有機質肥料とは?
有機質肥料 C)楽天市場
有機質肥料という言葉を、よく耳にします、
有機栽培という言葉もあり、有機質肥料もか良いもののような気がします。
しかし、実際の有機質肥料とは、どのようなものなのでしょうか。
有機質肥料のことを理解すれば、
トマトなどいろいろな野菜を育てる時にも役立ちます。
[有機質肥料]
■有機質肥料とは?
肥料には、有機質肥料と無機質肥料があります。
無機質肥料は、化成肥料とも呼ばれている肥料で、
窒素・リン酸・カリなどの肥料成分が、化学物質で構成されている肥料です。
対して有機質肥料は、鶏ふんや油カス、魚カス、米ぬかといったような、
有機質からできている肥料を指します。
化成肥料は水に溶けることで、肥料成分が溶け出る仕組みなので、
肥効が出るのが早いのが特徴です。
また、化学合成されているので、
必要な肥料成分を簡単に調整することができます。
有機質肥料は、施肥した後に微生物の力を借りて分解する必要があります。
ですので、肥効が出るスピードがゆっくりで、長く効果が出ます。
化成肥料のように、単一的な成分を配合しているわけではないので、
与えるものによって、含まれる養分が異なる場合があります。
例えば、同じ鶏ふんであっても、
鶏が食べたエサの種類や育った環境により、
鶏ふんに含まれる養分に差が出ることがあります。
また、化成肥料だけでは不足しがちな、
微量成分が含まれているのも、有機質肥料の特徴です。
■有機質肥料のメリット
有機質肥料を分解するため、土の中にいる微生物が活性化します。
さらに有機質肥料をエサとするため、
土質を改良してくれる微生物が増えやすくなります。
こういった効果を期待されるため、野菜などを育てる時には、
有機質肥料が良いといわれることが多くなりました。
けれど、本当に有機質肥料には、良いことばかりなのでしょうか?
実は、有機質肥料が絶対的に良いものとは限りません。
有機質肥料だけでなく、化成肥料も含めて、
肥料は与えるタイミングと量が大切です。
タイミングが早すぎたり遅すぎたりすると、
肥料焼けを起こしたり、肥効が思うように出ないこともあります。
また、量が少なすぎるのも多すぎるのも考え物です。
少なければ植物の生育が悪くなり、多すぎると肥料焼けの原因となります。
トマトの場合は、どちらかというと多すぎる方が問題です。
特に窒素が多くなってしまうと、樹ボケを起こす確率が高くなり、
収穫できる実の数が減ってしまいます。
肥料成分は、ある特定の成分がくっつくことで、
化学変化が起き、それによって植物に影響を出すことがあります。
特に、アルカリ性の強い苦土石灰と、酸性に近い肥料を与えると、
化学変化が起きてアンモニアなどを発生させることがあります。
あるいは、窒素を分解する時にガスを発生させてしまい、
生育不良を出してしまうこともあります。
この現象は化学肥料だけに限られず、有機質肥料でも起きることです。
元肥として与える時も、追肥として与える時も、
こういった化学変化が起きることを理解し、施肥量を決める必要があります。
デルモンテ キッチンガーデン有機質入り肥料 トマト用 500g 448円 (税込)
■有機質肥料の使い方と注意点
有機質肥料がトマトの味を良くすると聞いて、なんとなく与えている、
という人も少ないのではないでしょうか。
けれど、有機質肥料は、しっかりと理解した上で使用しないと、
生育不良などが起こる可能性があります。
有機質肥料を使う時の注意点をまとめたので、頭に入れておきましょう。
・比率を知る
有機質肥料は、何を原料にしているかによって、
窒素・リン酸・カリの比率が異なります。
窒素が多めなのは油カス、リン酸が多いのは鶏ふんや米ぬかです。
バッドグアノや骨粉は、リン酸がとても多い肥料となります。
ですが、それぞれ窒素だけ、リン酸だけが含まれているわけではありません。
特に多く含まれている成分があったとしても、他の要素も含まれています。
そのため、育てる植物によって、与える種類を変える必要が出てきます。
トマトの場合は、3要素が同等かリン酸が多めのものが理想的なので、
鶏ふんや魚カスを与えたり、油カスや米ぬかなどが良いと言えます。
また、生長の様子を見て、バッドグアノなど、
リン酸が多いものを与えるのも良いでしょう。
調子が出ない時は、有機質肥料だけにこだわらず、
液体肥料などを併せて与えてみます。
色々と試して、より良い結果をうむものを探すようにすると、
良いトマトが多く収穫できます。
・未熟な肥料に注意
有機質肥料の中には、発酵が済んでいる完熟タイプのものと、
未熟なものとがあります。
発酵が済んでいるものは、微生物が分解するのを待つだけですが、
未熟なものはまず発酵が必要となります。
発酵が必要となると、肥効が出るまでにとても時間がかかりますし、
発酵時に出る熱やガスなどが問題になることがあります。
植え付ける1ヶ月以上前に土作りを行い、
植え付けまで土を寝かせるのであれば良いのですが、
できるだけ早く植え付けたい場合は、完熟タイプを選ぶ必要があります。
・酸度に注意
ある特定の肥料ばかり与えていると、土の酸度が極端になることがあります。
化成肥料は酸度が高くなりやすいですし、有機質肥料の中でも鶏ふんは、
アルカリ性に傾きやすくします。
使用する肥料は自由に選べば良いですが、土の酸度は植物の生育に影響します。
定期的に土の酸度を計測し、植物が好む酸度に整えてあげることが大切です。
・ハウス内の換気
有機質肥料が発酵している時や、窒素を分解して発生するガスは、
植物の根を傷めますが、傷めるのは実は根だけではありません。
ガスは土から抜けて空中に排出されます。
被覆のない状態で栽培するなら、それでもあまり影響しませんが、
問題はトンネルやハウス、ビニールマルチなどを使った栽培の時です。
被覆内にガスが溜まり、葉に異変が出ます。
ビニールマルチを使用する時は、十分にガスを抜いてから、
マルチを張るようにしましょう。
トンネルやハウスでの栽培の場合は、
換気をすることで内部に溜まったガスを抜き、影響が出ないように調整します。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・ミニトマト わき芽かき