異常茎を防ぐには
窒素過多により茎が太くなり奇形果ができそうなトマト
異常茎は、トマトを育てていると起こることが多い症状です。
異常茎が発生すると、その後に改善するのが難しい上に、
なんとか改善しても時間がかかるため、収量が激減することもあります。
異常茎を防ぐには、どのようにすれば良いのでしょうか。
[異常茎を防ぐには]
■異常茎とは?
異常茎とは、トマトの茎に起こる症状の1つで、通常よりも異様に太くなり、
中心に濃い茶色~黒っぽい色の筋が入ったり、
さらには茎に穴があくといった症状が出ている茎を指します。
茎に穴があいた状態を窓あきやめがねと呼ぶことがあります。
こういった穴があいたような状態になると、
生長点部分がわき芽との境目がなくなって癒着したような状態となり、
芯止まりを起こします。
■異常茎が発生する原因
異常茎が発生する原因は、肥料過多です。
肥料の中には、窒素・リン酸・カリが主に含まれていますが、
この中でも窒素が多い状態になると、異常茎の発生が多くなります。
最初は茎が太くなり、株全体の色が濃くなり、葉が下向きに巻いてきます。
これらの症状は典型的な肥料過多の症状で、
気づかずに追肥を与えていると、肥料過多が進んで異常茎へと発展します。
異常茎が発生するところまで症状が進んでしまうと、
その後は肥料の量を改善しても、通常まで戻すのにはとても時間がかかります。
異常茎は高温の環境で発生しやすいともいわれていて、
ちょうどトマトが5段目くらいまで育った頃に高温になることが多いため、
その時期に発生しやすくなるようです。
■異常茎を防ぐには?
異常茎は高温や肥料過多によって引き起こされる症状ですが、
厳密なメカニズムはまだ解明されてはいないようです。
異常茎になると、どうしても長い時間をロスしてしまいますし、
その分収量も激減するため、できるだけ予防しておくことが大切です。
異常茎を防ぐためには、ズバリ肥料管理を徹底することです。
家庭菜園初心者の方にありがちな勘違いに、
肥料は与えれば与えるほど良いということ思い違いがあります。
夏野菜の中でもトマトは、大きな実をいくつもつけるので、
肥料切れに注意しなければいけない野菜です。
けれど肥料が切れないようにたくさん与えればそれで良い、
というわけではないのです。
現にたくさん与えるだけでは、異常茎のような症状が出てしまい、
かえって収量を減らしてしまう結果となります。
元肥をはじめ、追肥を与える時も多く与えるのはやめ、
規定通りの量を与えるようにします。
その代わり、肥料切れを起こさないように、定期的に与えることが大切です。
肥料を与えるタイミングは難しいと感じることもありますが、
最初は基本通りに与えるようにします。
トマト栽培に慣れ観察を続けていくと、
トマトの状態を見ながら肥料の適量を決めることができるようになってきます。
肥料を与えすぎないようにすると同時に大切なのが、水分管理です。
与えている肥料の種類にもよるのですが、
化成肥料のように水分に溶けて肥効が出るタイプの肥料を使っている場合、
灌水すればするほど肥料成分がとけだし、肥料濃度が高くなります。
肥料濃度が高くなれば、それだけ養分を吸収し、
肥料過多となって異常茎の発生が多くなります。
トマトはもともと乾燥気味の環境を好むため、
気温が高くなってきたからといって、無条件に水を与えるのは良くないです。
与える肥料の量を多くしないように注意し、
必ず土が乾燥してから水を与えるようにしましょう。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・トマト わき芽かき・摘心の方法
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・ミニトマト わき芽かき