トマト 生育診断
生育診断をすると良いトマトがたくさん採れます、房取りのシシリアンルージュ
生育中のトマトの状態が、正常なのかどうかは気になるところです。
元気に育っているかのように見えても、実は不調のサインということもあるので、
生育診断と毎日のチェックが欠かせません。
トマトをこまめに観察しておくことで、
不調や病害虫発生を早期発見することもできます。
トマトを見た時に正常かどうかを見極めるための、
生育診断の方法をご紹介します。
[トマト 生育診断]
■肥料の過不足
トマトに限らず、植物を育てる時は、
肥料が足りているのか、多すぎるのかは、とても大切なことです。
多すぎても少なすぎても、トマトがうまく育たない原因になることがあります。
トマトの様子をよく見て、診断を行いましょう。
肥料が多すぎたフルティカ、うどんこ病にかかりました
・葉の色
トマトの葉の色は、肥料の過不足によって変化します。
多ければ色が濃くなり、足りないと肥料切れとなり、全体的に色が薄くなります。
ただ、葉の色は1日のうちでも、時間帯によって濃淡が変化します。
早朝は色が薄く、夕方にかけて色が濃くなり、夜間の間に少しずつ薄くなって、
早朝にまた一番薄い状態へと戻ります。
チェックする時間が変わると、葉色の正確なデータがとれなくなるので、
時間が大幅にずれないように注意しましょう。
また、葉色の濃淡は、品種によっても多少の差があるので、
事前に標準がどれくらいの色なのかを調べておきましょう。
・葉の大きさ
葉の大きさも濃淡と同じで、
肥料が多ければ大きくなり、肥料が少なければ標準より小さくなります。
また、この場合も、品種によって標準となる葉の大きさが異なります。
色と違って、正常な株の実物を見てみないと分かりにくいことが多いですが、
何度か育てていると分かるようになります。
最初は、他の項目も合わせて、肥料の過不足をチェックし、
多い場合と少ない場合の大きさの基準を覚えておくようにしましょう。
葉は、赤線のように、なだらかな山形になっている状態が健康です
・葉の曲がり
トマトの葉を横から見ると、
主枝に対して真横に伸び、先端に向かってやや湾曲しています。
つまり、なだらかな山形になっている状態が、正常な葉の曲がりです。
肥料過多になると、この曲がりが強くなり、内側に強く巻いた状態となります。
反対に肥料不足だと、葉の曲がりが少なくなり、上向きにピンと張った状態になります。
レジナ、少し肥料が多く、茎に太さの違いがあります
・茎の太さ
トマトは肥料の過不足が、茎の太さによくあらわれます。
株元と生長点近くを比べると、株元の方が太く、
生長点に向かって少しずつ細くなるのが健康な状態です。
生長点付近の茎が異様に太い場合は、肥料過多である場合が多いです。
肥料過多の状態が続くと、生長点が見られなくなり、
芯止まりと呼ばれる状態となることもあります。
そのような時には、第一花房のすぐ下のわき芽が強いので、
こちらを伸ばしてあげると、着果することが多いです。
また、生長点に近い部分の枝が太くなり、真ん中に穴があくこともあります。
めがね茎と呼ばれるものです。
・開花花房から生長点
正常に育つトマトは、開花している一番上の花房から、生長点までの間の距離が、
だいたい13cm~15cmほどになることが多いです。
品種にもよりますが基準値よりも大幅にずれる場合は、肥料の過不足が考えられます。
特に肥料過多の場合は、距離がとても長くなるので、見てすぐに分かります。
肥料過多で、暴れているトマト
こちらも肥料過多、多めの元肥を入れていました
■水分の過不足
トマトは乾燥気味に育てる野菜ですが、あまりにも水分が足りていない状態が続くと、
株の生長にまで影響することがあります。
また、水分が多すぎる環境も良くないので、
水分の過不足がないかを、株のチェックによって知るようにしましょう。
・開花花房から生長点
開花している一番上の花房から、
生長点までの距離が極端に短い場合は、水分不足が疑えます。
水分が足りておらず、株の生長に回せなくなっている可能性があります。
水分管理の方法を見直した方が良いでしょう。
・節間の長さ
トマトは品種によって、節間の長さが多少異なります。
ただ、明らかに節間が長い場合は、徒長が考えられます。
トマトは夜間に余分な水分が土に残っていると、徒長しやすくなります。
夏の間は生長も早く、水分も乾きやすくなるため、
夕方には土が乾いている場合があります。
ただ、トマトはある程度の乾燥には耐えられるので、
夕方の涼しい時間帯になった時、土がもし乾いていても、
葉が萎れた状態でなければ、水やりの必要はありません。
翌日の朝に水やりをすれば、十分間に合います。
・実が割れる
裂果が多くなるのも、水分不足である可能性が高いです。
甘い実を収穫しようと、水分を大幅に減らす栽培法で育てる方が増えていますが、
無理な水分制限はトマトの負担となりますし、実の割れを助長します。
トマト栽培にまだ慣れていない間は、
あまり無理に水の抑制をしないようにした方が良い実が採れます。
■カルシウムの過不足
トマトは実を大きく育てる時、カルシウムを多く必要とします。
そのため、カルシウムが足りないと、尻腐れと呼ばれる症状が出ることがあります。
尻腐れの症状が出るのは、すでにカルシウム不足の状態となっているので、
葉面散布などによって不足を補ってあげましょう。
>>トマト 尻腐れ病
・実の表面の斑点
尻腐れの症状が出る前に、
カルシウムが足りているかをチェックするようにしましょう。
育っているトマトの実をよく見ると、表面に小さな白い斑点が見えます。
これがカルシウムです。
この斑点が少ないものが出てきたら、カルシウム不足になりかけています。
そのまま放っておくと、次の段の実が育つ時にカルシウムが足りなくなり、
尻腐れの症状が出始めることとなります。
カルシウム不足の兆候が見られたら、すぐにカルシウムを与えるようにしましょう。
ただし、カルシウムを与えすぎると、食味が悪くなるので、量には注意します。
桃太郎シリーズは、比較的育てやすく美味しいです
■日照の過不足
トマトは太陽の光が大好きです。
けれど、育てる環境によっては、十分な日照時間を得られていないことがあります。
反対に、日差しが強すぎる場合にも、不具合が出ることがあります。
・節間の長さ
節間が長く、徒長している状態の場合は、夜間の水分の問題もありますが、
日照不足の可能性もあります。
全体的にひょろひょろとしていて色も薄く、徒長している場合は、
日照不足による徒長の可能性が高いです。
日当たりが良いと思っていても、壁や背の高い物などの陰になっていて、
十分な日照が得られていないこともあります。
・果皮の色
色づいてきた実の表面が、キレイに発色せず、部分的に白っぽくなることがあります。
これは果実に強い直射日光が当たりすぎることで起こる症状です。
トマトは光が大好きですが、実が直射日光に当たりすぎると皮が硬くなり、
食味も悪くなるので、葉を利用するなどして、陰を作ってあげましょう。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・トマト わき芽かき・摘心の方法
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・ミニトマト わき芽かき