トマト 乱形果 奇形果
トマトは、赤くて丸い実のイメージが強いです
もちろん、品種によって形は少しずつ変わり、
ミニトマトの中には楕円形や洋ナシ形など、色々な形があります。
けれど、栽培していると、本来とは違う形の実が育つことがあります。
こういったいびつな形の実を、乱形果、奇形果と呼びます。
トマトに乱形果が発生するのは、いったいなぜなのでしょうか。
その原因と対策をまとめました。
トマト 空洞果
上の画像は正常なとまとです、トマトのゼリー部分が少ない、ないものを空洞果と呼びます
トマトを栽培していて、ようやく収穫までこぎつけると、
とても嬉しい気持ちになります。
特に大玉トマト栽培では、開花から収穫までにかかる時間が、
ミニや中玉に比べて長いので、嬉しさもひとしおです。
収穫したトマトをいざ食べようと切ってみると、中のゼリー部分が少ない、
あるいはほぼない状態で、空洞ができていることがあります。
この状態を空洞果と呼びますが、この空洞果はなぜできるのでしょうか。
また、対策は何かあるのでしょうか。
トマト 根腐病
根腐病が疑われるトマトの株
トマトの病気に、根腐病というものがあります。
根腐病は、カビが原因で夏の高温時期にかかりやすく枯死する場合もあります。
根腐病の治し方や予防対策などを画像を交えて分かりやすくご紹介します。
よく似た名前の病気に、褐色根腐病がありますが、これは違った病気です。
この二つの最大の違いは、主に土栽培か水耕栽培かです。
根腐病は、主に容器に養液を入れ、そこで根を育てる水耕栽培を行う場合に、
感染しやすい病気です。
土栽培を主に行っている場合は、それほど頻発しない病気です。
これからトマトの水耕栽培をしようと思っているのであれば、
どのような病気かを知っておくと役立ちます。
トマトの鳥害対策
桃太郎ファイト、ホーム桃太郎などが、甘みがあるのか鳥に狙われます
ヒヨドリに突かれた大玉トマト
トマトも、真っ赤に熟れた頃だけでなく、
青いときでも鳥の被害に合うことがあります。
カラス、ムクドリ、ヒヨドリなど、
鳥たちが大事なトマトを今か今かと狙っています。
鳥たちに先を越される前に、
大事なトマトに鳥害対策をしておきましょう。
ヒヨドリの全長は約28cm、果実が大好きです
ヒヨドリの翼開長は、約40cmと大きいです
[トマトの鳥害対策]
■ネットで覆う
1.房をネットで覆う
トマトの実がついている房だけを小さなネットで覆う方法です。
ネットは大きなものを切っても良いですし、
排水溝用ネットなど、すでに小さい袋状のものを使うと便利です。
ネットの穴の大きさは、鳥のくちばしが、
入ることができない程度のものを使うようにします。
万が一鳥につつかれて実が枝から落ちてしまっても、
枝にしっかりとネットを固定しておくことで、
地面に落下してしまうのを防ぐこともできます。
枝にひっかかったり、つつかれたりして穴があいた場合は、
修繕したり、交換できるので便利です。
日光もほとんど遮らないので完熟トマトができます。
この排水溝用のネットで、トマトを鳥から救えました
ただし、穴があいた時は必ず早めに対処するようにしましょう。
実だけにネットをかぶせるので、株全体への日当たりは確保できますし、
取り付けや交換、実の収穫などの手入れが楽なのも魅力です。
鳥は実のすぐ近くまで飛んでくることができるので、
ネットがはずれたりすると被害に合う可能性があります。
2.株全体をネットで覆う
実だけでなく、株全体をネットで覆う方法です。
ネットは、市販されている鳥害用のネットを使うと、
広範囲を覆った設置ができるので便利です。
鉢やプランターなど、狭い範囲を覆う場合は、
鳥害用のネットでなくても、防虫ネットや寒冷紗でも効果があります。
株全体を覆うことができるので、
