トマト 白絹病
白絹病は感染前に予防策を
トマト 白絹病(しらきぬびょう)は、
株元に白いカビが発生し症状が進むと枯死するため、
同じカビ系の病気であるうどんこ病などよりも、よほど厄介です。
感染した後に治療するよりも、感染を予防する方が有効なので、
できる限りの予防はしておきましょう。
予防方法も、難しいことはありませんので、ぜひ実行してみてください。
[トマト 白絹病]
■トマト 白絹病の症状
トマト 白絹病の症状はおもに株元に出ます。
地際近くの軸に病斑が出て、だんだんと軸を囲むように広がっていきます。
軸が病斑で覆われる頃になると、病斑部分がくびれたようになり、
それより上の部分が急速に枯れていきます。
最初のうちは、少しへこんだような褐色の病斑ができますが、
症状が進むにつれ、表面には白いカビが発生します。
この白いカビは、マット状で、表面にべったりとついたようになっています。
その後、薄い褐色や白い菌核が多数あらわれるようになります。
トマト 白絹病の菌核の大きさはあまり大きくなく、ケシ粒くらいの大きさです。
この菌核は病斑上だけでなく、株元付近の土にも発生します。
トマトの葉や実など、地面に降れている場所があると、そこから菌がうつります。
そのため、地際近くだけでなく、葉や実にも症状が出ることがあります。
*トマト 白絹病の画像はこちら
http://www.takii.co.jp/tsk/bugs/atm/disease/sirakinu/
■トマト 白絹病の原因
白絹病の原因菌は、25度~35度と高温で活動します。
そのため、7月~9月頃に発生が多くなりやすく、
ハウスなどでは少し早い5月~6月に発生が多くなります。
トマト 白絹病の菌は未熟な堆肥などをエサにして増えるため、
土作りの時に未熟な堆肥を使うと発生しやすいです。
特に耕す時に深く掘らず、
浅いところに堆肥を混ぜ込むと菌が増えやすくなります。
また、感染して枯死した株にも菌が残ります。
そのため、感染して枯れた株を、土にすきこむと土に菌が残ります。
菌は長期間、土の中に存在するため、何年もの間発生のリスクが高くなります。
畑は天地返しが効果的です
■トマト 白絹病の予防
土作りの時に使う堆肥は、必ず完熟しているものを使うようにします。
牛糞などの堆肥だけでなく、雑草や前作の植物などをすき込んだ場合も含め、
有機質のものが未熟な状態で残っていると菌が増幅します。
他にも、ぬかや生のワラなども、未分解の状態だと菌の繁殖を促してしまいます。
市販されている牛糞などの堆肥も、自作している堆肥も、
必ず完熟させた状態のものを使うことで、感染を軽減できます。
また、トマト 白絹病の菌は、酸素がたっぷりある場所で繁殖します。
そのため、地面でも表面に近い場所で増えやすくなります。
つまり、酸素を減らすことで、菌を減らすことができるのです。
トマトを栽培する予定の場所を、一度天地返しをすることで、
地表にいる菌を深い場所に移動させることができます。
深い場所に移動させられた菌は、酸素の供給が足りずに死滅します。
あまり一般家庭ではできませんが、
栽培予定地を一度水で埋めてしまうという手もあります。
元が田んぼのような水が溜められる場所であれば、
水を溜めて土を水でいっぱいにすることで、酸素が抜けて菌が死滅します。
水を溜めておくのは、3ヶ月~4ヶ月ほどの期間が必要とされています。
さらには熱消毒も有効です。
太陽熱を利用することで、簡単に熱消毒できますし、
特別な道具もほとんど必要ないのでお勧めです。
白絹病の菌は、トマトだけでなく、
ナス科・マメ科・アブラナ科・ウリ科などの植物にも感染します。
そのため、トマトでない他の植物であったとしても、
白絹病にかかった株を土にすきこむのはやめておきましょう。
■白絹病にかかったら
トマト 白絹病に気づいた時には、すでに枯れてしまっていることが多く、
感染後に治療することが難しい病気です。
感染している株を見つけたら、周りの土ごと掘り上げて処分します。
特に地表部分には菌核ができていることもあり、そこには病原菌がたくさんいます。
できるかぎり菌を残さないためにも、感染株は取り除き、処分しておきましょう。
処分する時は、次に使う土に混ぜたりせず、ゴミとして処分するようにします。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方