華美
華美
華美(はなみ)は、丸種株式会社が改良して作った、大玉トマトの品種です。
華美が持つ特徴と、栽培のコツをご紹介します。
[華美]
◎サイズのバラつきが少ない食味重視品種
華美は、秀品率が高く、食味の良い販売向きの大玉トマトです。
形も豊円で美しく、表皮にもつやがあって色回りが良いのが特徴です。
果重はだいたいM寸~L寸に揃いやすく、
バラつきが少ないので、出荷時にも安心できます。
栽培できる作型が広く、一年中栽培でき、季節による糖度の差が出にくく、
いつ収穫したものでもおいしいトマトが食べられます。
甘みは強めですが、酸味とのバランスがとても良いので、
食べ飽きることがありません。
一昔前までは、トマトといえば生食ばかりでしたが、
西洋料理が入ってきて久しい現代、トマトの調理法も増えてきました。
夏に冷やしたものを切って食べるだけでなく、
マリネなど一工夫した料理にもよく合います。
一年中栽培が可能だからこそ、
一年中食べてもおいしいトマトというのが嬉しいです。
◎病気に強く育てやすい
華美は、栽培できる作型が広いです。
無加温でのハウス早熟栽培、夏秋の雨除け栽培、抑制栽培、促成栽培と、
本当に一年中栽培することができます。
一年中栽培できる秘密は、
草勢の強さとスタミナ、それから病気に強い性質にあります。
華美はやや草勢が強い品種で、上段に至るまで安定した着果が期待できます。
その上、1段につく花の数が中位で、多すぎないのがポイントです。
花数が多く着果率の高い品種だと、実がつきすぎてしまい、
株がスタミナ切れを起こすことが多くなります。
華美は花数がセーブされているおかげで、
着果しすぎることがなく、スタミナが維持できるのです。
葉カビ病には抵抗性があり、他の萎凋病、半身萎凋病、モザイクウィルス、
斑点病、センチュウに複合耐病性があります。
青枯れにも比較的強い性質があるので、安心感が違います。
ハウスなどの栽培では、病気への強さが必要となる場面も多いため、
これだけの抵抗性や耐病性のある品種は、とてもありがたいです。
◎過乾燥と多湿に注意
近年、水分制限してトマトを育てる方法が好まれていますが、過度な乾燥は禁物です。
華美の場合、過度な乾燥状態が続くと、その後に水分が流れ込んだ時、
実が急激に肥大することによって、裂果を招きます。
この現象は、乾燥と反対の多湿の場合でも起こります。
華美を栽培する時は、適湿を保つと皮に負担がかからず、裂果を減らせます。
1段目が着果すると、実を肥大されるために水分を欲しがるようになります。
この時に水分が足りていないと、裂果や肥大不足が発生しやすくなります。
なので、1段目が着果し、2段目が開花を始めた頃から、
灌水量を増やすようにすると、実の生長を促すことができます。
また、この時期に合わせて追肥を開始しましょう。
肥料は一度にドカッと与えるより、少量をこまめに与えた方が、
肥効が続きやすく株の負担も軽くできます。
■特徴
・M寸~L寸によく揃う大玉トマトの品種です。
・甘みは強めですが、酸味とのバランスが良く、食味が良いのが特徴です。
・豊円形で形良く、色回りも良くつやがあります。
・果肉はやや硬めで、年間を通して甘みが強い状態で安定します。
・草勢はやや強めで、上段まで着果が安定し、栽培後半も収量が期待できます。
・花数が多すぎないため、着果数がちょうど良く、スタミナ切れの心配が少ないです。
・葉カビ病に抵抗性があり、萎凋病、半身萎凋病、斑点病、モザイクウィルス、
センチュウに複合耐病性があります。
・栽培できる作型が広く、一年中栽培可能です。
・ハウス無加温早熟栽培、夏秋の雨除け栽培、抑制栽培、促成栽培が可能です。
■栽培のコツ
・基本の育て方は、一般の大玉トマトと同じです。
・過乾燥と多湿は裂果の原因となるため、避けるようにします。
・1段目が着果し、2段目の開花が始まる頃、灌水量を増やして追肥を開始します。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・トマト わき芽かき・摘心の方法
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・ミニトマト わき芽かき