トマト栽培 10月
苦手な季節に実をつけるトマト
トマトも10月に入ると、徐々に生育スピードが落ちてきます。
気温が下がって過ごしやすくなる反面、トマトにとっては少し寒い日も出てきます。
10月には、トマト栽培ではどのような作業が必要になるのでしょうか。
[トマト栽培 10月]
■10月のトマト
10月に入ると、残暑もほぼなくなって涼しい日が続きます。
日中、お天気が良くても風が心地よく、夜には少し冷える日も出てくるでしょう。
地域によっては、寒さを感じることもあるかもしれません。
初夏から栽培しているトマトは、栽培期間も長くなってきているため、
草勢がかなり落ちてくる時期です。
摘芯したところまでの実の収穫が終わったり、
草勢が急激に落ちるようであれば、そのまま栽培を終了します。
弱っているだけならと、粘ってみるのも悪くはありませんが、
あまり固執しても、良い結果が得られないことの方が多いのが現実です。
秋から栽培するものが控えている場合などは、思い切ってトマトの栽培を終わらせ、
次の栽培に向けて準備を進めた方が良いでしょう。
夏に定植した秋トマトは、そろそろ収穫のピークを迎えます。
この時期は気温低下とともに、日照時間が短くなったり、
夏とは日射の角度が変わるなど色々な変化があります。
その変化に合わせて、トマトを管理していくことが大切です。
■10月の作業
・摘芯、わき芽かき
夏に植え付けた秋トマトも、この時期には摘芯が必要になっているか、
すでに摘芯を終えている株が多くなります。
摘芯を行うことで、株を大きくする生長から、
実を肥らせておいしくする生長に栄養をすべて使えるようになります。
秋トマトは、栽培期間の温度が夏よりも低くなるため、生育スピードが落ちます。
十分な栄養を実に回すためにも、ある程度の高さまで主枝が育ったら、
摘芯をした方が肥大性が向上するのでお勧めです。
また、わき芽も依然として発生するので、あまり大きくならないうちに摘み取りましょう。
一度摘んだ節から、また発生することもあるので、こまめに見回りを行います。
トマトの摘芯やわき芽かきについては、こちらを参考にしてください。
・水やり、追肥
気温が下がってくると、徐々に土も乾きにくくなります。
けれど、秋は空気が乾燥してくる時期です。
まだ大丈夫と思っていても、意外と土が乾燥することがあるので注意します。
また、長く栽培を続けていると、根がかなり張ってきます。
根が張った部分は土が減って根が多くなるので、保水力が下がります。
特に鉢やプランターなどの容器栽培では、
土よりも根で容器内がいっぱいになることもあります。
こうなると、水を与えてもすぐに乾いてしまいます。
一回り大きい容器に植え替えて土の量を増やしたり、こまめに水やりをしましょう。
追肥に関しては、9月と同じです。
・収穫、追熟
着色して熟したものから、順番に収穫していきます。
10月になると気温も下がり、なかなか着色が進みません。
着色を待っている実が多くなると、それより上の段で着果した実に栄養が回らず、
肥大性が悪くなることがあります。
着色待ちの状態の実がたくさんある場合は、
早めに収穫をして株への負担を減らすと、上段の着果や肥大もスムーズになります。
トマトは収穫後の、追熟が可能な野菜です。
まだ着色しきっていない、若い実を収穫した後は、追熟させることによって色づきます。
初心者の方にとっては、追熟という言葉に慣れないため、
難しいことのように感じますが、そんなことはありません。
暖かい場所に置いておくだけでも、トマトはどんどん追熟していきます。
詳しい追熟のやり方は、こちらを参考にしてください。
・寒さ対策
トマトは、ある程度の寒さなら耐えることができます。
けれど、気温が下がれば下がるほど、草勢が弱くなりがちです。
草勢が弱まったトマトは、着果数が激減し、肥大力も落ちます。
できるだけ生育適温に近い状態で栽培を続けるなら、防寒対策は必須です。
10月はまだ本格的な寒さにはなっていませんが、風を冷たく感じるようになります。
冷たい風に当たると体感温度が下がるので、風が直接当たらないようにしましょう。
風が当たる方向に何かを置いて防ぐのも良いですし、
簡易的なハウスなどを設置して、保温と防風を兼ねても良いでしょう。
寒さ対策については、こちらを参考にしてください。
たくさん実をつけてくれたトマト、ありがとう!
・片づけ
すべての段の収穫を終えたり、草勢が極端に弱くなってしまった株は、
栽培は終了と判断して良いでしょう。
栽培終了した株は、放っておいても水や養分を吸いながら細々と生きています。
そのまま放っておくと、弱った株が病気にかかり、
他の健全な株に広がったり、土中の病原菌を増やす原因となります。
特に病気の兆候もない状態であれば、抜き取った枝葉を堆肥に使うのもお勧めです。
もし病気などが不安な場合は、焼却処分するなどして、畑に残らないようにしておきます。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方