桃太郎ワンダー
桃太郎ワンダー C)タキイ種苗
桃太郎ワンダーは、タキイ種苗株式会社が改良して販売している、
大玉トマトの品種です。
従来の桃太郎も以前から人気でしたが、
今回の桃太郎ワンダーは、さらに強力な特性を持っています。
桃太郎ワンダーには、どのような特徴があるのでしょうか。
また、栽培のコツなども、あわせてご紹介します。
[桃太郎ワンダー]
■桃太郎ワンダー
◎腰高円形で満足いく重量感
桃太郎といえば、タキイが改良して作った、
日本でもっともメジャーな生食用トマトではないでしょうか。
今までも改良に改良を重ね、たくさんの桃太郎シリーズが生まれてきました。
そんな中でも、桃太郎ワンダーは今までの桃太郎にない、
強さと育てやすさを持っていて、まさにワンダフルな品種なのです。
桃太郎ワンダーは、実の形が腰高豊円形をしていて、
しかもヘタの周りの肩部分の凹凸が激しく出ないため、滑らかな印象です。
桃太郎シリーズといえば、ピンク系大玉トマト品種の代表なので、
桃太郎もピンク系の色を持っています。
桃太郎ワンダーは色が非常に濃いため、赤に近いような鮮やかで濃厚な色です。
1玉が210g~220gにもなるため、実際に手で持ってみると、
ずっしりとした心地よい重量感を感じることができます。
桃太郎ワンダーは、低段のうちからも生育が良く、良い花が咲き着果率も良好です。
また、低段で発生しやすかった、チャック果や窓あき果、変形果、空洞果といった、
異常果の発生も少ないのが特徴です。
見目が良く、重量もしっかりとある大玉に育ち、しかも秀品率が高い品種です。
◎肥料切れに注意して長く栽培
トマトは、夏が旬の野菜ですが、日本の夏の高温には、さすがに参ってしまいます。
今までは真夏に生育が衰え、思うように育たないということも多かったのですが、
桃太郎ワンダーの場合は、その夏の衰えを克服しています。
苗を定植した後の初期に、草勢が強めになるように管理します。
こうすることで、スタミナと勢いのある株に育ち、
盛夏を迎えても生育が弱くならず、
そのまま続けて良い実を収穫することができます。
栽培後半まで収量を安定させ、かつ生育が弱まらないようにするためには、
やはり肥料の与え方がポイントとなります。
桃太郎ワンダーは、比較的肥料切れを起こしやすい品種です。
通常の大玉品種であれば、3段目が開花する頃や、着果した頃に追肥を行います。
けれど桃太郎ワンダーの場合、その時点での追肥だと少し遅いため、
3段目が開花する前に追肥を行うようにします。
肥料をよく効かせるため、通常よりも2割増しくらいで灌水を行うと良いでしょう。
栽培初期は草勢を強めに管理しますが、元肥を極端に多く与えるのは避けます。
むしろ元肥は控えめにして、追肥によって肥効を高めた方が、うまく育ちます。
また、育苗後半には追肥せず定植を待つことが多いですが、肥料切れが早めなので、
育苗後半には薄めの液体肥料を与えるようにすると、
定植前に草勢が落ち込むのを防げます。
ただし、液体肥料を与えるからといって、
老苗にしても良いというわけではありません。
1段目の開花を目安に、定植が遅れないように注意しましょう。
◎耐病性があるので安心
桃太郎ワンダーは、様々な耐病性があります。
葉かび病に対し、安定した耐病性を持っています。
この他にも、青枯病やトマトモザイクウィルス、萎凋病、半身萎凋病、
斑点病に耐病性があり、さらにサツマイモネコブセンチュウに耐虫性があります。
これだけ色々な病気や虫に耐病虫性を持っているので、
安心して栽培することができます。
ただし、これらの病気や害虫の被害が、100%出ないとは限りません。
また、耐病性のない病気に感染する可能性もあるので、
土の改良や環境の改善など、できる範囲の防除は行いましょう。
■特徴
・1玉210g~220gほどの大玉トマト品種です。
・ピンク系大玉トマトの代表品種である桃太郎シリーズの仲間です。
・濃いピンク系の色が美しく、ヘタの際まで色づきます。
・腰高で豊円の形をしていて、肩部分のデコボコが少なく滑らかです。
・低段から良質の花が咲き、着果率も良いです。
・低段から安定して育つため、チャック果や窓あき果、変形果、空洞果、
といった異常果の発生が少なく、秀品率が高いです。
・肥培管理を上手に行うことで、盛夏にも負けず収量を安定させることができます。
・基本の夏秋栽培はもちろん、ハウス半促成栽培、ハウス抑制栽培にも向きます。
・葉かび病、青枯病、トマトモザイクウィルス、萎凋病、半身萎凋病、斑点病、
サツマイモネコブセンチュウに対し、複合耐病虫性を持っています。
■栽培のコツ
・肥料切れしやすい品種なので、育苗後半には薄く作った液体肥料を与えます。
・植え付けは1段目開花を目安とし、老苗にならないうちに定植を済ませます。
・定植後の追肥を中心に肥培管理を行うため、元肥は少なめにするか、
ロング肥料を使用します。
・最初の追肥のタイミングは、一般のトマトよりも早めの3段目開花前に行います。
・肥料を効かせるため、栽培期間を通して、通常より2割増しに灌水します。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方