に使われるので、見かけることも多いマルチです。
畝全体を覆うため、余分な水分を畝に入れにくくする効果もあります。
トマトは急激に水分を含むと、裂果や樹ボケを起こしやすくなるので、
黒マルチをすることによって、収量をあげることにもつながります。
地植えでもプランターでも、敷きワラは使いやすいです
・敷きワラのメリット
敷きワラは、ビニールマルチと違って通気性が高いのが特徴です。
雨が降った時には水を通すものの、
何もない裸土の状態よりは水分吸収を抑えることができます。
また、雨や水やりによって土が跳ね返るのを防ぐ効果もあります。
そして敷きワラの最大のメリットは、陰を作って地温上昇を防ぎ、
さらに温度が急激に下がるのも防いでくれる点です。
地温の変化が緩やかなワラは、根が育ちやすい環境を作ります。
これはニンニクですが、ワラマルチで育ちが良くなりました
■作型に合わせてマルチを選ぶ
トマトの作型の基本は、夏秋栽培です。
けれど、スーパーには国産のトマトが年中並びます。
これは、トマトにも色々な作型があるからです。
少しずつずらして栽培することで、一年中トマトが流通できるのです。
作型によって、トマトを育てる環境も少しずつ異なります。
栽培する時に使うマルチも、作型に合わせるのがお勧めです。
・地温を上げたい時は黒マルチ
地温が上がりにくい春や秋、冬の間は、やはり黒マルチが良いでしょう。
太陽光を吸収し、地温を上げてくれます。
促成栽培や半促成栽培はもちろん、夏秋栽培の場合も定植時期は春なので、
黒マルチが利用できます。
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・地温を下げたい時は敷きワラ、銀黒マルチ
地温が上がりやすい時期は、敷きワラや銀黒マルチがお勧めです。
銀黒マルチというのは、裏が黒で表が銀色のビニールマルチです。
表面が銀色をしているため、害虫忌避と太陽光を反射し、
地温が上がりすぎるのを防ぐことができます。
抑制栽培(出荷を遅くする栽培法)では、気温の高い時期に定植します。
苗を植え付けた後、地温が高い状態が続くと、根傷みを起こして生育が悪くなります。
根傷みを起こすところまでいかなくても、
トマトの根が好む温度帯よりも地温が高くなれば、根の生育が弱まります。
根の生育が弱まれば、トマトの地上部は軟弱に育ち、収量が落ちる原因となります。
こういった場合は、敷きワラや銀黒マルチを利用し、
地温を上げ過ぎないように調整することが必要になります。
・時期に合わせて黒マルチ+敷きワラ
トマト栽培では、基本の夏秋栽培でも、栽培期間中に気温が変化します。
苗の定植時期である4月下旬~5月頃は、暖かくなっているものの、
日によっては急に気温が下がることがあります。
その後、梅雨に入ると雨が続き、なかなか温度が思うように上がらなくなります。
そして、梅雨が明けた後は、急激に気温が上がって日差しも強くなります。
その後、強烈な暑さの真夏が過ぎ、少しずつ暑さが落ち着いて秋になります。
栽培期間中、地温がなかなか上がらなかったり、
逆に上がりすぎて根が傷みそうだったりと、不安はつきません。
気温の変化が大きいときににお勧めなのが、黒マルチと敷きワラの両方を使うやり方です。
畝には黒マルチをかぶせて、苗を定植します。
その後、気候や天気によって、敷きワラを使って地温を上げないようにしたり、
敷きワラを取り去って地温を上げたりしてコントロールします。
半促成栽培や夏秋栽培なら、定植時は黒マルチのみで育てて、
夏の暑い時期は敷きワラを併用します。
抑制栽培の場合は、黒マルチのある状態で定植したら、
温度が高いうちは敷きワラも併用し、
気温が下がってきたら敷きワラを取り除いて黒マルチのみにします。
少し面倒に感じるかもしれませんが、敷きワラを毎日動かすわけではないので、
実際にやってみると意外と手間を感じません。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方