トマト 色を良くするには
微妙なトマトの色変わりが出ています(シンディーオレンジ)
トマトといえば、赤色を想像する方が多いですが、
実際に日本で主流となっている大玉トマトは、
ピンク系と呼ばれている品種群です。
ミニトマトの場合は、ピンクよりも赤系の方が多く、
赤やピンクの他にも、黄色やオレンジ、紫、黒、グリーンと、
様々な色のトマトが販売されています。
家庭菜園でも人気のトマトですが、
育てたトマトが、なかなかおいしそうな色にならない、
品種本来の色が出ないという悩みを聞くことがあります。
トマトの色を良くするには、何かコツがあるのでしょうか?
[トマト 色を良くするには]
■トマトが発色する仕組み
トマトの花が咲いて受粉した後、実がついて大きくなっていきます。
この時のトマトの実の色は、緑色をしています。
実が大きく育つと、今度はだんだんと色づいてきます。
この時、色の付き方には種類があり、
ヘタに近い肩の部分から色づくものと、
全体的に徐々に色がついていくものとに分かれます。
これは品種による特製なので、育て方や天候で変わるものではありません。
トマトの実が最初、緑色をしているのは、
光合成によって実の中に葉緑素を溜めこんでいるためです。
実が熟していくにつれ、この葉緑素がリコピンへと変化し、
トマトは赤く色づいていきます。
リコピンは、近年とても注目されている成分で、トマトの赤色の素となっています。
そのため、葉緑素をたくさん溜めていたものほど、
リコピンへの変化が多くなり、赤色が濃くなるということになります。
実や葉の色が濃いのは、窒素過多?
■トマトの色を良くするには?
葉緑素からリコピンへの変化で赤くなるトマトですが、
黄色、オレンジ、紫、黒色などのトマトでも、
葉緑素を多く持っているものほど、太陽の光をたくさん浴びて、
美しい色でおいしくになっていく可能性が高いです。
逆に色が通常とは違っているものは、
何かしら管理に問題があった可能性が高いです。
キレイな色に発色させるためのポイントは2つです。
1.窒素過多に注意
トマトは窒素が多い状態で育つと、実の色が悪くなります。
草勢が強く生育が最適な状態であれば、実の発色がよくなる傾向があります。
しかし草勢を強くしようと、窒素を多く与え過ぎるのは禁物です。
窒素が多い状態となったトマトの実は、
緑と赤が混ざったような色になり、全体的に色が濃すぎるために暗くなります。
草勢も、強ければ強いほど良いというわけではないので、
窒素の与えすぎには注意が必要です。
黒トマト、きれいに色が出ています
2.日照時間と温度
トマトは光がよく当たることで葉緑素を増やすため、
色がキレイに出るようになります。
また、積算温度が1000度を超えることでも色づいてくるので、
日照時間と温度はトマト栽培ではとても重要なこととなります。
ただ、日当たりの良い場所を選んだ時に、
実の肥大時期に強い直射日光に当たりすぎると、
皮が硬くなりすぎてしまい、裂果の原因や食味の悪化の原因となります。
家庭菜園であれば、着果から着色までに多少時間がかかっても、
裂果せずキレイでおいしい果実を収穫できた方が良いと考える方が多いでしょう。
日差しの強い栽培前半は葉で果実をやや遮光し、
日差しが弱まる栽培後半に日光がたっぷり当たるように仕立てるのが良いです。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・ミニトマト わき芽かき