芯止まりとは?
生理障害としての芯止まりは、一大事です!
トマトなどの野菜の育て方を見ていると「芯止まり」という言葉が出てきます。
実はトマト栽培では、この芯止まりという言葉は、とても重要です。
芯止まりとは、いったいどのような意味なのでしょうか。
また、生理障害で起きた場合には、どのように対処すれば良いのでしょう?
[芯止まりとは?]
■芯止まりとは?
芯止まりとは、芯(生長点)が止まり、
次の生長が見られない状態のことを指します。
トマトの主枝の先端にある生長点部分をよく見ると、
新しい葉の赤ちゃんのようなものが見えます。
この小さな葉が展開して生長し、また茎が伸び、
さらに生長点からさらに新しい茎葉が伸びて、株が大きくなっていきます。
ところが、この生長点部分に新しい芽が見えず、生長がそこで止まることがあります。
この状態を「芯止まり」と呼びます。
トマトの場合、この芯止まりにも種類があります。
1つは、トマトが元々持っている性質としての芯止まりです。
もう1つが、何等かの影響を受けて生理障害として芯止まり症状が出た場合です。
どちらの芯止まりなのかによって、その後の管理や手入れが変わってくるので、
注意して見ておく必要があります。
■性質としての芯止まり
トマトの性質としての芯止まりというものがあります。
トマトには、芯止まり性の品種と、そうでない品種とがあります。
一般的なトマトだと、主枝が1本まっすぐ上方に伸びていきますが、
芯止まり性品種の場合は樹形が全く異なります。
芯止まり性品種の場合、2段目の果房がついた後、生長点は芯止まり状態となります。
芯止まり状態となった生長点は、そのままになるので、次の果房は出てきません。
では、芯止まり性品種は収量が少ないのかというと、そうではないのです。
芯止まり性品種を仕立てる時は、2段目の果房が出た後、
1段目の果房の下から出てくるわき芽を育て、次の主枝にします。
新しく主枝として育てられたわき芽にも、最初の主枝と同じように果房がつきますが、
こちらも2段目までしかつかず、その後は芯止まりになります。
けれど、またわき芽を次の主枝として育てれば、同じように果房がつきます。
芯止まり性品種では、このように、
芯止まりとわき芽を主枝として育てるのを繰り返しながら、育てていきます。
芯止まり性の品種には「なつのこま」や「シュガリーテール」などがあります。
2段目の果房で芯止まりが起こるので、草丈が高くなりにくく、
横に広がるように生長するのが特徴です。
生理障害の芯止まり、生長点がなく茎が太く葉色が濃く窒素過多です
■生理障害としての芯止まり
芯止まり性品種の場合は、トマトが元々持っている性質なので、
芯止まり状態になっても問題ありません。
・芯止まりの症状と原因
要注意なのは、生理障害によって出る芯止まり症状です。
芯止まり性品種でないにも関わらず、生長点がなくなってしまうのは、
生理障害の芯止まりを起こしています。
芯止まり症状は、めがねと呼ばれる茎に筋が入ったり穴があいたようになる症状と同じく、
異常茎の状態です。
この生理障害の芯止まりは、一見すると肥料が足りずに起こっているように感じます。
実際は肥料過多によって起こるケースが多いのです。
生理障害の芯止まりの原因は、具体的には窒素の過剰吸収、日照の不足、水不足などです。
芯止まりの場合は、脇芽を育ててみましょう
・芯止まりの対策
芯止まりをしている近くで元気な脇芽を探し、
新しい主枝として育て様子を見ます。
水やりと追肥は、一度に行わずこまめに与えてみてください。
芯止まり症状が起きると、その分生長がしにくくなるので、収量が激減します。
トマト栽培では、芯止まり症状を起こさないよう、肥料と水の管理をしていくのが基本です。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方