人気の投稿とページ
トマト コナジラミ
調子の悪いトマトは、葉の裏などを点検します
[トマト コナジラミ]
トマトを寄主植物とするコナジラミは、
カメムシ目(半翅目Hemiptera)コナジラミ科 (Aleyrodidae)に属する、
オンシツコナジラミ(学名:Trialeurodes vaporariorum)
タバココナジラミ(学名:Bemisia tabaci)
シルバーリーフコナジラミ(学名:Bemisia argentifolii )
の3種を総称した呼び名です。
オンシツコナジラミの名前から推察できるかと思いますが、
コナジラミはトマトのハウス栽培で重要病害虫として扱われています。
また、コナジラミ科に属する節足動物は、
植物防疫法の規定に基づき、
農林水産大臣が指定する有害動物の指定を受けています。
以下、
オンシツコナジラミ、タバココナジラミ、シルバーリーフコナジラミ
の3種を指し示すとき、
「オンシツコナジラミとタバココナジラミとシルバーリーフコナジラミ」と表記せず、
「この3種」と表記します。
コナジラミの被害にあうトマト
■コナジラミ 被害
この3種からトマトが受ける被害は、一次被害と二次被害があります。
一次被害は、吸汁による成長阻害です。
二次被害は、2つあります。
二次被害の一つめは、吸汁されることで、
黄化葉巻ウイルスなどウイルス病の伝播をひきおこすことがあります。
二次被害の二つめは、
コナジラミの出す排泄物(甘露)にすす病がでることがあります。
トマトがすす病になる条件ですが、
まず、かび(糸状菌)の一種のすす病菌が圃場にあり、
コナジラミの排泄物があることです。
次に、すす病菌の活動が活発になる温度などの条件がそろうと、
すす病が発生します。
すす病にかかった葉は黒っぽくなり、光合成ができなくなります。
またすす病にかかったトマトの実も黒っぽくなり、商品価値が下がります。
一度すす病が発生すると、
すす病の発生条件が維持される限り、発生し続けます。
■コナジラミ 生態
●コナジラミ 寄主作物
この3種は寄主範囲がかなり広い害虫です。
アブラナ科:ダイコン、キャベツ、
ナス科: ジャガイモ、トマト、ナス、ピーマン、
ウリ科:キュウリ、メロン、スイカ、カボチャ、
トウダイグサ科:ポインセチア
マメ科:インゲン、
バラ科:イチゴ、バラ、
ヒユ科:ホウレンソウ、
キク科:キク、ガーベラ
アオイ科:ハイビスカス
この他にも多くの雑草に寄生します。
●コナジラミ 生態
成虫はトマトの若葉に寄生します。
交尾した雌成虫は葉の裏に産卵します。
孵化した1齢幼虫は歩行移動ができます。
適当な摂食場所まで移動すると、
蛹まで固着生活に入り、羽化して成虫になります。
成虫が生長点付近に群がっているとき、
たいていその下の葉には卵や幼虫・蛹といった、
各ステージでの寄生がみられます。
活動適温は25~30℃です。
気温が24℃下で、卵の期間が7日、
幼虫から蛹の固着生活期間が2週間で、成虫になります。
寄主作物により発育期間は変動します。
成虫の平均寿命は35日前後です。
雌1頭当たり、100~250 個ほど産卵します。
発生は活動適温からもわかるように、秋季に多くみられます。
野外では年3回前後、施設内では年10回以上、発生すると考えられます。
本種は休眠しません。
氷点下では致死しますが、
5℃程度の気温があると20日以上生存できる研究報告があり、
暖かい地方では、冬場でも露地でキク科雑草などに寄生して、
越冬していると思われます。
●コナジラミ バイオタイプ
タバココナジラミバイオタイプBや
タバココナジラミバイオタイプQという名前を、
聞いたことがありますか?
バイオタイプとは、
「見た目だけではお互いに区別できないけれども、
寄主植物や生理的、生態的な性質が異なるもの」
を示す言葉です。
タバココナジラミバイオタイプQと B は、
黄化葉巻ウィルスを媒介します。
しかし在来の煙草コナジラミ(バイオタイプ不明)は、
黄化葉巻ウィルスを媒介しません。
また、バイオタイプQは多くの殺虫剤抵抗性が発達しています。
なお、バイオタイプBはシルバーリーフコナジラミのことです。
コナジラミの天敵の蜘蛛
コナジラミの天敵のカマキリ、大切にしましょう!
