トマト プランターの雨対策
裂果したトスカーナバイオレット
トマト栽培では、雨よけすると良いと言われます。
これはプランター栽培でも同じことです。
プランターで育てているトマトを雨ざらしにすると、
どのようなことが起こるのでしょうか。
また、お勧めの雨対策もご紹介します。
[トマト プランターの雨対策]
■プランターのトマトが雨ざらしになると?
トマトを地植えで育てている人も、プランターで育てている人も、
特に雨よけしないまま育てている、という人は意外と多いものです。
もちろん、雨ざらしでも、しっかり生長して収穫できることが多いですが、
雨ざらしにしておくことで、不具合が起こることもあります。
まずは、トマトのプランター栽培で雨ざらしにしている時、
起こりやすい不調をご紹介します。
大玉トマトの裂果は、ショック!
・裂果しやすくなる
雨に当たりやすい場所でトマトを育てると、最も起きやすいのが、裂果です。
近年では、トマトの品種改良が進み、裂果しにくい品種も増えてきました。
けれど、やはり雨ざらしにしておくと、裂果の確率が高くなります。
裂果は、一気に多量の水分が土に入り、それをトマトの根が吸うことによって、
トマトの実の皮と果肉の生長のバランスが悪くなり、皮が割れる状態です。
また、雨粒が実に当たることによって、裂果が起こることもあります。
特に、強い水分制限をしているトマトは、常に乾いた状態となっているため、
水分が入ったら、入っただけ吸収し、裂果を招きます。
プランター栽培の肥料過多で茎が2本、花が各所からでています
・樹ボケの可能性が高くなる
雨ざらしということは、水分を含みやすいということです。
土に多く水分が含まれていると、根腐れなどの心配もありますが、
肥料の効きすぎによる樹ボケも心配です。
樹ボケとは、株が茂るが、花や実が付かない状態です。
トマト栽培で使われることの多い粒状の肥料は、
水に触れることによって肥料成分が溶けだします。
そのため、雨に当たる場所で栽培していると、肥料が溶けやすくなるのです。
地植えの場合は、土がたくさんあるため、肥料が溶けだして広がっても、
急激に濃度が上がることはありません。
けれどプランター栽培では、土の量が制限されているため、
多くの肥料が溶け出ると、濃度が途端に高くなる可能性があります。
・肥効が短くなる
雨ざらしの場所にプランターを置いていると、
雨によって含んだ水分が、プランターの底から流れ出ます。
この時、溶け出た肥料成分も、水と一緒に排出されます。
そのため、何日も降り続くような大雨が降ると、
予定よりも早くに肥料が溶けて流れるので、肥効の持続期間が短くなります。
トマト栽培では、肥料過多による樹ボケに注意しますが、
早いうちに肥効が切れることによる、
肥料切れやスタミナ切れにも注意が必要です。
■プランター 雨対策
トマトをプランターで育てる時、雨対策をしておくと、
雨ざらしによる不具合が軽減できます。
育てている環境に合わせて、雨対策をしておきましょう。
・軒下に置く
特別な資材を準備する暇がない、設置が面倒という場合は、
軒下など、雨の当たらない場所にプランターを移動させるだけで済みます。
プランター栽培は地植えと違い、移動ができる強みがあります。
雨が降ってきたら、雨の当たらない場所に移動させ、
雨がやんだら日当たりの良い場所にまた戻します。
もし日当たりの良い軒下(ベランダなど)があれば、
常にその場所に置いておくと、移動の手間も省けます。
トマト雨よけの自作例、右は横から見た図
・支柱とビニールで自作する
雨よけは、支柱とビニールを使って、簡単に自作できます。
プランターや地面に支柱を立て、上部にビニールをかぶせて固定するだけです。
支柱は前方と後方で長さの少し違うものを使うと、
雨がビニールに溜まるのを防ぐことができます。
家庭菜園用ビニール 雨よけ 幅230cm×長5m 1枚入 2,190円 C)JOYアイランド
・市販の雨よけセットを利用する
市販されている雨よけセットを使うと、
お金はかかりますが、簡単に雨よけがセットできます。
地植え用の雨よけセットを組み立て、動かないように固定してから、
その中にプランターを置きます。
最近では、プランター用の雨よけセットも販売されているので、
そういったものを使うと便利です。
・ワラや腐葉土でマルチングしておく
雨による用土の跳ね返りで、苗の生長が遅れたり病気になることがあります。
猛暑対策も兼ねて、ワラや腐葉土でプランター表土のマルチングをするのも効果的です。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方