降雨時の植え付け
トマト、ナス、キューリなど夏野菜の苗を植え付ける時、
時期によっては雨が続くこともあります。
植え付けが遅くなると生長に影響するので、
雨の中でも植え付け作業をすることがあります。
けれど、雨が降っている時に植え付けすると、
さまざまな問題が出てきますのでご案内しましょう。
[降雨時の植え付け]
■降雨時の植え付けの問題点
雨が降っている時の植え付けは、やはり良いことではありません。
植え付け後にも水を与えるなら、最初から地面が濡れていた方が良いのでは?
と思うかもしれません。
けれど、降雨時に植え付けを行うことで、リスクが増えてしまうのです。
降雨時の植え付けの問題点をまとめました。
1.地温が下がりやすい
トマトなどの夏野菜を植え付けるのは、4月下旬頃からとなります。
この時期は、暖かくなってきたとはいえ、雨や曇りの日は冷えることがあります。
トマトはやや低温に強いですが、暖かい日と寒い日では植え付け時のストレスが違います。
雨が降ることで地温が下がってしまうと、地温が十分に上がっている時に比べて、
どうしても根づくのに時間がかかり、苗の活着が遅れてしまいます。
マルチをしている場合も同じで、日が照っていない雨の日は、
地温が下がりやすいので注意してください。
せっかくの畑や用土も、雨で固まりやすくなっています
2.土が硬くなりやすい
雨で土が濡れている時に、植え付けなどの作業をして土をいじると、
土をこねる状態となります。
土をこねると、粒子に適切な隙間がある団粒構造がつぶれ、水はけが悪くなります。
水はけの悪くなった土では、新鮮な水や空気が入り込みにくく、過湿の原因にもなります。
トマトは水はけの良い土の方が育てやすいので、雨の日の植え付けは危険です。
プランター栽培なら軒下などに移動して作業します
3.根張りが悪い
雨が降っていることで、土が固まりやすくなっています。
土が硬い状態では、植え付けた後の根付きも悪くなり、根の伸びも悪くなります。
植物が大きく元気に育つためには、根張りの良し悪しが大きく関係します。
4.病気が発生しやすい
降雨時に植え付けをすると、土の中に潜んでいる病原菌が活発になります。
植え付け時に根を傷めると、そこから活発になった菌が入り込み、
そのままトマトの苗が調子を崩してしまうこともあります。
■降雨時に植え付けてしまったら
いくら気を付けていても、貸農園や自宅と離れた場所で育てる場合、
週末だけなど限られた時間内に作業をしなくてはいけないこともあります。
また、雨の日は避けることができても、前日まで雨が降っていて、
土が濡れているということもあるでしょう。
もし降雨時に植え付けをしてしまった場合には、
生育が悪くならないように対処しておきましょう。
・土をこねない
降雨時、あるいは土がかなり濡れた状態で植え付けを行う時、
できるだけ土をこねないようにすることが大切です。
土をスコップなどで余分に動かすと、それだけ土がこねられる状態となり、
粘土質のような水はけの悪い土となってしまいます。
植え付け時に土をほとんどいじらないようにするためには、
植え付け前に土作りを終え、元肥や堆肥など必要なものは土に混ぜ込んでおきます。
また、畝を作った後にビニールマルチなどで畝を覆っておくと、
植え付け前に土が固まるのを防ぐことができます。
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・地温を下げない
土が水に濡れた状態が続くと、地温が下がりやすくなります。
雨が降っていない時でも、曇っていたり気温が低い時は、地温の低下に注意します。
畝にビニールマルチなどを張るのも有効ですが、
ホットキャップなどをかぶせて保温するのも効果があります。
・株元を中耕する
植え付け時に雨が降っていると、どうしても土が硬くなります。
株元付近の土が硬いと、植え付け後の活着が悪くなるので、中耕をします。
あまり深くまで耕すと、根を傷めるので、表面を軽く耕すだけで構いません。
・土壌改良のための特肥
土の状態が悪くなっているので、高分子の土壌改良材を施すのが良いです。
「エポック」や「地楽園」といったものを、規定通りに薄めて潅注しておきます。
こうしておくことで、土が活性化し、
トマトが育ちやすい環境に戻りやすくなります。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方