■コナジラミ 対策
●定植前の対策
・圃場近くの雑草は、
発生源になる場合があるので、こまめに除草します。
・トマト育苗中に寄生されないよう、
育苗床を寒冷紗などで覆い、成虫の侵入を防ぎます。
・寄生されたトマト苗の持込み防止のため、
定植前に葉の裏をチェックし、
寄生された苗は絶対に圃場へ持込まないようにします。
●定植後の対策
・幼虫寄生の多いトマト下葉を除去して、コナジラミ類の密度を下げます。
・密度が高くなってからでは防除効果がでないことが多いので、
低密度のうちに防除を行います。
●コナジラミ対策 成虫編
・コナジラミの成虫は黄色が大好きなので、
黄色の粘着テープで駆除します。
・コナジラミの成虫は飛来するので、
目の細かい防虫ネット(0.4mm以下)で株全体を覆い産卵を防止します。
●コナジラミ対策 天敵
オンシツツヤコバチ、チチュウカイツヤコバチ、サバクツヤコバチ
の3種のツヤコバチは、膜翅(まくし)目ツヤコバチ科Aphelinidae、
に属す昆虫です。
体長は大きくても1.5mmの小形の寄生バチです。
多種の昆虫に寄生する天敵です。
これら3種のコナジラミの天敵を生物農薬として販売していますが、
在来種ではないので、施設栽培での利用に限られます。
では在来種のコナジラミの天敵は?
・リュウキュウツヤテントウ(学名:Serangiumryukyuense)
沖縄の在来種で本土にはいません。
・ヨコスジツヤコバチ(学名:Encarsiasophia)
コナジラミ対策で出てくる天敵名ですが、
どこに分布しているか、不明です。
・ツヤコバチの仲間3種
(学名:Encarsiajaponica,Encarsiasp.,Eretmocerussp.)
3種ともに和名と分布地域も不明です。
・昆虫寄生菌の仲間 (学名:Paecilomyces fumosoroseus)
和名と分布地域も不明です。
・タバコカスミカメ(学名:Nesidiocoris tenuis)
カスミカメムシ科の雑食性の昆虫で、トマトを食害することも。
世界各地に分布しています。
・蜘蛛やカマキリ
成虫の天敵です。
*コナジラミの画像はこちらから
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方
トマト テントウムシダマシ類
トマトの害虫となるテントウムシダマシと食べ痕
[トマト テントウムシダマシ類]
テントウムシダマシ類は、テントウムシ科、
マダラテントウムシ亜科に属す甲虫類です。
テントウムシダマシ類には、国内で数種いますが、
そのうちトマトの害虫となるのは、
ニジュウヤホシテントウ(学名:Epilachna vigintioctopunctata Fabricius)と、
オオニジュウヤホシテントウ(学名:Epilachna vigintioctomaculata Motschulsky)です。
この2種のテントウムシを
「テントウムシダマシ(類)」と呼びます。
テントウムシダマシ類は主に葉を食害する害虫です。
「テントウムシ=アブラムシ類を食べる益虫」と定義される、
テントウムシのほとんどはナミテントウ(テントウムシ科テントウムシ亜科)です。
以下、ニジュウヤホシテントウとオオニジュウヤホシテントウを、
「この2種」と表記します。
■テントウムシダマシ類 被害
この2種の成虫も幼虫も、主にトマトなど葉の裏側から食害します。
食害の特徴は、表皮や葉脈を残して網目状になり、透けた葉になることです。
食害された葉は、しだいに褐色になり、縮れて枯れてしまいます。
被害が大きくなると、トマトの花や茎までも食害されることがあります。
こちらが益虫のナナホシテントウ
■テントウムシダマシ類 生態
この2種の成虫と幼虫の好物は、アブラムシではありません。
この2種はナス科の植物の葉が好物で、寄主作物を渡り歩く害虫です。
●寄主作物
ナス科:ナス、トマト、ピーマンなど
●生息範囲
同じナス科の植物を食べる二種ですが、生息範囲に違いが見られます。
ニジュウヤホシテントウは、
関東南部をはじめ、東海、近畿、山陽、四国、九州といった、
暖かい地方に生息しています。
