甘福
甘福
甘福（かんぷく）は、カネコ種苗が改良して作った、大玉トマトの品種です。
カネコ種苗の大玉トマトは、どれもぷっくりとしていておいしそうです。
その中でも、甘福はどのような特徴を持った大玉トマトなのでしょうか。
また、栽培に何かコツはあるのでしょうか。
[甘福]
■甘福
◎大きくて甘い
甘福は、1玉が200ｇ～230ｇほどになる、大玉トマトです。
一般的には、150ｇ以上のものが大玉トマトと呼ばれているため、
大玉トマトの中でも甘福は大きめのサイズをしています。
甘みが強いですが、酸味が柔らかいためか、
どちらかというとあっさりとした風味を持っています。
トマトらしい強い風味が好きな方は、少し物足りなく感じるかもしれません。
けれど、トマト特有の青臭さや酸味が苦手という方にとっては、
食べやすくおいしい品種といえます。
見た目は豊円形で、濃い桃色系の色をしているよく見かける大玉トマトですが、
他とは違った魅力が詰まっているのが甘福なのです。
◎早生で着果率も高い
甘福は、やや早生気味の性質を持っています。
そのため、定植後の初期生育が早く、初収穫までスピーディーです。
適した作型も広く、ハウスを利用した抑制栽培、促成栽培、
半促成栽培が可能で、さらにはハウス無加温栽培にも適しています。
◎悪条件でも多収穫
甘福は元々着果率の高い品種ですが、
低温や高温、乾燥・過湿などの悪条件下でも、着果率の良さを発揮できます。
多少の悪条件をもろともせず、しっかりと肥大するので、安定した収量が期待できます。
節間はやや広めですが、異常茎などの生理障害の発生も少なく、
育てやすい品種です。
モザイクウィルス、萎凋病、半身萎凋病、葉かび病、センチュウに対し、
複合耐病虫性を持っているので、安心して育てることができます。
■特徴
・1玉200ｇ～230ｇと、大玉の中でもしっかりとしたサイズに育ちます。
・形は豊円形で、表皮は濃い桃色をしていてツヤがあります。
・甘みが強く酸味がおだやかなので、あっさりとした食味です。
・トマト特有の青臭さが少なく、トマトが苦手な方でも食べやすい食味です。
・早生タイプなので初期生育が良好で初収穫までが早いです。
・着果率が高く、気温や土壌などの悪条件下でも安定した収量が期待できます。
・節間はやや長めで草勢も中強程度ですが、異常茎などの発生が少なく育てやすいです。
・ハウスを利用した抑制栽培、促成栽培、半促成栽培、
ハウス無加温栽培に適しています。
・トマトモザイクウィルス、萎凋病、半身萎凋病、葉かび病、
センチュウに耐病虫性を持っています。
■栽培のコツ
・基本の育て方は、一般の大玉トマトと同じです。
・根鉢が80％程度のやや若苗定植をするのがお勧めです。
・着果数が多めの品種なので、摘果をして肥大を促します。
・1段目と2段目は3果に摘果し、着果のストレスが大きくならないようにします。
・節間が長めで草丈が出やすい品種のため、支柱を必ず設置して、
主茎が折れないように注意します。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方
