すずこま

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すずこま

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すずこま

 

すずこまは、農研機構東北農業研究センターが開発した、調理用トマトの品種です。

 

日本ではあまり見かけない調理用トマトですが、
このすずこまは調理用トマトの中でも、画期的な特徴の品種です。

すずこまの特徴と、栽培のコツなどをご紹介します。

 

 

[すずこま]

 

 

◎日本では珍しい調理用トマト
日本では調理用トマトの販売はまだ珍しく、トマトといえば生食用が基本です。
けれど、海外ではマーケットでも調理用トマトがたくさん並んでいて、
用途や料理によって、品種を選んで使うほどポピュラーな野菜です。

 

すずこまは、煮炊きに向いた調理用トマトで、
焼いたり煮たりしても煮崩れしにくく、
また余計な水分が出て味が薄まることがありません。

 

さらに、火を入れても鮮やかな赤色が褪せることがなく、キレイに残ります。

 

1個の実は40gほどで、中玉トマトと同じくらいのサイズですが、
生の状態でははっきりとした味わいはかんじられません。

 

日本で人気のミニトマトや中玉トマトの場合、
甘酸っぱさが全面に出ているものが多いですが、
調理用トマトは生のままでは味がはっきりしないと感じるものが多いです。

 

すずこまも同じで、糖度はそれほど高くなく、酸味も強くありません。
けれど火を通すと、水分が飛んで味や香りが濃厚になり、旨みが生まれます。

 

短い楕円形をしているので、そのまま一口で食べられるサイズですが、
生で食べるよりも加熱調理した方が、ずっとおいしく食べられる品種なのです。

 

ただ、すずこまの場合、調理用トマトといっても、加熱専用ではありません。
カットしてドレッシングなどでを使ってマリネにすると、とても美味しくなります。

 

そのため、調理用トマト品種でありながら、
生でも食べられる便利で面白い品種となっています。

 

ただし、生食する時は、ぜひドレッシングなどを使って調味してください。
加熱調理だけでなく、色々な工夫で、さらに料理の幅が広げられます。

 

 

 

 

◎コンパクトで密植栽培が可能
すずこまは芯止まり性の性質を持っているため、株姿がとてもコンパクトです。
芯止まり性の特性で、縦に伸びにくく、背丈が伸びないというものがあります。

 

すずこまはこの性質がとても強く、脇芽の発生も強くないため、
ほぼ放任状態で育てることができます。

 

また、もともとすずこまは、養液栽培向きに作られた品種です。
養液栽培では、低段栽培を行います。

 

低段栽培を行うことにより、開帳性のある芯止まり性でありながら、
株間30cmほどの密植栽培が可能となります。

 

ただし、低段栽培を行う場合は、低段で栽培が終了となるので、
ワンシーズンに何度か新しい苗を植え替えて、何代も育てるようにします。

 

一見すると相当な労力が必要に見えますが、芯止まり性の品種には、
収穫のピークを迎えた後は、終了が早い場合が多いのです。

 

この場合、収穫のピークを何度も起こして収量をアップさせるために、
低段栽培を行い、株を植え替えて更新する方法が合っているのです。

 

 

 

 

◎ジョイントレスで省力栽培
すずこまは、調理用トマトの中でも、さらに珍しい特性を持っています。
それが、ジョイントレスです。

 

トマトの実のヘタの部分をよく見てみると、ヘタから枝へとつながる途中に、
ぽこっと少し膨らんだ部分があります。

 

この部分がジョイントです。

 

 

 

このジョイント部分は、実が熟してくると、はずれやすくなります。

 

生食用トマトの場合、ヘタ付きが、販売時においしく見えるということで、
ジョイントがきちんと機能し、ヘタがはずれにくい性質を持ったものも多いです。

 

ところが、調理用トマトは、利用する時には必ずヘタを取り除きますし、
一度に使うトマトの量が多いため、ヘタをはずすだけでも手間がかかります。

 

栽培する側としても、収穫時にハサミを使ったり、
ヘタがとれないように注意しながらの収穫は骨が折れます。

 

ジョイントレスのトマトは、熟したところを見計らい、
手で軽くもぐようにするだけで、ヘタが簡単にはずれて収穫できます。

 

つまり、収穫したトマト側には、ヘタが残りません。
そのため、ヘタをはずさなくてもすぐに加工に入れるため、手間が省けます。

 

収穫する時も、ハサミを使ったり、
ヘタの先が実を傷つけたりしないよう注意する必要もないため、
省力栽培が可能となります。

 

 

トマトのカレー、夏バテにも効果的です

 

 

■特徴

 

・1個40gほどの調理用トマトの品種です。
・加熱調理に向く品種で、加熱しても色が抜けず鮮やかな赤が残ります。
・加熱しても煮崩れしにくく、
ピザのトッピングや詰め物をしてグリルにするのに向きます。
・生のままでは糖度も酸味も強くありませんが、
加熱調理することで味が凝縮され、旨みが増します。
・すずこまは調理用トマトですが、ドレッシングなどと合わせることで、
生でもおいしく食べられます。
・芯止まり性なので、放任栽培や養液栽培による低段密植栽培が可能です。
・ジョイントレス品種なので、収穫時や調理時の手間が減ります。
・萎凋病、半身萎凋病に抵抗性があります。
・夏が最盛期の雨よけ栽培の他、トンネルを使った無加温早熟栽培、
抑制栽培、促成栽培も可能です。

 

 

すずこまのピザは、一回食べたらやみつきになります

 

 

■栽培のコツ

 

・芯止まり性のため、立性の品種とは仕立てが異なります。
・第一花房は確実に着果させ、その後の草勢を安定させます。
・接ぎ木を利用する場合は、台木にTm-1型のLS-89やBF興津101号を適します。

 

*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。

・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方


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