オオニジュウヤホシテントウは、
北海道、東北、北陸、山陰、高原など
気温の低い地域に生息しています。
生息範囲の境目は、年平均気温14℃の等温線といわれています。
●生態
この2種は、木の割れ目や石の下などで成虫で越冬します。
越冬する成虫を越冬世代と言います。
この2種の越冬世代の成虫は、
気温が15℃前後(4~5月)になると、活動を開始します。
4~5月といえば、暖地や中間地では、
ナス科の作物のジャガイモが圃場で栽培中の時期に当たります。
また、ナス科の植物のキダチチョウセンアサガオは常緑樹で、
この2種の寄主作物でもあります。
じゃがいもやキダチチョウセンアサガオといった、
ナス科の植物にこの2種の越冬世代が飛来し、
目立たない下葉の菓裏に1度に50個前後の卵を1か所に産卵します。
産卵数は雌1頭あたり600~700個にもなります。
卵は1週間ほどでふ化します。
ふ化した幼虫は、トマトなどの葉の表にはなかなか出ません。
小さいうちは集団で食害しますが、大きくなると分散して食害します。
20日ほどの幼虫期間を経て蛹になります。
蛹の期間は1週間弱です。
越冬世代の産んだ世代を第一世代と言いますが、
第一世代は5週間ほどで成虫になります。
暖地では第一世代がトマトやナスやピーマンなどの圃場に飛来します。
第一世代は食害し、葉の裏側に第二世代を産卵します。
ふ化した第二世代の幼虫は、トマトなどのナス科植物の葉や果実を食害し、
8~9月に成虫になります。
この第二世代の成虫は、羽化後しばらくナスなどのナス科の圃場で食害したのち、
越冬場所に飛び去り、翌年の越冬世代となります。
害虫のテントウムシダマシ
■テントウムシダマシ類 対策
この2種は、冬場の寒い時期と蛹のときだけ食害しません。
始末に負えないと思われるかもしれませんが、
生態や習性を利用した対策や駆除を行います。
ソルゴー
●定植前の対策
近隣のナス科の植物を伐採・除草できる場合は、定植前に始末しておき、
近隣からの成虫の飛来機会をあらかじめ排除しておきます。
近隣の畑や野原などにナス科の植物があり、
伐採・除草などができない場合は、
障壁作物(ソルゴーやデントコーンなど)を利用し、飛来を防ぎます。
*障壁作物は、丈が伸びる植物を畑の周り植え付け、
障壁をつくることで、畑に飛んでくる害虫を防除する作物です。
障壁作物を植えられない場合は、
防虫ネットを利用し、侵入や産卵を防ぐ方法もあります。
●定植後の対策
近隣のトマト畑や野原などにナス科の植物があり、伐採・除草などができず、
障壁作物や防虫ネットを利用しない場合は、
この2種の成虫が飛来することを想定し、普段から葉の裏などをチェックします。
成虫を見つけた場合、すぐに捕殺します。
卵・幼虫・蛹を発見した場合は、卵の付いた葉とともに圃場外で処分します。
成虫の飛来が多く捕殺が間に合わない場合は、迷わず薬剤を使います。
薬剤は葉の裏に丁寧に散布します。
薬剤の散布は、幼虫の分散前に行なうのが効果的です。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方
トマト栽培キット
トマト栽培キット(楽天市場)
トマト栽培は、家庭菜園でも、とても人気がありますね。
最近では、さらに気軽にトマト栽培を始められるよう、
様々な種類の栽培キット、セットが販売されています。
しっかりとした大玉トマトを始め、
可愛らしいミニトマトやハート型のミニトマトを育てるキットや、
室内に飾っても楽しめるインテリア性の高いものまであります。
ここではお勧めのトマト栽培キットをご紹介します。
■トマト栽培キット
こちらは不織布でできたプランターと土のセットです。
普通、プランターというとプラスチック製のものを思い浮かべますが、
こちらは不織布を使って作られているため、
軽い上に使わない時はぺたんこにたたむことができます。
使用していない時は、省スペースで収納できるのでとても便利です。
大玉トマトやミニトマトが、1株ちょうど育てられる、
サイズの大きさに作られているので、サイズ選びに迷いません。
不織布プランターの側面には水抜き穴がきちんと開いているため、
