トマト 栄養剤は必要?
市販の植物栄養剤
トマトを育てていると、なんとなく元気がない、
日中に萎れてしまって調子が悪そうといったことがあります。
そんな時、真っ先に思い浮かぶ原因は水切れと肥料切れです。
水切れの場合は、適した時間帯に水やりをすることで改善されますが、
肥料切れの場合は必要な養分を与える必要があります。
この時に迷うのが、肥料として販売されているものを与えるか、
栄養剤として販売されているもの与えるかです。
どちらも同じようなものに思えますが、違いはあるのでしょうか。
[トマト 栄養剤は必要?]
■栄養剤とは
栄養剤は、活力剤と呼ばれることもあるもので、
先端が細くなった容器(アンプル)に液体が入った状態で売られています。
中の液体は、メーカーなどによって緑色だったり黄色っぽい色だったりします。
10本くらいでまとまって販売されていることが多いです。
容器の先端を切って液体の出口を作り、
それをそのまま植物を育てている土に挿して使います。
容器の先端からは少しずつ中の液剤が出て、長期間効くようにできています。
中の液剤の成分は、商品によって様々です。
値段も安いものなら100円均一のお店で5本パックで売られていたりします。
高くても数千円もするようなものではなく、10本パックでも500円ほどです。
園芸店やホームセンター、スーパーの園芸コーナーやドラッグストアで、
売られていることもあるので、入手しやすいです。
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■肥料と栄養剤の違い
植物を育てている人にとっては、肥料と栄養剤は混同しやすいですね。
どちらも植物が必要とする養分を含んでいる点では同じですが、
植物に作用する点や内容が異なります。
植物が生長するために必要な養分には種類があります。
一番有名で、生育するためにたくさん必要なのが、窒素・リン酸・カリの3要素です。
肥料にはこの3要素がおもに含まれているものが多いです。
この3要素以外にも、中量要素と微量要素というものがあります。
中量要素は硫黄・カルシウム・マグネシウム、
微量要素には鉄・銅・亜鉛・ホウ酸・塩酸・マンガン・モリブデン、
という要素のことを指します。
肥料の中にも、この中量要素や微量要素を含んだものがありますが、
栄養剤とはっきり区別できるのは、3要素の濃度です。
肥料と呼ばれるものには規定があり、
窒素・リン酸・カリの3要素が0.2%以上含まれている必要があります。
ところが栄養剤の場合は、この規定に達する必要がないため、
ごく薄い濃度しか入っていないことが多いです。
あるいは3要素はほぼ入っておらず、
中量要素や微量要素が中心となって配合されている栄養剤もあります。
植物が育つ時に必要な3要素が主食だとすれば、
中量要素や微量要素はおかずやおやつと言えるでしょう。
つまり3要素を多く含む肥料は、きちんとした食事といえますが、
中量要素や微量要素が含まれているだけの栄養剤や、
薄い3要素のみの栄養剤は、サプリメントといった感じになります。
人が生きていくために必要な栄養素は、たいてい食事で賄います。
食事で賄いきれない部分や、気になる部分を補うために摂取するのがサプリメントです。
人にとってサプリメントが必ずしも必要でないのと同じように、
植物にっても栄養剤は同じと解釈できますしてもよいでしょう。
シシリアンルージュ、トマトは少なめの元肥で追肥で補うのが良いです
■トマトに栄養剤は必要か?
植物の中には、室内で育てることが多い観葉植物などもあり、
様々な種類とそれに適した生育環境が必要になります。
植物の環境や管理が異なるので、一概に栄養剤が不要とは言い切れません。
実際に、微量成分が不足することによって調子を崩した観葉植物に、
栄養剤を与えると、元気を取り戻すこともよく見られます。
ではトマトではどうでしょうか?
トマトを育てる時、地植えであれ容器栽培であれ、
中量要素や微量要素が不足することはあまりありません。
トマトは、窒素・リン酸・カリの3要素が足りないために、
肥料による追肥が必要となるケースはよくあります。
肥料の中には微量要素を含むものもあるため、
そういった肥料を選べば、栄養剤を与える必要はありません。
フルティカ、肥料は少なめでよく育ちます
逆に栄養剤だけで賄おうとしても、トマトが育つには成分が薄すぎたり、
3要素が圧倒的に足りなくなってしまうため、あまり効果が期待できません。
トマトの元気がないからといって、近場にあった栄養剤を与えてみても、
元気な状態に戻ることは稀と考えて良いでしょう。
むしろトマトが元気をなくした原因は、栄養不足からではないこともあります。
病害虫が原因だったり、過湿による根腐れなども考えられるため、
原因を特定することが大切です。
また、原因が栄養不足ではなかった場合、無理に肥料や栄養剤を与えると、
かえって根を傷めて枯らせてしまうことになりかねません。
トマトはもともと多肥にしない方が良い植物です。
定期的な追肥以外に肥料を与える時は、
タイミングが適切かをチェックしてから与えるようにしましょう。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方