鳥が実のすぐ近くまで飛来することはありません。
ほぼ鳥害に合うことなく実を収穫することができるのがメリットです。
ただし、設置が少々大がかりになることと、
手入れや収穫をする際にネットの一部をはずす必要があること、
ネットで覆う分日当たりが少し悪くなります。
房にかける小さなネットと同様に、
穴があいた部分は早めに修繕する必要があります。
放っておくと穴が広がる上、鳥の侵入を許すことになってしまいます。
ムクドリ、全長約24cmでやはり果樹が好き
■光る物や模型をぶら下げる
1.鳥の模型をぶら下げる
ホームセンターや園芸店などで売られている、
ビニール製のカラスの模型などをぶら下げることで、鳥よけになります。
模型がぶら下がっていることで、鳥たちは模型を死骸だと勘違いし、
ここは危険な場所であるということを察知します。
模型の変わりに、黒いビニールをぶら下げて代用できます。
カラスの黒ちゃん C)アットスポット
手軽で低予算で行えるのは嬉しいのですが、
ぶら下がっているものが作り物だと、
鳥に分かってしまうと効果がなくなってしまいます。
2.光る物をぶら下げる
CDや銀色のテープなど、反射してキラキラと光るものを、
ぶら下げることで、鳥よけになります。
CDなどの他、ラメの入ったテープや銀テープでできたモールなど、
とにかく光に反射する素材のものであれば効果が期待できます。
クリスマスツリーの金銀のモールでも効き目がありました。
光るものは害虫対策にもなるため、一石二鳥です。
こちらも模型と同様に、手軽で低予算ですが、
場所や環境によっては効果が薄いことがあるようです。
*CDは、うちのベランダでは、効果がなかったです。
■テグス、釣り糸、水糸を張る
トマトの株の周りに支柱を立て、
そこにテグスや釣り糸、水糸などの色を張る方法です。
畑などで畝を作り、複数のトマトを育てている場合は、
20cm~30cmくらいの間隔に支柱を立て、そこに糸を張ります。
糸を張ることで、鳥たちは糸の近くにとまることも、
糸の下から飛び立つこともできないため、
獲物に近づくことができなくなります。
糸の色は特に指定はありませんので、
余っているものを使ってもいいでしょう。
範囲にこだわりがなく、
かつ簡単に低予算で実行できるのがうれしいところです。
糸と糸との間隔が広いと、
小さな鳥は侵入してしまうことがあるので、注意が必要です。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
トマト ナメクジ
体長10㎝を超えるナメクジも
ナメクジは、意外とやっかいな害虫です。
トマトを育てていると、葉や新芽が喰われていることがあります。
ようやく赤くなって収穫していざ食べようとすると、
実にまで穴があいていることがあります。
トマトの葉や実を食害する害虫は何種類がいますが、
梅雨の時期に多くなってくるのがナメクジです。
ナメクジは見た通り、じめじめとしている場所を好み、
暗く涼しい時間帯に活動します。
夜の間に活動して食害するため、昼間には姿が見えず、
誰が食害の犯人か分からないということもあります。
ナメクジは、移動するときに粘液を残していくので、
ぬめぬめと光る跡が残っていたらナメクジの仕業です。
ナメクジの被害に合ったら、どうすれば良いのでしょうか。
トマト 窓あき果
窓あき果、尻腐れ、変形も出ているズッカ。肥料や水は少な目だったが
トマトを育てていると、花が咲いて実がつき、
だんだんと大きくなってくる過程を見ていると、とてもわくわくします。
ところが、実が大きくなってきた頃に、様子がおかしいことに気付くことがあります。
日本で栽培されているトマトの多くが、丸みを帯びた形をしていて、
表面はつるりとしています。
ところが、中には穴があいて中のゼリー部分まで見えている実が育つことがあるのです。
