牛の心臓
フランス市場のフィオレンティーノ
*牛の心臓に似ていますが……
牛の心臓という名前のトマトがあります。
日本人としては、ちょっと驚くような名前がつけられていますが、
実際にはどのような特徴のあるトマトなのでしょうか。
[牛の心臓]
■牛の心臓という呼び名は?
牛の心臓と日本で呼ばれているトマトは、
イタリアなどの欧州でとても人気の高い品種です。
フランス語では「coeur de boeuf(クオール・ディ・ブエ)」、
イタリア語なら「cuor di bue」と呼ばれていて、
これを日本語に訳すと「牛の心臓」ということになります。
また、トマトの中には、実の形を表す時に、
牛の心臓形という風に使われることもあります。
サントリーフラワーズから販売されている「ズッカ」という、
F1品種のトマトがあります。
zuccaは直訳ではカボチャです。
このサントリーのズッカも、牛の心臓形を特徴としています。
おそらく、海外トマトの牛の心臓の血統をひいているのでしょう。
牛の心臓 C)高木農園
■個性的な形
牛の心臓という個性的な名前に負けず、
実そのものも、とても個性的な形をしています。
日本で流通している高木農園の牛の心臓の種のパッケージに写真があり、
「ハート型のイタリアトマト」固定種とあります。
実際に育ててみると、ハート形の品種と、
巾着を絞ったような形になるものがあるようです。
ハート形の方は、表面はつるりとしていて、上部にややプリーツがある程度です。
中にはプリーツがほとんど出ないこともあるようです。
巾着を絞ったようになった場合は、プリーツがたくさん出て、
しかも上部よりも下部の方がよく膨らみます。
大きさにも差があり、ハート形なら150g前後と、
大玉トマトの中でもそれほど大きくはありません。
ところが、巾着を絞ったような形をしているものは、
150gくらいの小さなものから、大きくなれば500gや、
なんと1kg越すものまであるそうです。
育て方により個体差が出やすいようで、
摘果せずに育てたものは実が小さくなりやすく、
摘果して数を減らして育てたものは、大きく育つ傾向が強いようです。
固定種となってはいるものの、株ごとの個体差は激しそうです。
■見た目に似合わず極上の食味
いずれの形や重さになっても、牛の心臓の食味は極上です。
こういった珍しい海外からやってきたトマトだと、
加熱した方が真価を得ることができますが、牛の心臓は違います。
加熱よりも、断然生食の方が向いているのです。
プリーツが多くでたものは、中の部屋もたくさんありますが、
部屋がたくさんあるだけで、ゼリー部分は少ないです。
その分、肉厚の果肉はとてもジューシーです。
プリーツが多いものは、ゴツゴツとしていて硬そうに見えますが、
実際にかじってみると、とても柔らかいのが特徴です。
皮も薄く、口に残りにくいです
日本で人気の高い、フルーツトマトのような強い甘みはありませんが、
代わりに酸味がかなり抑えられていて、食べやすいです。
他の具材を引き立てる味なので、サラダはもちろん、
カプレーゼのような前菜や、サンドイッチにも最適なトマトです。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・ミニトマト わき芽かき