ミニトマト 水やり
乾燥させすぎると、トマトの株が傷みます
ミニトマトを育てる時の、第一の基本は、水やりです。
水やりの方法を間違えると、丈夫で育てやすいはずのミニトマトも、
結実しないままに枯れてしまうことがあります。
ミニトマトの水やりの基本と、
適切な水やりや注意点を覚えておきましょう。
[ミニトマト 水やり]
■ミニトマトの水やり
ミニトマトを育てる時の水やりは、特別難しいものではありません。
ただ、地植えの場合と、プランターや鉢などの容器栽培の場合とでは、
多少水やりの仕方が変わります。
水やりに挑戦中!
・地植えの場合
一般に地植えの場合は、プランター栽培よりも水やりの頻度が少なくなります。
苗を植え付けたばかりでは、まだ根鉢は固まったままで根が張っていない状態です。
根が広がっていくまでは、強く乾燥させない方が良いでしょう。
根が活着し、広がり始めたら、それほど神経質にならなくても大丈夫です。
だいたい1週間程度で根が活着しますが、葉が展開してきたら活着しています。
土の表面が軽く乾いた状態でも、土の中がまだ湿っているのであれば、
水やりの必要はありません。
土が湿気と乾燥を繰り返すことで、根が健全に伸びていきます。
また、同じ地植えにしているミニトマトであっても、
雨除けをしているかどうかでも、水やりの頻度が変わります。
雨除けをしているものは、土が雨に当たる確率が少ないため、
雨が降っても土が潤いません。
その分、天気に関係なく土の状態を確認し、
乾いていたら水を与えるようにする必要があります。
いずれの栽培方法であっても、
トマトの葉が少し垂れ下がって萎れたようになってから、
水を与えるくらいがちょうど良いです。
ジョウロのハス口を外して、株元に水やりします(こちらはスイカ苗植え付けのようす)
・プランター栽培の場合
プランターや鉢を使った容器栽培の水やりの基本は、
土の表面が乾いたらたっぷりとです。
ただ、ミニトマトはやや乾燥した環境を好むため、
いつもたっぷり水を与える必要はありません。
目安としては、地植えにしているものと同じように、
葉が少し萎れたタイミングで与えるようにします。
水を与えるの「たっぷり」とは、
容器の下から余分な水が流れ出てくるまで、という意味と考えてください。
表面を湿らせるだけでは、水分不足で萎れた状態が続き水切れを起こします。
一度水を与えたら、土が乾燥するまで必ず待ち、
水を与える時はたっぷりと与えるようにしましょう。
プリンセスロゼ、裂果(涙
■ミニトマトの水やりの注意点
ミニトマトに水を与える時、頻度や与える量の他にも、
注意したいことはたくさんあります。
水やりは簡単な作業のように見えますが、
失敗の原因にもなる重要な作業なのです。
1. 土の状態を確かめる
水を与える時は、必ず土が乾いているかを確認してからにします。
指先で、用土を少し掘って触って乾燥しているか確認しましょう。
葉が少し萎れた頃を目安として与えますが、実はその葉の萎れが、
乾燥によるものではない場合があるためです。
葉が萎れるなどの、水切れのような症状が出ていたとしても、
土を触ってみると湿っていることがあります。
これは過湿や病害虫などにより、根が水分を吸えなくなっている状態です。
この状態でさらに水を与えると、根の傷みがひどくなる一方なので、
土の乾湿は必ずチェックしてから水やりを行います。
また、容器栽培は乾きやすいからと、何も見ずに毎朝水を与えていると、
過湿状態になりやすいので用土の状態をチェックして与えます。
株の頂点目指して、高い位置から水やりをしてはいけません
2. 高い位置から水をかけない
水を与える時、高い位置から水をかけると、
勢いよく水が土に当たり、泥跳ねの原因となります。
泥跳ねで葉の裏などに泥が付着すると、そこから病気にかかることがあります。
マルチを敷いているから、高い位置から水やりしても大丈夫と思っていても、
高い位置には花や実がついている場合があります。
花に水をかけると、花粉が流れて着果不良が起こることがあります。
また、育ってきた実に水がかかると、裂果を引き起こす場合があるので、
できるだけ株元近くから水を与えるようにします。
雨でも裂果しないアイコ、しかし皮がやや硬くなります
3. 水やりに適した時間に
梅雨があけるまでの間は、まだ涼しい日もあるので良いのですが、
梅雨があけた後は、急激に気温が高くなります。
盛夏の日中はとても気温が高くなり、
日当たりの良い場所で育てることの多い、
ミニトマトの周辺は、特に温度が上がります。
そんな高温時に水を与えると、土中に入った水の温度が上がり、
根が煮えたような状態になってしまいます。
ミニトマトは午前中、できるだけ早い時間帯の水やりが鉄則です。
できれば涼しくなった夕方も、水やりは控えます。
夜間に水分が多い状態になると、徒長しやすくなるためです。
朝に水を与えて夕方に土が乾いているように見えても、
葉がまだ元気な状態なら、夕方の水やりは不要です。
翌朝に土の状態を見てから、水を与えるようにします。
軒下に置いた鉢栽培のトマトは水管理しやすいです
4. 過乾燥に注意する
近年、トマトに与える水分量をぎりぎりに抑えて、
甘みを強くする栽培方法が話題になってます。
けれど、この水を切る栽培方法は、水分の調整が難しく、
上手く行かない場合、乾燥のさせすぎで枯らしてしまったり、
乾湿の差が大きすぎて、裂果した実ばかりになることがあります。
ミニトマトの栽培に慣れないうちは、基本の栽培方法で育てるのが良いでしょう。
水分制限を取り入れた栽培方法を行う場合は、
水やりのタイミングを見極められるようになってからのほうが安心です。
また、極端な乾燥を防ぐために、水分制限を行う栽培方法を実践する時は、
少量の水をこまめに与えるのが効果が大きいです。
水分量としては少量で、過湿になることはなく、急成長することもありません。
乾燥させすぎた後に大量の水を与えると、裂果しやすくなりますが、
こまめに水やりを行うことで、裂果もしにくくなります。
目安としては、深型の大きいプランターに対して500ccです。
容器のサイズが大きいと、その分土の量も多いため、
500ccでは容器の下から水が出てこないこともあるほどです。
けれどそれくらいのギリギリの量で育てることで、
ミニトマトは丈夫になり、しかも甘い実をつけるようになるのです。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・ミニトマト わき芽かき