トマト ジョイントレス
すずこまもジョイントレスです。
トマトにはたくさんの品種が存在しますが、
その中にジョイントレスという特徴を持ったものがあります。
このジョイントレスという特徴は、どのようなものなのでしょうか。
[トマト ジョイントレス]
■ジョイントレスとは?
まずトマトの「ジョイント」とはどの部分のことなのでしょうか。
トマトの実が、まだ枝についた状態の時によく観察してみると、
トマトの実のヘタと枝をつないでている軸の途中に、
ぽこっと膨らんだ部分があるのが分かります。
このジョイント部分はトマトの実が熟してくると、離層と呼ばれる層を形成するため、
自然と枝から離れます。
トマトの実が熟してきた時に、実を持ち上げるようにして、
膨らみを折るようにすると、ハサミも使わずに収穫することができます。
この膨らんだ部分をジョイントと呼びます。
ジョイントレスのトマトというのは、このジョイント部分がないトマトで、
最初は突然変異から生まれたといわれています。
■ジョイントレスのメリット
近年、ジョイントレスのトマトが注目されていますが、
ジョイントレスの特徴を持った品種は、おもに加工用(調理用)のトマトです。
調理用トマトでジョイントレスの品種としては「とよこま」というものが出てきています。
加工用(調理用)トマトをジョイントレスにすると、
どのようなメリットがあるのでしょうか。
・加工が楽
一般的なトマトも、熟した状態であれば、
ジョイント部を折るようにして収穫することができますが、
ジョイントレスはさらにヘタがはずれて実が収穫できます。
このメリットが、まさに加工用トマトにだけジョイントレスが採用されている理由です。
生食用のトマトは、販売時にヘタを残しておいた方が見た目も良く、
むしろヘタはずれが少ない品種もあるほどです。
ところが、加工や調理向けに栽培されているトマトの場合、ヘタがついた状態だと、
まずはヘタをはずす作業を行ってから、加工・調理する必要があります。
この一手間を省くことができるのが、ジョイントレスのメリットです。
1個か2個調理するだけなら、ジョイントレスでなくても手間ではありません。
けれど、一度にたくさんのトマトを使って加工する場合は、
ヘタをはずす作業に手間と時間がかなりかかるので、
ジョイントレスはとても画期的な特徴なのです。
・ハサミからの感染防止
ジョイントレスのトマトは、収穫の時にヘタがはずれた状態となります。
そのため、わざわざハサミを使って枝から切り離す必要がありません。
トマト栽培では、ハサミを使うと、ハサミから病気などの菌が入り込むことがあります。
もともとハサミを使わなければ、病気にかかるリスクを回避することができるのです。
・熟すまで落果しにくい
ジョイントレスのトマトは、離層部がないため、熟しても落果しにくい性質があります。
一般的なトマトの場合も、健全に育っているのであれば、
熟すまで落果することはあまりありません。
けれど、熟したことに気づかないうちに、
落果して実が割れてしまうということも少なくありません。
ジョイントレスのトマトの場合は、実が熟したとしても落果しにくく、
収穫の時は手で軽くもぐだけでヘタがはずれます。
また、多くの加工用や調理用のトマトは、樹上完熟させて収穫するのが基本です。
樹上完熟させた調理用トマトは、リコピンの含有量が高く、甘みと旨みも濃厚になります。
しっかりと樹上で熟させてから収獲したい調理用トマトにとっては、
落果しにくい性質もメリットとなるのです。
しゅほうは、おいしい調理用トマト
■ジョイントレスのデメリット
ジョイントレスにはメリットがたくさんありますが、
一般的な生食用トマトの場合だと、どうしても見た目の問題が出てきます。
赤いトマトに緑のヘタがついていることで、販売時の見た目が良いと感じられます。
日本ではまだまだ加工用(調理用)のトマトの販売が少ないので、
ヘタがないトマトのメリットが理解されない場合も多いのが現状です。
スーパーや百貨店などで、
ごくたまに加工用(調理用)の生のトマトを見かけることがありますが、
ヘタなしであるため、生食用のトマトを見慣れている人からすると、
少し異様に見えるのかもしれません。
今後、加工用(調理用)トマトの需要が高まることで、
ヘタなしトマトへの理解も出て、
ジョイントレスのデメリットも減ることが期待されます。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方