トマト 葉はしげるが実がつかない
葉はしげるが、実がつかずうどんこ病も出ているトマト
トマト栽培を試みたけれど、枝は伸びて葉もたくさんしげるのに、
肝心の実がつかない、という失敗談をよく聞きます。
枝が伸びて葉がしげる様子は、一見するとよく育っているように見えますが、
実は重大なミスをおかしている可能性があります。
実がつかない原因をきちんと調べ、改善するようにしましょう。
[トマト 葉はしげるが実がつかない]
■実がつかない原因
トマト栽培の悩みや失敗談の中で、株は大きく育ったけれど、
実はぜんぜんつかなかったということがよくあります。
枝葉がばかりが育って実がつかない状態を「樹ボケ」と呼びます。
この樹ボケになる原因は、2つです。
・定植が早かった
トマトの苗を植え付ける時、タイミングがとても重要となります。
苗選びの時の基準にもありますが、トマトの苗は一段目の蕾がついている、
あるいは花が咲いているものを選ぶようにします。
これは植え付け時にも同じことがいえます。
植え付けようとしているトマトの苗には、
必ず蕾が開花中の花がついているようにします。
苗の購入が早いと、まだ苗が小さく、
一段目の花芽がついていない場合があるでしょう。
その小さな苗をそのまま植え付けてしまうと、
トマト自身が花を咲かせて実をつけるよりも、
株を大きく生長させる方へと力を使うようになります。
このような栄養成長の状態になると、実をつける方に力を使う生殖成長に、
力を注ぐよう仕向けるのは、至難の業です。
花芽がない状態で植え付けるのは酷です
・1段目に着果させなかった
定植時期に問題はなかったものの、一段目に着果させなかった場合も、
樹ボケになりやすくなります。
トマトの1段目に着果させることで、
そのトマトは実をつける方に力を使うよう、固定されます。
ところが、1段目が開花したにも関わらず、着果できなかった場合は、
その後に枝葉ばかりがしげる現象が出るようになります。
中にはなんどか花房がつける株もありますが、
つく花芽の数が極端に少なかったり、開花しても着果不良を起こし、
実を収穫できない場合が多くなります。
■枝や葉ばかりしげらせないためには?
枝葉ばかりしげらせないようにするためには、
適期に定植することと、1段目に確実に着果させることが絶対の条件となります。
植え付けを行う苗は、必ず1段目の花芽がついている、
もしくは咲いているものにします。
もし購入した苗が小さく、1段目の花芽がついていない場合は、
ポットのサイズを一回り大きくして、育苗を続けます。
育苗を続けていくうちに、1段目の花芽がつくようになるので、
そうなったら定植をしましょう。
ポットのサイズを上げて育苗を続けることで、
根張りも良くなるので、しっかりとした苗に育てることもできます。
1段目の花が咲く時期は、気温が低く、天候も安定していないことが多いです。
株も若いため、花自体が充実しておらず、自然に任せていると、
受粉不良が起きることがあります。
一段目は人工授粉して、その後の生長を良くします
・人口受粉の必要性
開花した花を軽く指ではじいたり、電動歯ブラシを当てて微振動を起こしたり、
株自体を小刻みに揺らしたりすることで、人工授粉することができます。
あるいは、先の細い筆などを使い、
花の中央をなでるようにするという方法もあります。
どの人口授粉の方法もとても簡単ですが、人工授粉をしておくだけで、
着果不良が改善される場合があるので、試す価値は十分にあります。
また、トマトトーンのようなホルモン剤を使い、受粉を促す方法もあります。
ただし、トマトトーンの使い方には注意が必要です。
使用方法をよく確認してから使うようにしましょう。
1段目の花に着果させる必要はありますが、
1段目についたすべての花に着果させる必要はありません。
たった数個であっても、1段目に実がつきさえすれば、
その後の実付きがよくなる可能性が高くなります。
もちろん、1段目に着果がなくても、その後問題なく育つこともあります。
けれど樹ボケを起こしてしまう可能性がある限り、
1段目に確実に実をつけさせた方が、
収量も上がりやすくなり、樹ボケの心配も減ります。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・ミニトマト わき芽かき