種まき 連結ポットとポリポット
元気なトマトを作るなら、苗作りが大切です
種まき 連結ポットとポリポット
トマトなど夏野菜の種を播く時、連結ポットに播くか、
3号~4号のポリポットに播くか、悩むことがあります。
それぞれにはそれぞれの良いところがあるので、まずは利点を見てみましょう。
連結ポット 16穴 10枚入 価格300円 C)農援 楽天市場店
■連結ポットの利点
連結ポットは、プラスチック製の小さなポットが連結した状態の資材で、
ホームセンターやインターネットなどで手に入ります。
ポリポットに比べ、1つのポットが小さいのが特徴ですが、
種類は様々で、意外と大きいポットまであります。
連結ポット1枚のサイズが大きいものもあれば、1枚が同じサイズで5穴×5穴や、
6穴×6穴など、ポットのサイズが違うものもあります。
トマト栽培で使う連結ポットなら、途中で植え替えを行う場合もあるので、
1穴が1.5号~2号もあれば十分です。
連結ポットにトマトの種を播いた時の利点をまとめました。
・植え替えがしやすい
連結ポットは、1つのポットが小さいので、
ある程度苗が育った時に植え替えをする時も、楽に植え替えをすることができます。
大きめのピンセットや細めの箸などを使って根鉢を持ち上げることで、
根鉢を崩さずに植え替えることができます。
ポリポットだと、土の量が多い分、根がしっかりと育っていないと、
植え替えの時に根鉢が崩れやすくなります。
ただ、一般的な品種を育てる場合、連結ポットは開花までの間に1回は、
サイズアップのための植え替えが必要になります。
この植え替えの手間が、連結ポットに種まきするデメリットです。
トマトの中には、1段目の開花を待たず、
本葉数枚で定植する若苗定植が基本となるものがあるので、
その場合はサイズアップの植え替えは不要となります。
*詳細は、若梅健司著「トマトつくり極意」
「トマトダイレクト(直接定植)セル苗でつくりこなす」をご覧ください。
・乾湿の差を作れる
連結ポットは、1つのポットが小さいので、そこに入っている土の量も少ないです。
その分、乾きやすいので、トマト栽培の場合は、この乾湿の差が重要です。
例えば、朝水を与えた時に、夕方には乾いているような環境であれば、
トマトは素直に育ちます。
ところが、朝水を与えた後、夜になってもまだ土が湿っている場合、
水分が多すぎるために、徒長しやすくなります。
トマトは初期生育の段階で徒長すると、その後に良い環境で育てても、
徒長が改善されにくいことが多いです。
そのため、育苗中も水はけが良い土を使い、夕方以降には絶対に水を与えません。
最初からサイズの大きいポットを使うと、この乾湿の差が作りにくくなり、
徒長苗になる可能性が高くなります。
もちろん、管理が行き届いていれば、徒長せずに育ちます。
・間引きのリスクがない
連結ポットで育苗する場合、1穴に対して播く種は1粒です。
複数の種を播いて、すべてが発芽した場合、必ず間引きを行います。
間引きをして不要な芽を引き抜く時、健全な芽の根や葉を傷めることがあります。
引き抜かずに地際でハサミを使って切ったとしても、
残す予定の芽を間違って切ってしまうこともあります。
1穴1粒で育てることで、間引きをする時のこういった失敗が起きません。
ただ、100%発芽するわけではないので、
必要数よりも多めの種を播いておく必要があります。
カラーポリポット(青)9.0cm100枚入 価格306円 C)グラントマト
品種違い、色違いの苗を作るときに便利です
■ポリポットの利点
トマト栽培では、3号~4号のポリポットに種を播くことが多いです。
ホームセンターや園芸店などで売られている苗も、
3号~4号ポットに入っているものが多いです。
このくらいのサイズであれば、1段目の花が咲くまでは育てられますし、
ポット自体も安価で入手しやすいです。
ポリポットで育苗する利点もまとめました。
・水切れしにくい
連結ポットよりもポットのサイズが大きいので、入っている土の量も多いです。
その分、水もちも良いので、水切れを起こしにくくなります。
育苗床は水はけの良いものを使うため、うっかりしていると、
すぐに水切れを起こします。
大きく育った後のトマトなら、多少の水切れでは枯れませんが、
まだ小さい芽のうちは、1度の水切れで枯死することも少なくありません。
ポリポットでの育苗は、水切れによる失敗を減らしてくれます。
レジナのポット苗育苗、水やりに注意すると良い苗ができます
・植え替えが不要
3号~4号サイズのポリポットであれば、1段目の花が咲くまで、
植え替えなしで育てることができます。
まだ小さな苗を植え替えるのに慣れていない初心者の方は、
植え替えをするリスクがないので、安心して育てることができます。
・複数の芽から選べる
3号~4号のポットで育てるのであれば、1つのポットに複数の種を播きます。
種の発芽率は100%ではないので、5粒ほど播いておくことによって、
発芽しなかった時の保険をかけることができます。
また、いくつか出た芽の中でも、生育の良いものを選び育てることができます。
■まとめ
連結ポット、ポリポットそれぞれに良いところも悪いところもあります。
両方のポットを使って育苗したことがありますが、
本当にどちらにもメリットとデメリットがあります。
個人的な経験からすると、連結ポットの方が乾湿の差を利用して、
徒長させずに育苗できるのでお勧めです。
けれど、ポリポットは植え替えのリスクなしに育苗できるのも、魅力的です。
育てるトマトの品種や性質によっても、どちらが良いのかが変わってきます。
トマトの性質がわからない、どちらが自分に合っているのか分からない場合は、
思い切って両方を試してみるのも良いでしょう。
やってみて成績の良い方を、今後の基本育苗法としておくと、
トマト栽培がやりやすくなります。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方