甘っこ
甘っこ
甘っこは、丸種株式会社が改良して作った、ミニトマトの品種です。
ころころとしていて甘いミニトマト、
甘っこの特徴と栽培のコツをご紹介します。
[甘っこ]
◎甘酸っぱく粒ぞろいが良い
甘っこは、球形~ややたまご型の形をしています。
粒の形には多少の差がありますが、大きさはよく揃うのが特徴です。
つやのあるこっくりとした赤色をしていて、食欲をそそります。
食べてみると、肉質がとてもしっかりとしていて、濃厚な旨みがあります。
糖度も8度~10度と高く、適度な酸味も加わり、甘酸っぱくて食べ飽きません。
糖度が高く酸味もあるため、フルーツのような食味でおいしいです。
ミニトマトが少し苦手な方でも、
フルーツのようにそのまま気軽に食べられる品種です。
肉質が硬く、熟しても裂果しにくい性質があるため、
茎につけた状態で完熟まで栽培できます。
樹上で熟したミニトマトは、早い段階で収穫して追熟したものに比べて、
甘みや旨み、栄養がたっぷりと詰まっています。
育てやすい品種でもあるので、家庭菜園で育てる際は、
完熟まで待ってから収穫してみてください。
◎1段につく着果数が多い
甘っこは草勢がやや強い品種です。
草勢が強いと、どうしても異常茎の発生が多くなりがちですが、
甘っこはめがね茎などの異常茎の発生が少ないです。
草勢の強さは、着果数に出やすいのが甘っこの特徴です。
1段で20個~40個の実を収穫できるというのです。
花房はシングルとダブルが混在しやすいタイプで、
低段ではシングルが多くなります。
株が充実してくる中段以降にダブルが発生しやすくなり、
ダブル花房になっても着果率が落ちにくく、
実の肥大性も良いので、結果として多収穫になります。
株を充実させスタミナを維持することで、
栽培後半までしっかりと実をつけ、長期間の収穫が可能になります。
甘っこの接ぎ木苗もあります
◎栽培中は茎の太さに注目
甘っこはやや草勢の強い性質がありますが、あまり放任してしまうと、
草勢が強く出過ぎてしまい、栽培している時期や環境によっては、
裂果を助長することがあります。
甘っこは広い作型で栽培が可能ですが、
その中でも特に、5月~6月に播種を行うハウスの抑制栽培などでは、
栽培初期の草勢を抑え気味にするのがポイントです。
草勢が強く出過ぎると、茎が太くなりやすいですが、
これを細めの茎になるように調整し裂果を防ぎます。
こうすることで、栽培初期の株間を確保し、
光をまんべんなく当てることができます。
栽培初期に採光を確保できれば、しっかりとした株を作ることができるため、
栽培後半に向けてスタミナを維持することができます。
このように草勢が強く出過ぎる作型の場合、
若苗を定植すると栽培初期に草勢が強くなる傾向があるため、
第一花房の開花時期を狙って定植を行います。
■特徴
・粒ぞろいの良いミニトマトです。
・赤とオレンジを混ぜたような濃い赤色をしていて、つやがあります。
・球形~ややたまご型になり、よく揃います。
・糖度は8度~10度まで上がり、適度な酸味でフルーティーな味わいをしています。
・収穫後もガクが萎れにくく、見栄えが落ちにくいので、店持ちが良い品種です。
・果肉は硬めでよく締まっており、裂果が少ないです。
・1段につく実は20個~40個と多いです。
・花房はシングルとダブルが混在するタイプで、
低段はシングルが多く、中段以降ではダブルが多くなる傾向があります。
・草勢は強めですが異常茎の発生は少なめです。
・ハウス無加温栽培、雨除け栽培、ハウス抑制栽培、
ハウス促成栽培など、広い作型で栽培が可能です。
■栽培のコツ
・基本の育て方は、一般のミニトマトと同じです。
・育苗中は、やや高めの温度で管理することで、株を早い段階で充実させ、
第一花房の花数を増やすことができます。
・草勢が強く出過ぎないよう、茎を細めに管理するのがポイントです。
・特に5月~6月に播種を行う作型では、栽培初期の草勢を抑え、
栽培後半に向けて株を作ってスタミナ維持を目指します。
・若苗の定植は株の暴走を招くので避けるようにし、
第一花房が開花する頃に定植します。
・追肥は一般のミニトマトよりも少し早めに開始します。
・1段目の肥大期に株の草勢などの様子を見ながら追肥を行います。
・2回目の追肥は3段目が開花する頃です。
・3回目以降は、中段が開花した頃から、
様子を見ながら定期的に追肥を行うようにします。
・追肥が多いと、草勢が強くなって茎が太くなり、裂果などの原因になるので、
茎を細めに維持するように調整しつつ追肥を行います。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・トマト わき芽かき・摘心の方法
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・ミニトマト わき芽かき