こういった実を窓あき果と呼びますが、発生する原因は何かあるのでしょうか。
窓あき果が発生する原因や対策を、まとめました。
トマト 青枯病
清潔な水はけの良い土で育てます
トマトの青枯病は、かかると治癒することが難しい病気です。
青枯病に感染した株がないかをこまめにチェックし、
健康な環境でトマトを育てて予防しましょう。
トマト 苗立枯病
苗立枯病とは、トマトの種を播いた後、
発芽前後に症状が出て枯れてしまう病気です
苗立枯病は、発芽してすぐや、まだ本葉も出ていない頃などに発生するため、
症状が出てからは治すことができません。
トマト栽培は、元気に発芽しないことには始まりませんね。
苗立枯病にかかると、育苗どころではなくなってしまいます。
ただ、予防することはできるので、できる限り予防に努めます。
[トマト 苗立枯病]
■トマト 苗立枯病の症状
発芽後に、地際に近い部分の茎が茶色く変色して、柔らかくなって倒れます。
感染した菌の種類により、茶色く変色しなかったり、
根がとろけたように腐敗する場合もあります。
菌の種類に関わらず、地際部分から倒れ、その後枯れてしまいます。
■トマト 苗立枯病の原因
トマトの苗立枯病には、原因となる菌が2種類います。
1つはピシウム菌で、これは水カビの一種のため、水の中で移動します。
そのため、湿度の高い場所で感染することが多く、また蔓延しやすくなります。
もう1つはリゾクトニア菌です。
こちらは菌自体が水の中を移動しませんが、菌核を作って数を増やします。
おもに土の中に菌核を作りますが、カビの仲間であるにも関わらず、
意外にも乾燥した環境で感染が増えます。
土の中で菌核を作り増えるため、
リゾクトニア菌を含んだ土を使って育苗すると、感染率が高まります。
清潔な用土を使って種まき、育苗します
■トマト 苗立枯病の予防
ピシウム菌による苗立枯病を防ぐには、過湿にしないことです。
発芽には適度な湿気は必要ですが、
過剰な湿気はピシウム菌の感染や種自体が腐る原因となります。
発芽後も、過湿にしていると苗立枯病にかかるだけでなく、
徒長しやすくなるため、控えます。
リゾクトニア菌の感染を防ぐには、清潔な土を使うことが一番です。
特に、以前にも苗立枯病が発生した土は、使わない方が良いでしょう。
どうしても用土を再利用する場合は、一度消毒を行ってから使うようにします。
市販されている種播き用の用土を使うのもお勧めです。
■トマト 苗立枯病にかかったら
残念ながら、発生してしまった後はどうすることもできません。
薬剤などを使う間もなく枯れることが多いため、手を打つ暇がありません。
そのため、予防に努めて感染を防ぐことが先決です。
また、苗立枯病が発生した土で育苗するのはやめておきましょう。
土の中には原因菌がいっぱいいる状態なので、
次に種を播いたものも立枯れの症状が出ます。
◎効果的薬剤
種用の消毒剤も各種ありますが、注意書きを熟読して使用します。
土壌の消毒には、バスアミド微粒剤、クロールピクリンが利用できます。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
トマト ホウ素欠乏
トマト栽培では、水だけでなく、窒素・リン酸・カリをはじめとした、
様々な養分が必要となります。
基本となる養分は、窒素・リン酸・カリですが、
それ以外にも微量要素と呼ばれる成分もあります。
その中でも、ホウ素と呼ばれる養分が足りなくなると、ホウ素欠乏の状態となります。
ホウ素という名前は、あまり聞きなれないかもしれませんが、
ホウ素欠乏になると、トマトにはどのような症状が出るのでしょうか。
[トマト ホウ素欠乏]
■主な症状
・委縮する
ホウ素欠乏の症状の1つに、委縮があります。
