トマト品種の特性
トマトというと、実のつき方や株姿など、どれも同じように見えます
けれど、よく観察してみると、意外と違っている点が多く、
品種ごとに様々な特徴があることに気づきます。
トマト品種の特性や、その見分け方、
特性ごとの栽培ポイントなどをまとめました。
[トマト品種の特性]
■夏型と冬型
品種ごとに実の大きさや形、味に違いがあるように、株姿にも違いがあります。
背丈が大きくなるもの、低いまま広がって育つもの、
葉が大きいものや小さいもの、
全体的に色が濃いものや薄いものなど、様々です。
その中でも、葉の大きさや節間によって「夏型」と「冬型」に分けられます。
まずは夏型と冬型の特徴をチェックしましょう。
・夏型
夏型の品種は葉の幅が広くて大きめで、かつ節間が短いのが特徴です。
支柱の高さくらいまで育った様子を見ると、
葉と葉の間の節間が詰まっていることがよく分かります。
これは、夏場の日差しが強く日が長い時期に生育期がくるためです。
りんか409、みそら64、桃太郎グランデなどが代表品種です。
日差しを遮るために節間を短くして、葉の幅を広くして陰を作り、
採光を緩やかにしているのです。
・冬型
冬型は夏型と反対に、葉の幅やや狭くて小さく、節間が広いです。
高く育った時に少し離れたところから株全体を見ると、葉がまばらな印象を受けます。
理由も夏型と正反対で、冬の日照時間が短い時期でも、
光をできる限り受けやすくするためです。
ハウス桃太郎、CF桃太郎はるか、アニモなどが代表品種です。
節間が広いと、葉と葉の間が広いため、光が入りやすくなります。
また、葉の幅が狭くて小さいと、葉によって陰ができにくくなるので、
採光が良くなります。
■同シリーズでも異なるタイプ
夏型か冬型かは、葉の大きさや節間などによって見分けられますが、
品種のシリーズごとに分けられているわけではありません。
日本でもっとも栽培されている桃太郎トマトには、たくさんの品種が存在します。
桃太郎グランデやハウス桃太郎、桃太郎8などがあります。
同じ桃太郎シリーズの品種であっても、夏型と冬型に分かれます。
桃太郎グランデやCF桃太郎ヨークは夏型、
ハウス桃太郎やCF桃太郎はるかは冬型です。
ただ、桃太郎グランデは、見た目の特徴だけでいえば、節間が広いため冬型です。
けれど、高温時の着果性が良いという点で、夏型に分類されているようです。
事実、暑さの残る時期から栽培の始まる抑制栽培で、全国的に使われることが多いです。
もちろん、桃太郎シリーズ以外の品種もあります。
■育て方の違いは?
夏型でも冬型でも、基本の育て方は同じです。
定植のタイミングや灌水量、追肥のタイミングなど、
品種によって基本とは少し異なることもありますが、基本は基本です。
ただし、夏型品種は株が暴れやすいという性質も持っています。
夏の暑さにも負けずに生長できる体力があるため、
ちょっとしたことで草勢が強く出過ぎ、過繁茂や異常茎になることも少なくありません。
夏型品種だと見て分かるものは、元肥や灌水量を控えめにしたり、
追肥する時の量を減らして回数を増やすなど、工夫が必要になる場合もあります。
いずれの品種も、まずは基本に沿って栽培してみることです。
基本の通りに栽培した時、何か違う点が見つかれば、
次の栽培でその点を改善すれば大丈夫です。
*詳しいトマトの栽培方法は、下記をご覧ください。
・トマト プランターの育て方
・トマト 地植えの育て方
・ミニトマト プランターの育て方
・ミニトマト 地植えの育て方
・トマト 種からの育て方
・フルーツトマトの育て方