トマト栽培 早く赤くするには?
早く赤くなって欲しいトマト
トマトの苗を春に植え付け、収穫できる日をいまかいまかと待つ間は、
楽しみで、早く赤くなって欲しいという気持ちが強くなりますよね。
しかし、トマトは、赤くなるのに時間がかかります。
大玉トマトの場合、花が咲いてから50日~60日ほど、
ミニトマトや中玉トマトの場合は40日~50日ほどかかるのです。
開花から結実まで、1ヶ月半~2ヶ月くらいかかるということになるので、
トマト栽培初心者の方だと、もしかしたら異常? と不安になることもあるでしょう。
待てど暮らせど赤くならないトマトを、
できるだけ早く赤くするにはどうすれば良いのでしょうか。
[トマト栽培 早く赤くするには?]
■トマトが赤くなるしくみ
トマトを育てる時、できるだけ日当たりの良い場所を選ぶというポイントがあります。
太陽の光はトマトを育てる時に必要不可欠なのですが、
実は太陽の光がトマトを赤くするわけではないのです。
太陽の光を受けることで、トマトは光合成をします。
光合成をして作った養分は株全体を巡り、順調に生育するようになります。
その養分を使って花を咲かせ、実を大きく肥らせます。
けれど養分と関係があるのはそこまでで、
そこから先、つまり実を赤く色づかせるために必要なのは、光ではないのです。
では何がきっかけで赤くなるのかというと、温度です。
温度の高い日があると色づくスイッチが入る、ということではなく、
実が大きくなってからの累積温度が一定ラインを越えることで、色づきます。
そのため、植え付けてすぐに着果した実よりも、
梅雨明け後着果した実の方が、大きくなり色づくまでの時間が短くなります。
春に着果したトマトは、色づくまでの時間が長く、
その間はずっと光合成して作った養分を溜めこむ形になります。
たっぷりと養分を溜めこんだトマトの実は、
樹上で完熟させてから収穫して食べると、旨みも甘みも強くなります。
色づくために養分は必要ありませんが、
色づくまでにどれだけ養分を溜めこむかが変わってくるため、
樹上で完熟させたものと、収穫してから追熟したものでは味に差が出るのです。
ビニール温室150㎝ C)Gardening園芸と土 刀川平和
■樹上のトマトを赤くする
樹上で完熟させたトマトがおいしいことは分かっているけれど、
できるだけ早く色づかせて収穫したいという場合があります。
例えば、春以降に涼しい日が続いて気温が上がらず、
なかなか色づかずにやきもきしてしまっている時や、
秋になって気温が下がり、色づくまでに株自体が枯れそうな時などです。
どちらも気温が低いために色づくのに時間がかかっている状態です。
この場合は、単純に累積温度を早く溜めれば良いので、温室を作りましょう。
農家のような立派なハウスが設置できなくても、簡易のものでも構いません。
ホームセンターでも売っているような、1株だけ覆うことができるタイプでも良いですし、
支柱とビニールで画像のように自作しても構いません。
ただし、温室で囲うことで弊害が出ることがあります。
晴れた日の日中に高温になりすぎたり、
換気が悪く病害虫が発生することもあります。
適度に空気の入れ替えを行い、
トマトに適した環境から、ずれないようにしておきましょう。
また、実が大きくなってから赤くなるまでの時間が短くなるため、
養分を溜めこむ時間も短くなります。
そのため、じっくりと樹上で熟した実に比べると、やや味が薄くなることがあります。
■収穫したトマトを追熟する
なかなかトマトが赤くならず、実が青いままで収穫することがあります。
あるいは大玉トマトなどだと、
摘果のために小ぶりの青いトマトを摘み取ることもあります。
けれど小さかったり青いだけで、
そういったトマトも追熟すれば食べることができます。
トマトは樹上で完熟させなくても、追熟することで、
青いうちに含まれていた毒素が消え、安心して食べられるようになります。
また青いトマトは酸味が強すぎて、どうにも食べにくいのですが、
追熟することで普通に食べられるようになります。
樹上で完熟させた実に比べると、少し旨みやコクが少なくはなりますが、
それはそれであっさりとしていてフレッシュな味を楽しむことができます。
完熟トマトは美味しい♪
・日向に置く
室内の日当たりの良い場所に置いておくだけで、だんだんと赤くなります。
ビニールに入れても良いのですが、高温になりすぎて中のトマトが傷んだり、
ビニールの中で露をもってそこからカビがはえることがあるので、
そのままの方が良いでしょう。
室内でも日当たりの良い窓辺は気温が上がりやすいので、
冷蔵庫に入れているよりも早く赤くなります。
・リンゴと袋に入れる
リンゴから出るエチレンガスによって、トマトが早く色づきます。
リンゴと一緒にビニール袋などに入れ、口を軽く縛っておきます。
常温で置いておくので、もし中が蒸れているようなら、口をあけて換気しましょう。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方