チェロキーチョコレートトマト
チェロキーチョコレートは、エアルームと呼ばれる、
海外で古くから育てられてきた伝統的な野菜の1つです。
もともとあった「テネシー」という品種と、
「チェロキー・パープル」から選抜してできたというチェロキーチョコレートとは、
どのような特徴を持ったトマトなのでしょうか。
また、育て方にコツはあるのでしょうか。
[チェロキーチョコレートトマト]
◎大きくて茶色いトマト
チェロキーチョコレートの特徴は、なんといってもその大きさと色です。
1玉が280g~450gほどになる超大玉トマトです。
日本で主流となっている大玉トマトは、たいてい200g~250gほどの大きさです。
それと比べるとチェロキーチョコレートは、
小さくても一回り大きく、大きければ倍に近いサイズにまで育ちます。
大きくなれば直径10cmほどにもなるというのですから、
どれほど大きくなるのかがよく分かります。
チェロキーチョコレートの基本の色は赤ですが、
肩の色が茶色くなるのが特徴的です。
最近日本でもようやく知名度が高くなってきた、
ブラック系のトマトのような色が入っています。
形は豊円形ではなく、横長になりやすいです。
あまり形はそろわず、実によって形は様々です。
少し扁平な形になるものもあれば、ずんぐりとした形になるものがあります。
また、表面には独特のフリルが入ることが多く、
このフリルの入り方も実によって異なります。
フリルが大きく数が少ないもの、細かく入るものなど、
次はどのような実ができるのか楽しみになります。
見た目のインパクトが強いチェロキーチョコレートは、食べた時の風味も抜群です。
トマトらしい爽やかな少し青い香りがあり、かつ濃厚な出汁のような旨みがあります。
切ってみると、ゼリー質が入っている部屋(心室)が、
日本のトマトよりもたくさんあり、ゼリー質が少ないのが特徴です。
果肉はみっしりと詰まっていて、贅沢な食感が楽しめます。
冷やしたものをカットしてそのまま食べてもおいしいですが、
マリネやサンドイッチ、カプレーゼやブルスケッタなど、油や酢、
ハーブと合わせるととてもおいしくなります。
◎晩生だが生育は旺盛
チェロキーチョコレートは晩生タイプの品種です。
そのため、栽培初期にはあまり実付きがよくないと感じることがあります。
もともと生育が旺盛なので、低段から着果はしますが、上段にいくにしたがって、
花房につく花の数が明らかに大きくなり、着果数も多くなります。
ただ、着果数が多くなっても、
1個の実のサイズを大きくしたいのであれば、摘果の作業が必要となります。
自然に任せてしまうのも良いですが、
できるだけ大きい実を収穫したいということであれば、摘果は欠かせません。
生育状態によっては、1段にミニトマトなみの数の花が咲くことがありますが、
半分以下に減らす必要があります。
また、基準となる重さにも幅があるので、あまり大きくならなくても、
そういうものなのでガッカリする必要はありません。
生育が旺盛な上、実が大きい割には枝が細いので、支柱は必ず必要となります。
固定種で特別な改良をされた品種ではないので、標準的な夏秋栽培がお勧めです。
苗の流通は見かけないので、種を購入しての栽培となります。
苗を定植する前に土作りを行いますが、基本的には一般の大玉トマトと同じで構いません。
ただ、生育が旺盛なので、元肥を多く入れると樹ボケを起こすことがあるので注意しましょう。
◎肩が茶色くなったら収穫
チェロキーチョコレートは普通のトマトと違い、全体が赤くなるわけではありません。
まだ実が未熟なうちは、他のトマトと同じように緑色をしています。
少しずつ熟すうちに、肩から下の部分は少しずつ赤くなっていきます。
最後まで肩の部分の緑が残る品種で、
この肩の部分が茶色っぽい色になったら、完熟のサインです。
果肉がしっかりとしているタイプのトマトなので、
熟してから収穫して食べるのがお勧めです。
他にはない茶色いチョコレートカラーはとても目を引きますし、
食味も日本で流通している一般的なトマトにはないものがあります。
実がとても大きくなる品種のため、
実が肥大する日数や着色するまでの日数が、
他の一般的な大玉トマト品種よりも時間がかかる場合が多いです。
焦らずじっくりと待つことで、深い色と味わいに育ちます。
■特徴
・1玉が280g~450gほどの超大玉サイズに育つトマトです。
・海外で固定されたエアルーム品種です。
・豊円というよりは少し扁平だったり、ずんぐりとした形に育ちます。
・表面にはフリルが不規則に入り、実によって形状が異なります。
・濃い赤色~チョコレートっぽい茶色に色づき、日本ではあまり見かけない色をしています。
・トマト特有の青っぽい香りと、濃厚な旨みがあります。
・ゼリー質が入っている部屋の数が多く、ゼリー質が少なめです。
・果肉がみっしりと詰まっていて、食べ応えがあります。
・晩生タイプなので後半に本領を発揮します。
・生育が旺盛なので栽培初期から着果・肥大が難しくありません。
・標準的な夏秋栽培に向いています。
■栽培のコツ
・基本の育て方は、一般の大玉トマトと同じです。
・生育が旺盛なので元肥は多く入れないように注意します。
・背が高くなるので支柱を必ず設置します。
・後半になると花数が急激に増えてくるので、着果後は摘果が必要となります。
・実の肩部分が茶色くなったら熟しているので収穫します。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方