ホウ素欠乏の委縮は、株の上部に見られるのが特徴です。
生長点付近が委縮することが多いですが、栽培初期に症状が出た後、
回復した場合は、下位に症状が残り、上部の葉は正常という状態になることもあります。
・コルク状の亀裂が入る
ホウ素欠乏の特徴的な症状として、コルク状の亀裂もあります。
こちらは葉に出る症状ではなく、茎や実に発生します。
葉柄と呼ばれる、葉の筋のような部分や茎が、茶色いコルク状に変化します。
実に発生した場合も、コルク状になるのは同じですが、亀裂のように見えます。
■主な原因
・酸性土壌と多量の石灰
土にも酸度があり、酸性になっていると、ホウ素が溶脱します。
この時、土が酸性になっているからと石灰を多量に入れて中和すると、
その影響によってホウ素欠乏が起こりやすくなります。
・土の乾燥と有機物
ホウ素などの微量成分は、堆肥などの有機物によって供給されやすくなります。
そのため、有機物をほぼ使わずに栽培を続けていると、
そのうちホウ素欠乏を起こす結果となります。
また、土が過度に乾燥すると、根がうまく機能しないためか、ホウ素欠乏が起こります。
・カリが多い
カリは、基本となる要素の1つです。
一般的には、根を丈夫に育てるために必要な要素といわれているため、
標準的な肥料には含まれています。
けれど、このカリをあまりにも多量に使用すると、
ホウ素が吸収できず、ホウ素欠乏となります。
■対策
・土作りの際の注意点
トマト栽培に限らず、土作りはとても大切な作業です。
土の酸度を調整したり、足りない養分を補っておくことによって、
栽培成功の可能性が高くなります。
ただ、酸度を調整するために、多量の石灰を使うと、ホウ素欠乏のおそれが出てきます。
極度の酸性になる前に、適量の石灰類を加えて中和しておくと、
一度に石灰をたくさん使う必要がなくなります。
また、水はけの良い状態を作ることは大切ですが、
あまりにも水はけが良すぎると、乾燥を助長します。
乾燥は、根の調子を崩して、養水分の吸収を妨げるので、
ある程度は水もちの良さも必要となります。
日差しの強さや気温の高さから、土が乾燥しすぎる傾向にある場合は、
敷きワラなどのマルチを利用するのもお勧めです。
また、土作りの際に、堆肥などの有機物を入れることによって、
ホウ素補給にもなりますし、水もちを高める効果も期待できます。
・ホウ素入り肥料を使用する
単純に、土のホウ素の量が極端に少ない場合も、ホウ素欠乏になります。
ホウ素は微量成分ではありますが、健全な生育には欠かせない要素です。
意識的にホウ素が含まれる肥料を使うことで、ホウ素欠乏を防ぐことができます。
・応急処置
もしホウ素欠乏の症状が出たら、応急処置として葉面散布が効果的です。
ホウ砂0.1%~0.25%の水溶液を葉面散布します。
■判断基準
葉の委縮の症状が、上位葉に出ているか下位葉に出ているかによって、
ホウ素欠乏かどうかを見分けられます。
ホウ素欠乏の場合、生育初期に症状が出たのでなければ、
上位葉に症状が出やすいのが特徴です。
ホウ素欠乏の特徴であるコルク化症状も、
単に風によって擦れた結果である場合があります。
実のコルク化も、風で揺れたことによって、
他の実や葉茎にこすれて起こることがあるので、早とちりしないよう注意が必要です。
また、実のコルク化と裂果もよく似ているので、
経験が浅いうちは見分けにくいことがあります。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方
トマト 鉄欠乏
トマトを育てる時、実は鉄分も生育に必要です。
鉄分不足になると、人間は貧血を起こすことがあります。
ではトマトでは、鉄欠乏になるとどのような症状が出るのでしょうか。
また、鉄欠乏になる原因や対策はあるのでしょうか。