青いトマトの毒性
アイコなどミニトマトの房取りをすると、青いトマトが入ってしまいます
トマトは熟すことで赤くなりますが、
家庭菜園で育てていると、青いまま収穫しなければいけないこともあります。
栽培終了間近になり、株が枯れかけているのに、
まだ色づかない青い実がついている時などは、青いまま収穫せざるをえません。
そんな時、まだまだ青いけれど大きく育った実を見ていると、
捨ててしまうのはもったいないような気持ちになります。
けれど、青いトマトには毒があるという話も、よく耳にします。
青いトマトの毒性とは、どのようなものなのでしょうか。
[青いトマトの毒性]
■青いトマトの毒性は?
青いトマトに含まれている毒性のある成分は、トマチンと呼ばれるものです。
トマチンはジャガイモの芽などに含まれている、
ソラニンと似たような成分で、アルカロイド系の毒です。
トマトに含まれているトマチンには、神経を麻痺させる作用があります。
トマトに含まれているトマチンは、
トマトの部位や実の熟し具合によって、含有量が変わります。
実の含有量が一番多いように感じますが、実は一番多く含まれているのは花です。
次に葉、茎、未熟果、色づく直前の青いトマト、完熟果の順となります。
少し意外に感じますが、花が傷むと子孫を残す種を作ることができないため、
花に一番多く含まれているのかもしれません。
ある調査結果では、トマチンの含有量は、
花には1100mg、葉は975mg、茎は896mg、未熟果は465mg、
色づく直前の青いトマトは48mg、完熟果は0.4mgでした。
すべて1kgあたりの含有量なので、
実際の葉1枚や実1個に換算すると、もっと少ない量になります。
桃太郎ファイト、摘果は青い実を取りました
■青いトマトは危険?
「青いトマト」には、まだ肥大を続けている状態の未熟果と、
肥大が終わってあとは色づくだけというものとがあります。
両者に含まれているトマチンの含有量を比べると、
未熟果の方が10倍近くも多いのが分かります。
トマトが青い状態で調理した料理もありますが、
そういった料理に使われているのは、おそらく色づく直前のものだと思われます。
未熟果と色づく直前の青いトマトでは、
実がすでに熟している色づく前の青いトマトの方が、
酸味やえぐみも少なく、食べやすい食味をしています。
もちろん、トマチンはとても危険な成分ではありますが、
人間が食べた時に、どれくらいの影響なのかは、まだはっきりとしていません。
マウス実験の結果では、体重1kgあたりの半致死量が32mgだったそうです。
体重が50kgだった場合、単純計算で1600mgが半致死量ということになります。
1600mgのトマチンを含む実に換算すると、未熟果で3.4kg、
色づく直前の青い実であれば33kgになります。
もちろん、トマチンに対して過剰に反応する可能性もあるので、
食べても絶対に安全というわけではありません。
けれど、少し食べてすぐに何か起こるというほど、強い毒ではないようです。
青いトマトのピクルスは、さっぱりして美味です
■青いトマトがたくさんある時
青いトマトに毒性がそれほどないと分かっても、
やはり味があまり好きではない、という方もいるでしょう。
けれど、すべて捨ててしまうのはもったいない。
そんな時は、青いトマトに一工夫しましょう。
・追熟する
トマトは追熟できる野菜です。
暖かい場所にヘタを下向きにして置いておくと、徐々に色づいてきます。
追熟しても、甘みや旨みはほとんど増えませんが、
酸味が減って食感も柔らかくなるので、食べやすくなります。
・生で加工する
青いトマトは、ぬか漬けや浅漬けなどの漬物、
あるいはピクルスにして美味しく食べることができます。
特にピクルスは、甘みと酸味に加えて、
ハーブやスパイスなどを使って風味づけをすることもできるので、
青いトマトが苦手な人でも、食べやすくなります。
・加熱して加工する
青いトマトは、果肉が硬い分、加熱調理して食べることができます。
代表的なものでは、フライがあります。
厚めの輪切りにした青いトマトに衣をつけ、油で揚げるだけです。
とても簡単ですが、青いトマトの酸味がクセになります。
また、刻んだ青いトマトを煮詰めて、チャツネやジャムにするのもお勧めです。
カレーなどに加えれば、いつもとは一味違った風味を楽しめます。
>>青いトマトのレシピ
>>青いトマトのピクルス
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方