裂果しにくいトマト品種
裂果は、とても残念です
トマトには本当にたくさんの品種があり、家庭でも育てられるものが多数あります。
一昔前に比べ、現在は家庭菜園がとても一般的なものとなっているということ、
学校などで栽培することも増えたことから、トマトを育てた経験のある人も増えています。
トマトはとても育てやすい野菜ですが、それでも失敗することはあります。
トマト栽培での失敗の中でも多いのが、実の裂果です。
収穫前に実が割れてしまい、収量が落ちてしまったという方も多いでしょう。
実は、トマトの品種が変われば、裂果のしにくさも変わります。
たくさんあるトマト品種の中でも、裂果しにくいトマト品種には、
どのようなものがあるのでしょうか。
[裂果しにくいトマト品種]
■裂果しにくいトマト品種
◎大玉トマト
・パルト
パルトは、単為結果性という、トマトの中では少し珍しい性質を持った品種です。
単為結果性とは、受粉なしで着果が可能な性質のことを指します。
トマト栽培では、1段目や2段目の着果を確実にさせることによって、
その後の着果率が変わります。
そのため、人工受粉やホルモン剤、マルハナバチなどを利用することが多いのです。
パルトの場合、単為結果性を持っているため、
受粉作業をしなくても着果は確実です。
そのため、人工受粉やホルモン剤などの利用が不要で、省力栽培が可能です。
特殊な性質を持っていますが、食味は非常に良く、
みっしりとした噛み応えのある果肉と、甘みのある爽やかな風味が特徴です。
・麗月
麗月は、食味が良いことはもちろん、トマトの生育が悪くなりがちな、
秋口にも安定した着果と肥大、収穫を実現できる品種です。
見た目は普通の大玉トマトですが、スタミナがあるので、
初夏から栽培しても秋までしっかり栽培できます。
また、秋はトマトの株が疲れるためか、裂果が増える季節でもありますが、
夏~秋まで裂果が少なく、秀品率が高いです。
サカタのタネが出している「王様トマト」シリーズの1品種なので、
赤く熟してからの収穫も可能です。
・桃太郎ワンダー
桃太郎ワンダーは、タキイ種苗株式会社が改良して作った、大玉トマトの品種です。
桃太郎といえば、日本で最も栽培・流通量が多い大玉の品種です。
桃太郎シリーズは、どれもピンク系の果皮をしていますが、
桃太郎ワンダーは皮の色が濃く、赤とピンクを混ぜたような色をしています。
しっかりとした大玉サイズに育ち、持った時の重量感もあります。
食味が良いのはもちろん、スタミナが強く長期栽培にも耐えることができます。
・ホームメイド大安吉日
ホームメイド大安吉日は、ナント種苗から出ている大玉トマトです。
ぽってりとしたフォルムと、なめらかな質感、
濃すぎない爽やかなピンク系のカラーが、暑い夏の食欲をそそります。
ホームメイド大安吉日は、家庭菜園向けに作られた品種です。
そのため、大玉トマト初心者の方でも、比較的育てやすい性質を持っています。
◎中玉トマト
・フルティカ
フルティカは、タキイ種苗株式会社から出ている、中玉トマト品種です。
真ん丸の形をした中玉サイズのトマトは、色も濃い赤色でおいしそうです。
もともと糖度が高めの品種ですが、ゼリー質部分の酸味が抑え気味なので、
さらに甘みが引き立っています。
フルーティーな食味を持っているということで、とても人気があります。
スーパーで販売されている中玉トマトの多くは、フルティカが使われているそうです。
プロの農家が栽培している品種ですが、家庭菜園でも育てやすい魅力的なトマトです。
・シンディースイート
シンディースイートは、サカタのタネから出ている中玉トマトです。
実の形は真ん丸というより、お尻が少し尖ったような愛らしい形をしています。
甘味と旨みが強い、濃厚な味わいが特徴です。
中玉トマトの中では、やや小ぶりなサイズですが、その分子どもやお年寄りなど、
口が小さい方でも食べやすい品種となっています。
・レッドオーレ
レッドオーレは、カネコ種苗から出ている中玉トマトです。
フルティカやシンディースイートと並んで、中玉トマトの中では特に人気の品種です。
赤くて丸い実が特徴で、食べた時に感じる甘みも強く、
わずかな酸味が爽やかさを演出します。
裂果だけでなく、すじ腐れや尻腐れといった症状が出にくく、秀品率が高いです。
◎ミニトマト
・アイコシリーズ
アイコシリーズは、タキイ種苗株式会社から出ている、ミニトマト品種です。
家庭菜園が流行しはじめた頃から存在する品種で、いまだにとても人気が高いです。
ミニトマトといえば、丸い形というイメージが強いですが、
アイコは縦長のプラム形をしているのが特徴です。
また、皮がやや厚めでしっかりとしているため、裂果が少ないです。
オーソドックスな赤色のアイコの他にも、
明るい黄色可愛らしいイエローアイコがあります。
・千果シリーズ
千果は、真ん丸で真っ赤な実がたくさん収穫できる、ミニトマトの品種です。
1つの房にたくさんの実がつき、スタミナも強いので、家庭菜園であっても、
1株でかなり多くの実を収穫できます。
まさに、千の果実が収穫できる品種です。
甘味が強く、果肉も緻密で食感が良いので、たくさん食べても飽きません。
千果シリーズの基本となる千果を改良して作った、
CF千果や千果99、オレンジ千果があります。
・キャロルシリーズ
キャロルシリーズも、かなり人気のあるミニトマト品種のシリーズです。
実は小ぶりですが、丸くて口に含みやすく、
甘酸っぱいミニトマトの風味を存分に楽しめます。
サイズ感がちょうど良いので、お弁当の隙間埋めや彩りに使うと便利です。
とにかく育てやすいため、ミニトマト栽培初心者の方にぴったりです。
キャロルには色々な品種があり、お勧めはミニキャロルですが、
明るい黄色が特徴的なイエローキャロル、
オレンジがかったカラーがキレイなオレンジキャロル、
大人の雰囲気を持ったキャロルロゼなどがあります。
■裂果させないために
裂果しにくい品種を選べば、絶対に裂果しないというわけではありません。
雨よけや、乾湿の差を大きく出さないなど、基本的な裂果予防の対策を行えば、
さらに裂果しにくいトマトを育てることができます。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方