トマト ガス障害
トマト栽培を始める時、土作りなどを行いますが、
この時に注意したいのがガスの発生です。
土作りのやり方を間違えると、ガスが発生し、トマト栽培に影響することがあります。
トマト栽培で起こるガス障害には、どのようなものがあるのでしょうか。
[トマト ガス障害]
■アンモニアガス
・発生原因
アンモニアは、未発酵の有機物肥料や堆肥などを、
微生物が分解していく過程で出ます。
そのため、土作りの段階で、未発酵の肥料や堆肥を土に混ぜ込むと、
アンモニアが発生しやすくなります。
発生したアンモニアは土の中に溜まっていきますが、土がアルカリ性になっていたり、
温度が上昇することによって、土中のアンモニアがガスとなって空気中に放出されます。
このガス化したアンモニアがトマトの葉などに触れることによって、
ガス障害が引き起こされます。
・症状
アンモニアガスが触れると、葉先などに褐色のえそ斑が出ます。
この症状は、葉の表面にも裏面にもあらわれます。
土の中から放出されたアンモニアガスに触れることによって症状が出るため、
症状は下位から中位の葉に出ることがほとんどで、
生長点付近には出にくいのが特徴です。
症状としては、疫病とよく似ているので混同されることが多いです。
・対策
まずは、アンモニアを過剰に発生させないことが先決です。
土作りの際に使う有機質肥料や堆肥は、未熟なものは使わず、
完熟・発酵済みといった記載のあるものを使うようにします。
また、アルカリ性のものに触れることでも、アンモニアが発生します。
トマト栽培では、カルシウム補給と酸度調節のために、
苦土石灰などを加えて土を作ることが多いですが、
必要以上にたくさん加えるのは避けます。
■亜硝酸ガス
・発生原因
未熟な有機物が分解される過程でアンモニアが発生し、
そのアンモニアが分解されることによって、硝酸となります。
ところが、肥料を多量に施していたり、土が酸性になっていると、
亜硝酸菌の働きが追い付かなかったり、悪くなるため、土に亜硝酸が溜まっていきます。
土に溜まった亜硝酸は、土が酸性であったり温度が上昇することによってガス化し、
空気中に放出されます。
土の酸度がpH5.0以下であったり、ハウス栽培をしている時に、発生が多くなります。
・症状
症状はアンモニアガスによる被害とよく似ていますが、
亜硝酸ガスの場合は、中位葉に症状が集中します。
生長点に近い上位の葉には、アンモニアガスと同様に、
症状はほとんど出ることがありません。
また、えそ斑となった部分に太陽の光が当たると、白化するという特徴があります。
アンモニアガスの場合は、光に当たっても色が残るため、この点で見分けることができます。
ひどい時には、斑点があらわれず、熱湯でゆでたようになって、葉が枯れることもあります。
・対策
土の酸度調整を行い、酸性にならないようにしておきます。
極端に肥料が多いと、亜硝酸ガスの発生も増えるので、
元肥も追肥も、適量を与えるように心がけます。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方