トマト 毛の役割
トマト果実の産毛が見えますか?
トマト栽培中に茎や実をよく見てみると、
表面に細かい毛のようなものがはえているのが分かります。
けれど、栽培している状態によっては、
この産毛のようなものが少ないこともあります。
トマトのこの毛には、どのような役割があるのでしょうか。
また、多い方が良いと言われますが、その理由と増やし方をご紹介します。
[トマト 毛の役割]
茎にも花のガクにも、産毛がたくさん生えています。良い兆候♪
■トマトの毛の役割は?
トマトには、茎や花の表面に、細かい産毛のようなものがはえています。
実は大きく育った実の表面にも、毛がついています。
実についている毛は、収獲直後は表面に残っていますが、
軽く手でこすることで簡単に取り除けます。
収穫後時間が経つと、自然に取り除かれます。
この毛は「トライコーム」と呼ばれていて、
日本語に訳すと「毛状突起」となります。
表皮細胞が変化してできたものだそうですが、このトマトの表面にある毛は、
どのような役割を持っているのでしょうか。
・強い光への防御壁
トマトは光を好む植物ですが、強い直射日光に長時間当たり続けると、
強い乾燥によって株が弱ります。
日光によって葉が焼けることもあるので、
いくら光が好きなトマトでも、強すぎる光は良くありません。
トマトの表面の毛は、この光の強さを軽減する効果があります。
・乾燥を予防
トマトは湿気た場所が苦手です。
そのため、風通しの良い場所で育てられることが多いですが、
この時、強い風に当たると、表面が乾燥しやすくなります。
また、栽培期間が台風の時期とダブることもあり、
強風によって乾燥する可能性が高いです。
茎などの表面に毛がはえることで、風が直接当たるのを防ぐことができます。
・害虫避け
トマトは丈夫な植物ですが、害虫の被害にあうことがあります。
アブラムシ程度の小さな害虫であれば、
表面の毛によって、表皮になかなか到達することができません。
そのため、害虫から受ける被害も軽減することができます。
トマトにたくさんの産毛が生えているのは、元気に育っているサインです
■トマトの毛を増やすには?
トマトの表面にはえている毛は、
トマトにとって良い効果があるものということが分かりました。
けれど、トマトの状態や管理方法によっては、この毛の量が少なくなることがあります。
曇りの日が続くと、毛の量が減ることがあるそうです。
トマトは日当たりの良い場所で育てるのが基本ですが、
毛の量を増やすためには、この他に2つのコツがあります。
・乾燥気味に育てる
トマトはもともと、乾燥した地域で育っていた植物です。
もともと自生していた場所に合わせて、表面に毛を発生させたのでしょう。
そのため、水分がたっぷりと土に含まれていて、空気中にも湿気が多い状態が続くと、
表面の毛を発生させて乾燥を防ぐ必要がないため、毛が減っていきます。
土が湿った状態を続けず、土が乾いてから水を与えるようにします。
また、日本は湿気の多い国です。
風通しの良い環境を作り、湿気が溜まりやすい状態にしないことも、
毛を増やすポイントです。
・窒素過多にしない
トマト栽培で与える肥料を、窒素の多いものにすると、
窒素過多になりやすいので注意します。
窒素過多になると、樹ボケを起こして花付きや実付きを悪くします。
それだけでなく、害虫に対する免疫力が低下します。
>>トマト 肥料過多
トマトの表面の毛は、トマトの元気の度合いのバロメーターです。
毛がたくさんあれば、トマトが元気に育っているという証拠です。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方