トマト栽培 終わり
疲れてきたトマトの樹と実(8月下旬)
トマト栽培をしていると、最盛期を過ぎて、
いつまで育てられるのか気になるところですね。
トマトは本来、何年も生長する多年草です。
ところが、日本の冬の寒さに耐えることができないため、
日本では一年草扱いになっていることがほとんどです。
冬の間も暖かい環境を作ることができれば、冬越しすることも可能です。
けれど現実問題として、年中暖かい環境を作るのは素人では難しいですし、
家庭菜園では別の野菜を育てるためのスペースを確保したいこともあります。
では、トマト栽培はいつを終わりとするのが良いのでしょうか?
[トマト栽培 終わり]
■終わりのタイミング
家庭菜園で大変なのは、日照の確保など様々ですが、
やはり一番はスペースの確保かと思います。
狭い庭やベランダであっても、できるだけたくさんの植物を育てたくなります。
特に季節の変わり目は、育てる植物の切り替えの時期でもあります。
トマトは5月頃に定植をした後、上手に育てれば冬まで育てることができます。
環境によっては何年も育てることもできますが、何年も育てておくためには、
それなりのスペースを確保し続ける必要があります。
トマトを育てておくスペース分、他の植物を育てることができなくなるため、
まだ元気そうであっても、撤去を余儀なくなれることがあります。
確かにわき芽もまだ発生し、わき芽を挿し木して新しい苗を作ったり、
わき芽を伸ばして株を更新することもできそうなくらい、株が元気な時があります。
けれど秋冬に育てる植物の種播きや定植の期限が迫っている時は、
心を鬼にして、トマトの株を取り去ることも大切です。
ボンリッシュ、まだまだ株も元気で花が咲きます(08.20)
しかし、秋植え野菜の植え付けも、もうすぐです
元気そうに見えても株がずいぶんと疲れていて、
その後についた実が極端に小さかったり、おいしさが半減することもあります。
予定していた段まで実が赤くなったら、収穫して終わらせるというのは残酷な気がしますが、
トマトにとっては、ちょうどよい終わりのタイミングということもあります。
次の植物の定植のためにスペースを空けたいとき、
まだトマトの最上段の実が色づいていないという場合は、
青い状態で収穫して追熟することで、ついた実は無駄なく楽しむことができます。
秋冬の野菜は、種播きや定植の適期を過ぎると、その後の生育に大きく影響します。
トマト栽培を優先したために、秋冬野菜に影響が出て、
収量が落ちるのであれば、思い切って撤収した方が良いでしょう。
まだまだ元気に育つシシリアンルージュ(8月下旬)
■株が疲れたら
5月頃に定植したトマトは、そこから何か月も生長を続けています。
茎が伸び花房がついていき、下から順番に開花・着果・収穫します。
基本的には、支柱の高さ(5段~7段)にきた時に摘芯を行い、
最上段に着果した実を収穫したら終わりとなります。
ところが、株元に近いところから発生したわき芽を育てることで、
株を更新し、新しく花房をつけさせて実を収穫する方法があります。
この方法だと、最初の主枝の最上段の実を収穫し終えた後にも、
まだ栽培を続けることができます。
ただ、トマトは長い栽培期間中、ずっと花を咲かせて実を育てている状態です。
株によっては、最初の主枝についた実を育てるだけで精一杯で、
その後9月頃に調子を崩してしまう場合が多いです。
この場合は、栽培を続けたくても、トマト自身がもう育つ力がなく、
栽培を続けることが難しくなります。
なんとか花は咲いたとしても、実をつけるまでもなく落ちてしまい、
ほとんど収穫できないということもあります。
このような状態では、思い切ってトマト栽培を終了し、土を休ませておくようにします。
株がまだまだ元気で、わき芽もぐんぐん伸びて花をつけ、
実をつけている場合は、そのまま栽培を続けることができます。
初秋のトマト
■寒さで枯れたら
トマトは寒さに少し弱い性質があります。
トマトを温室などで育てていれば、冬を越す株も出てきます。
温室で育て続けたいのであれば、問題はないでしょう。
問題は、温室などの保温する術がない場合です。
トマトが低温によって枯れてくる時期というのは、地域によって違います。
温暖地であれば、寒くなるのが遅いので、その分長く栽培することができます。
反対に寒冷地であれば、寒くなるのが早く、
霜が降りるのも早いので、栽培期間が短くなります。
大株に育ったトマトは、苗の時期に比べれば寒さに対する抵抗があります。
しかし霜に当たると葉が茶色くなり萎れてしまい、栽培終了の時期となります。
時期の目安としては、寒冷地で11月、温暖地で12月に枯れこんできます。
鉢植えやプランター栽培にしている場合、軒下に置くことで、
霜が降りるのを防ぐことができます。
また、壁際は寒風が当たらず、風が抜けない分気温が下がりにくいので、
さらに枯れるまでの期間が伸びます。
もちろん、寒風を避けられるよう、ビニールなどを、
株の周りに支柱を使って設置することで栽培期間を伸ばすことができます。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方