トマト テントウムシダマシ類 

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トマト テントウムシダマシ類 

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トマトの害虫となるテントウムシダマシと食べ痕

 

 

[トマト テントウムシダマシ類]

 

 

テントウムシダマシ類は、テントウムシ科、
マダラテントウムシ亜科に属す甲虫類です。

 

テントウムシダマシ類には、国内で数種いますが、
そのうちトマトの害虫となるのは、

 

ニジュウヤホシテントウ(学名:Epilachna vigintioctopunctata Fabricius)と、
オオニジュウヤホシテントウ(学名:Epilachna vigintioctomaculata Motschulsky)です。

 

この2種のテントウムシを
「テントウムシダマシ(類)」と呼びます。
テントウムシダマシ類は主に葉を食害する害虫です。
「テントウムシ=アブラムシ類を食べる益虫」と定義される、
テントウムシのほとんどはナミテントウ(テントウムシ科テントウムシ亜科)です。

 

以下、ニジュウヤホシテントウとオオニジュウヤホシテントウを、
「この2種」と表記します。

 

 

■テントウムシダマシ類 被害

 

この2種の成虫も幼虫も、主にトマトなど葉の裏側から食害します。

 

食害の特徴は、表皮や葉脈を残して網目状になり、透けた葉になることです。
食害された葉は、しだいに褐色になり、縮れて枯れてしまいます。

 

被害が大きくなると、トマトの花や茎までも食害されることがあります。

 

 

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こちらが益虫のナナホシテントウ

 

 

■テントウムシダマシ類 生態

 

この2種の成虫と幼虫の好物は、アブラムシではありません。
この2種はナス科の植物の葉が好物で、寄主作物を渡り歩く害虫です。

 

●寄主作物
ナス科:ナス、トマト、ピーマンなど

 

●生息範囲
同じナス科の植物を食べる二種ですが、生息範囲に違いが見られます。

 

ニジュウヤホシテントウは、
関東南部をはじめ、東海、近畿、山陽、四国、九州といった、
暖かい地方に生息しています。

 

オオニジュウヤホシテントウは、
北海道、東北、北陸、山陰、高原など
気温の低い地域に生息しています。

 

生息範囲の境目は、年平均気温14℃の等温線といわれています。

 

●生態
この2種は、木の割れ目や石の下などで成虫で越冬します。
越冬する成虫を越冬世代と言います。

 

この2種の越冬世代の成虫は、
気温が15℃前後(4~5月)になると、活動を開始します。

 

4~5月といえば、暖地や中間地では、
ナス科の作物のジャガイモが圃場で栽培中の時期に当たります。

 

また、ナス科の植物のキダチチョウセンアサガオは常緑樹で、
この2種の寄主作物でもあります。

 

じゃがいもやキダチチョウセンアサガオといった、
ナス科の植物にこの2種の越冬世代が飛来し、
目立たない下葉の菓裏に1度に50個前後の卵を1か所に産卵します。

 

産卵数は雌1頭あたり600~700個にもなります。
卵は1週間ほどでふ化します。

 

ふ化した幼虫は、トマトなどの葉の表にはなかなか出ません。
小さいうちは集団で食害しますが、大きくなると分散して食害します。

 

20日ほどの幼虫期間を経て蛹になります。
蛹の期間は1週間弱です。

 

越冬世代の産んだ世代を第一世代と言いますが、
第一世代は5週間ほどで成虫になります。

 

暖地では第一世代がトマトやナスやピーマンなどの圃場に飛来します。
第一世代は食害し、葉の裏側に第二世代を産卵します。

 

ふ化した第二世代の幼虫は、トマトなどのナス科植物の葉や果実を食害し、
8~9月に成虫になります。

 

この第二世代の成虫は、羽化後しばらくナスなどのナス科の圃場で食害したのち、
越冬場所に飛び去り、翌年の越冬世代となります。

 

 

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害虫のテントウムシダマシ

 

 

■テントウムシダマシ類 対策
この2種は、冬場の寒い時期と蛹のときだけ食害しません。
始末に負えないと思われるかもしれませんが、
生態や習性を利用した対策や駆除を行います。

 

 

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ソルゴー

 

 

●定植前の対策
近隣のナス科の植物を伐採・除草できる場合は、定植前に始末しておき、
近隣からの成虫の飛来機会をあらかじめ排除しておきます。

 

近隣の畑や野原などにナス科の植物があり、
伐採・除草などができない場合は、
障壁作物(ソルゴーデントコーンなど)を利用し、飛来を防ぎます。
*障壁作物は、丈が伸びる植物を畑の周り植え付け、
障壁をつくることで、畑に飛んでくる害虫を防除する作物です。

 

障壁作物を植えられない場合は、
防虫ネットを利用し、侵入や産卵を防ぐ方法もあります。

 

●定植後の対策
近隣のトマト畑や野原などにナス科の植物があり、伐採・除草などができず、
障壁作物や防虫ネットを利用しない場合は、

この2種の成虫が飛来することを想定し、普段から葉の裏などをチェックします。

 

成虫を見つけた場合、すぐに捕殺します。
卵・幼虫・蛹を発見した場合は、卵の付いた葉とともに圃場外で処分します。

 

成虫の飛来が多く捕殺が間に合わない場合は、迷わず薬剤を使います。
薬剤は葉の裏に丁寧に散布します。

薬剤の散布は、幼虫の分散前に行なうのが効果的です。

 

*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。

・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方


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トマト 病害虫 生理障害

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