調理用トマトは輪作か接ぎ木苗を
生食、加熱用も楽しめるシシリアンルージュ
調理用トマトを育てる時は、輪作が接ぎ木苗を利用するのがお勧めです。
なぜ連作や自根苗ではいけないのでしょうか。
その理由や、輪作と接ぎ木苗以外の対策法もご紹介します。
*調理用トマトのおすすめは、こちらをご覧ください。
>>調理用トマト おすすめは?
[調理用トマトは輪作か接ぎ木苗を]
■調理用トマトは病気にかかりやすい?
調理用トマトは、特別病気にかかりやすいというわけではありません。
もちろん、海外から輸入された品種の中には、
日本の気候が合わず、病気にかかりやすいものもあります。
けれど、環境さえ合っていれば、それほど病気にかかることはありません。
ところが、連作を続けていると、いくら丈夫なトマトであっても、
病気にかかりやすくなるのです。
連作とは、同じ場所で同類の植物を育てることで、
トマトの場合はトマトだけでなく、他のナス科の野菜(ナスやジャガイモなど)、
を育てた場所でトマトを育てると、連作となります。
トマトに限らず、連作を続けると連作障害が出やすくなると言われていますが、
この連作障害の1つが、病気に感染しやすくなるということです。
同じ場所で同じ植物を育てることにより、
その植物がかかりやすい病原菌がそこに集中するようになります。
そのため、特定の場所での菌濃度が高くなり、病気にかかりやすくなるのです。
センチュウなどの害虫も、連作を続けることで増えていき、
被害が出やすくなります。
つまり、調理用トマトが特別病気にかかりやすいというわけではなく、
連作を続けることで病気にかかりやすくなるのです。
この点では生食用トマトも同じなのですが、
生食用トマトの場合、日本でも改良が進み、耐病性を持った品種が多数あります。
それに比べて調理用トマトは、日本での知名度が低く、改良が進んでいません。
そのため、病気への抵抗性が少なく、連作による病気感染の可能性が高いのです。
輪作している農家
■調理用トマトは輪作か接ぎ木苗を
調理用トマトは、生食用トマトに比べてまだ改良が進んでおらず、
耐病性や抵抗性のある品種が少ないです。
その分、連作をすると病気にかかるリスクが高くなります。
病気を回避するために必要なのが、輪作が接ぎ木苗を使った栽培です。
輪作は、同じ場所で続けて同じ植物を栽培せず、場所を移動して栽培する方法です。
栽培する場所を移動するので連作障害が起きにくくなります。
ただ、栽培するスペースが限られている場合、輪作をするにも限度があります。
また、ハウスなどの施設を利用した栽培となると、
同じ場所での栽培を余儀なくされます。
この場合にお勧めなのが、接ぎ木苗を使った栽培です。
調理用トマトそのものの苗を使うと、土に触れている根から病原菌が侵入し、
感染する可能性が高まります。
病気に対して抵抗性を持っている台木を使って接ぎ木苗を作ることにより、
病気に弱い調理用トマトの品種であっても、病気への抵抗性が出てきます。
ただこの場合は、根に抵抗性があっても、地上部の枝葉には抵抗性がありません。
泥の跳ねあがりによる病気感染や、害虫媒介による病気感染に関しては、
別の方法で防除する必要があります。
トマトの接ぎ木苗
■輪作と接ぎ木苗以外の対策法
輪作と接ぎ木苗で、ある程度の病気予防が可能となります。
けれど、これだけでは不十分です。
特に接ぎ木苗を使って連作をする場合は、土地を休める時間がないため、
土をリセットする必要があります。
土をリセットするためには、土壌消毒が必要となります。
土壌消毒をすることで、特定の菌や害虫の濃度を減らし、
病気に感染する確率を低くすることができます。
土壌消毒にも種類がありますが、
大きく分けると薬剤を使った消毒と熱や寒さを利用した消毒の2つがあります。
土壌消毒に使える薬剤には、
クロルピクリンくん蒸剤やカーバムナトリウム塩液剤などがあります。
ただ、消毒剤の種類によって、使い方や使うタイミングなどが異なるので、
使う場合は説明書きをよく読んでから行います。
使用法を間違えると、土に薬剤が高濃度で残り、生育に大きな影響が出ます。
熱や寒さなど、自然を利用した土壌消毒なら、薬剤を使わないので安心です。
どちらも熱さや寒さによって、土の中の菌を減らす消毒方法です。
薬剤を利用した場合よりも効果が緩やかなことも多いですが、
薬剤を使うことに抵抗がある方は、試してみる価値があります。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・トマト わき芽かき・摘心の方法
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・ミニトマト わき芽かき