ファイトリッチ
ファイトリッチは、タキイ種苗が出している、
機能性成分を多く含んだ野菜のシリーズです。
ファイトは、植物という意味を持つ「phyto」と、
戦うという意味を持つ「fight」の、2つの意味のファイトがかけられています。
リッチとは、従来の野菜品種に比べて、
機能性成分を豊富(rich)に含んでいるという意味がかけられています。
これらのファイトとリッチの意味を合わせ、
健康で豊かな食生活を目指すという願いが込められた、タキイ独自のブランドです。
ファイトリッチには様々な野菜が登録されていて、その中にはトマトも含まれています。
ファイトリッチにはどのような成分が含まれているのでしょうか。
また、それぞれにはどのような特徴があるのでしょうか。
[ファイトリッチ]
◎タキイのおいしい健康野菜シリーズ
ファイトリッチは、トマトに限らず、
機能性成分を豊富に含んでいる野菜品種を、シリーズとしてブランド化しているものです。
トマトの他に、ピーマンやハクサイ、ホウレンソウなど、
さまざまな野菜がファイトリッチシリーズとして登録されています。
野菜によって、多く含まれている機能性成分が違うため、
4つの色によって分けられています。
赤色のリコピン、オレンジ色のシスリコピンとカロテン、
黄色のケルセチンとルテイン、紫色のアントシアニンです。
これらの他に、GABA(ギャバ)や、
スルフォラファンといった成分を含んでいるものもあります。
◎色別の成分と効果
ファイトリッチは、赤・オレンジ・黄・紫に分かれています。
これにプラスアルファとして、GABA(ギャバ)や、
スルフォラファンといった成分が含まれていることもあります。
これらの成分は、機能性成分と呼ばれ、
健康を維持するためにとても役に立つ成分となっています。
それぞれ、どのような効果があるのかをご紹介します。
・赤
赤はリコピンを指しています。
リコピンは美白効果など、美容にも良い成分として、
女性の間ではとても注目されています。
美白効果の他には、抗酸化作用、免疫強化、
動脈硬化予防などの効果が期待できます。
油に溶けだしやすい成分のため、油を使った調理や、
油の入ったドレッシングと一緒に食べると、吸収率が良くなります。
・オレンジ
オレンジには、シスリコピンとカロテンの2種類があります。
シスリコピンは、赤のリコピンと同じですが、
赤色の成分となるリコピンと違い、オレンジ色に発色するのが特徴です。
また、効果としてはリコピンと同じですが、吸収率がリコピンの2.5倍にもなるそうです。
油との相性が良いのも、赤のリコピンと同じです。
カロテンは、緑黄色野菜に含まれている成分として有名です。
目に効果がある成分といわれていますが、他にもたくさんの効果があります。
皮膚や気管など粘膜を正常に保つ効果や、
抗酸化作用、LDLコレステロールの低下などがあります。
カロテンも油との相性が良いので、
油を使った調理や油入りのドレッシングと食べるのがお勧めです。
・黄
黄色は、ケルセチンとルテインです。
ケルセチンは、タマネギに多く含まれている成分として注目されていますが、
他の野菜にも含まれています。
血液をサラサラにするというのはよく耳にすると思いますが、
他にも抗酸化作用や動脈硬化予防、糖尿病予防といった効果もあります。
ルテインは、抗酸化作用や加齢黄斑変性症(AMD)の予防に効果があります。
ケルセチンもルテインも、ゆで汁に成分が溶け出るため、
汁ごと飲めるスープや味噌汁にして食べると良いでしょう。
・紫
紫は、アントシアニンです。
アントシアニンといえば、ブルーベリーが有名ですが、
野菜にもアントシアニンを持ったものは多くあります。
動脈硬化予防、炎症を抑える、肝機能障害の軽減、
目の健康維持など、様々な効果があるといわれています。
基本は生で食べるのが一番です。
茹でると、アントシアニンが溶け出てしまうため、
スープや味噌汁にして、汁ごと摂取するのが効果的です。
・その他
その他の成分としては、スルフォラファンとGABAがあります。
スルフォラファンは、発がん性酵素の誘導、ピロリ菌の減少に効果があります。
GABAはストレス軽減などの精神安定作用や、血圧低下作用などがあります。
どちらも成分がゆで汁に溶け出るタイプの成分なので、
スープや味噌汁など、汁ごと食べられる調理法がお勧めです。
◎トマトはリコピンとカロテン
ファイトリッチシリーズの中のトマトは、赤とオレンジに登録されています。
赤いトマトはリコピンが、オレンジのトマトには、
シスリコピンとカロテンが多く含まれているようです。
それぞれ、どのようなトマト品種が登録されているのでしょうか。
・赤(千果、フルティカ)
赤(リコピン)に登録されている品種は、千果とフルティカです。
千果はミニトマト、フルティカは中玉トマトの品種で、
どちらも家庭菜園でもとても人気があります。
育てやすいだけでなく、
このような機能性を持った品種となれば、さらに注目されそうです。
どちらも糖度が高くて甘く、トマトの持つ青臭さが少ないので、
トマトが苦手な方でも食べやすくなっています。
・オレンジ(桃太郎ゴールド、クックゴールド)
オレンジ(シスリコピン、カロテン)に登録されているのは、
桃太郎ゴールドとクックゴールドです。
桃太郎ゴールドは、日本で最も主流な大玉トマト「桃太郎トマト」の仲間で、
黄色~濃い黄色をした大玉トマトです。
クックゴールドは、中玉サイズくらいの大きさの楕円形をしたトマトで、
調理用として使える品種となっています。
桃太郎ゴールドは、糖度はそれほど高くありませんが、
トマト特有の青臭さや酸味が抑えられていて、とても食べやすい風味をしています。
クックゴールドも、青臭さが少ない品種のため、生でも食べることができます。
もちろん加熱調理も可能で、旨み成分であるグルタミン酸を多く含むため、
加熱することで旨みが増幅します。
桃太郎ゴールドもクックゴールドも、色が美しく機能性があり、
しかも育てやすいという性質を持っているので、家庭菜園でも活躍しそうです。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方