過湿によってトマトが傷むのを防いでくれます。
こちらのお店では、不織布プランター・鉢底石・トマト専用培養土・
組み立て式支柱がセットになっています。
苗はセットになっていないので、好きな苗を購入して育てることが可能です。
トマト栽培といえば、鉢やプランターが必要になりますが、
こちらは培養土の入っている袋がそのまま鉢の代わりになる優れものです。
トマトをイメージした袋は可愛らしいので、テンションが上がります。
トマトに最適な土、トマトに最適な肥料、トマトに必要な支柱と、
すべてトマト栽培にとって必要なものなので、ひとそろいあるととても便利です。
苗は付属されていないので、お好きな苗を植え付けて育てることができます。
土の量が少し少ないため、ミニトマト栽培の方がお勧めだそうです。
トマトにとまと(培養土、鉢代わりの袋)・肥料・支柱・結束帯がセットに含まれています。
ハート型のミニトマトが栽培できるキットです。
ミニトマトを育てるキットは色々ありますが、
最近は雑貨店などにも置かれる、インテリア性の高いものが出ています。
こちらの商品もその1つで、麻布で作ったようなミニトートバッグを、
鉢カバーのようにして、ミニトマトを育てます。
室内はもちろん、屋外に置いていても素敵です。
ベランダに棚を設置し、育てれば、おしゃれな雰囲気になります。
ベランダマルシェのシリーズには、プチトマト以外にも、
ミズナやコナスなどもあるので、シリーズで集めて育てても楽しそうです。
種から育てるため、じっくりと育てたい方にお勧めです。
トートバッグ・防水ライナー(鉢代わり)・膨らむ土・種・説明書のセットです。
ブリキの缶で育てるキットです。
トマト単体で育てるキットが多い中、
こちらはハーブとミニトマトを同じ容器で一緒に育てることができます。
ココヤシを粉砕して作った膨らむ土に種を播き、ハーブとミニトマトを育てます。
種類がいくつかあり、ミニトマトはミニトマト&スイートバジルか、
ミニトマト&コリアンダーが選べます。
1つの容器で両方育てるとなると不安になりますが、
固形の土がそれぞれに分かれているため、根が喧嘩することもありません。
長方形のブリキ缶もかっこよく、育てている間も、
育て終わった後もインテリアとして置いておけます。
ブリキ缶(鉢代わり)・膨らむ土・種・説明書がセットになっています。
室内、ベランダどちらでも映えます。
手軽に水耕栽培ができるキットとして人気の高いペットマトシリーズに、
新しくグリーティングができました。
ペットマト本体を水に入れたペットボトルに挿すことで、
本体が水を吸いあげて植物を育ててくれるシステムです。
必要な時に水や液体肥料を足して育てるため、気軽にチャレンジできます。
種から育てるのは難しそうと感じるかもしれませんが、
常に水分が上がって乾くことがないので、
発芽できない原因である乾燥を回避することができます。
ペットマトの中でも、こちらのグリーティングは、
本体をパッケージのまま切手を張って投函すれば、
郵送されるようにデザインされています。
ペットマト本体(組み立て式)・パッケージ・種・アップサンド・
微粉肥料・軽量スプーンがセットになっています。
準備するのは空のペットボトルと水だけなのも嬉しいところです。
ミニトマトを栽培するキットは、コンパクトな矮性品種を育てるのが基本です。
こちらは矮性ではなく、普通の背丈が高くなるミニトマトを栽培するためのキットです。
かなり本格的な水耕栽培キットなので、他と比べると値段が高いですが、
専用の液体肥料を薄めた養液に常に酸素が入るよう、
循環器などもセットに含まれています。
ここまで本格的なキットを一から少しずつ買おうと思うと、難しいですが、
こちらは初心者用のセットなのですぐに栽培を始めることができます。
うまく育てれば、土栽培よりもたくさん収穫できるのも魅力です。
本体・肥料・栽培鉢・培地・空気混入器・循環ポンプ・うき・
支柱支持枠・説明書がセットになっています。
支柱は付属されていませんので、必要になった時に準備が必要です。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方